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第2章 魔術師の試練
15. エルフと約束
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「ご主人様と…お呼びすればよろしいでしょうか」
ジンが震える声で俺に尋ねた。
兄上にやられた傷は魔法で治したようだ。角も翼もなく、眼の色も変異する前と同じ、黒に戻っている。服はボロボロに破れているが、それ以外は普段どおりの姿だった。
「ノアでいいよ。そんなに怯えなくても大丈夫」
「あなたはルクス様では?皇帝陛下の弟君であらせられる……」
「昔はそうだったけど、今の俺は冒険者ノア・スタークだ。もしどちらか一方を捨てろと迫られたら、俺はルクス・ベルムデウスを捨てると思う…」
「ノア!」
「ウィル!よかった無事で!エトワール、も……」
あ……エトワールに素性を明かすのを忘れていた。
冒険者試験が終わり、エトワールの傷の具合がよくなってすぐに魔術師探しに出かけて――言い訳はよそう。
立派な冒険者になるという夢を支えると言ってくれた人に対して、不誠実だった。
「ごめん、エトワール…俺、昔はルクス・ベルムデウスって名前だったんだ」
「……昔は、ってなんだ?ルクス?」
……振り返るのが怖い。
背後からの負のオーラに、正面にいるエトワールの柔和な微笑みまでも、若干引きつり始める。
「陛下…弟君をあまり困らせぬよう…ついに嫌わ「その言葉を口にするなラウルス!ルクスではなく、おまえの口から出た言葉でも、千のナイフが我が心臓を突き刺すかのようだ……っ!」
「それに、時間です」
「いや…まだ……」
「陛下……っ!時間厳守!!」
肩の甲冑を引っ張られ、兄上は騎士団長に引きずられていった。
「ルクス!近いうちに話してもらうぞ!」
「皇子!急ぎの用件がありますので、これにて失礼いたします。ご無礼をお許しください」
愛馬とともに転移魔法でどこかへ去って行くふたりを見送り、俺含むみんなは、ほっ……と安堵のため息を吐いた。
「…それで、エトワール…話の続きなんだけど」
「温泉……」
「え?」
「一緒に温泉に行ってくださるのなら、許してあげます」
「……そんなことでいいの?」
「はい」
後光のせいか、それは天使のような微笑みだった。
「というか……あなたがノア・スタークでも、ルクス・ベルムデウスでも、どちらだろうと関係ないです。私はあなたの、純粋なこころに惹かれたのですから」
ジンが震える声で俺に尋ねた。
兄上にやられた傷は魔法で治したようだ。角も翼もなく、眼の色も変異する前と同じ、黒に戻っている。服はボロボロに破れているが、それ以外は普段どおりの姿だった。
「ノアでいいよ。そんなに怯えなくても大丈夫」
「あなたはルクス様では?皇帝陛下の弟君であらせられる……」
「昔はそうだったけど、今の俺は冒険者ノア・スタークだ。もしどちらか一方を捨てろと迫られたら、俺はルクス・ベルムデウスを捨てると思う…」
「ノア!」
「ウィル!よかった無事で!エトワール、も……」
あ……エトワールに素性を明かすのを忘れていた。
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「ごめん、エトワール…俺、昔はルクス・ベルムデウスって名前だったんだ」
「……昔は、ってなんだ?ルクス?」
……振り返るのが怖い。
背後からの負のオーラに、正面にいるエトワールの柔和な微笑みまでも、若干引きつり始める。
「陛下…弟君をあまり困らせぬよう…ついに嫌わ「その言葉を口にするなラウルス!ルクスではなく、おまえの口から出た言葉でも、千のナイフが我が心臓を突き刺すかのようだ……っ!」
「それに、時間です」
「いや…まだ……」
「陛下……っ!時間厳守!!」
肩の甲冑を引っ張られ、兄上は騎士団長に引きずられていった。
「ルクス!近いうちに話してもらうぞ!」
「皇子!急ぎの用件がありますので、これにて失礼いたします。ご無礼をお許しください」
愛馬とともに転移魔法でどこかへ去って行くふたりを見送り、俺含むみんなは、ほっ……と安堵のため息を吐いた。
「…それで、エトワール…話の続きなんだけど」
「温泉……」
「え?」
「一緒に温泉に行ってくださるのなら、許してあげます」
「……そんなことでいいの?」
「はい」
後光のせいか、それは天使のような微笑みだった。
「というか……あなたがノア・スタークでも、ルクス・ベルムデウスでも、どちらだろうと関係ないです。私はあなたの、純粋なこころに惹かれたのですから」
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