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第3章 定めに抗う者たち
1. エルフと病
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春が過ぎ、季節は夏を迎えようとしていた。
「エトワール…大丈夫?」
エトワールは、先週から熱を出して寝込んでしまっていた。
「師が診てくださるって……起きられる?」
ベッドとエトワールの腰の下にクッションを挟み、上体を起こすのを手伝っていると、扉がノックされ、師がエトワールの部屋を訪れた。
「ありがとうございます…ノア、うつしてしまってはいけないので……」
「うん……師匠、エトワールをよろしくお願いします」
「うむ……」
居間で師の診察が終わるのを待つ。
「ノア……大丈夫か?」
ウィルがミルクティーを入れて持ってきてくれた。
「お茶ありがとう……俺よりエトワールが心配だよ。一週間も熱が下がらないなんて……」
「ただの風邪ならいいんだけどな……」
「うん……」
ウィルの淹れてくれたミルクティーはほどよい甘みで美味しかったが、不安な気持ちは消えなかった。
しばらくして階段を下りてくる靴音が聞こえ、師が居間に現れた。
「師匠……エトワールの容体は?」
「ふぅ……」
「ホルデウム殿、よかったらお茶をどうぞ……」
しばらくの沈黙の後、師は口を開いた。
「エトワールじゃが……」
ごくり――固唾を飲んで師の次の言葉に耳を傾ける。
「みんな見てよ~!畑でこんなでっかいカブが採れたよ~~!!」
顔や服を泥だらけにした魔族が現れた。空気が凍り付く。
「ジン……」
ジンはすぐに状況を察したようで顔をさっと青褪めさせた。
「ごめん…悪気はなかったんだ……」
「……ゴホン…エトワールの容体じゃが……」
「は、はい……!」
「非常に危険じゃ……」
「え……」
「やっかいな感染症じゃ……予防薬を煎じてわしらも飲んでおかねばならん」
「…エトワールは?」
「特効薬となる魔法薬の煎じ方は知っておるのじゃが、材料が希少すぎる。ここ十数年、どこにも出回っていないじゃろう」
「そんな……じゃあエトワールは?」
「薬がないとなると、彼自身の体力次第じゃが……難しいだろうの」
「難しいって……えっ…助かるんですよね?」
「奇跡が起こることを祈るしかないのう……」
「そんな……っ!」
「何かできることはありませんか?」
「材料を手に入れることができればのう……特効薬さえあれば、助かる見込みも上がるんじゃが……」
「その材料を教えてください!師匠!」
「エトワール…大丈夫?」
エトワールは、先週から熱を出して寝込んでしまっていた。
「師が診てくださるって……起きられる?」
ベッドとエトワールの腰の下にクッションを挟み、上体を起こすのを手伝っていると、扉がノックされ、師がエトワールの部屋を訪れた。
「ありがとうございます…ノア、うつしてしまってはいけないので……」
「うん……師匠、エトワールをよろしくお願いします」
「うむ……」
居間で師の診察が終わるのを待つ。
「ノア……大丈夫か?」
ウィルがミルクティーを入れて持ってきてくれた。
「お茶ありがとう……俺よりエトワールが心配だよ。一週間も熱が下がらないなんて……」
「ただの風邪ならいいんだけどな……」
「うん……」
ウィルの淹れてくれたミルクティーはほどよい甘みで美味しかったが、不安な気持ちは消えなかった。
しばらくして階段を下りてくる靴音が聞こえ、師が居間に現れた。
「師匠……エトワールの容体は?」
「ふぅ……」
「ホルデウム殿、よかったらお茶をどうぞ……」
しばらくの沈黙の後、師は口を開いた。
「エトワールじゃが……」
ごくり――固唾を飲んで師の次の言葉に耳を傾ける。
「みんな見てよ~!畑でこんなでっかいカブが採れたよ~~!!」
顔や服を泥だらけにした魔族が現れた。空気が凍り付く。
「ジン……」
ジンはすぐに状況を察したようで顔をさっと青褪めさせた。
「ごめん…悪気はなかったんだ……」
「……ゴホン…エトワールの容体じゃが……」
「は、はい……!」
「非常に危険じゃ……」
「え……」
「やっかいな感染症じゃ……予防薬を煎じてわしらも飲んでおかねばならん」
「…エトワールは?」
「特効薬となる魔法薬の煎じ方は知っておるのじゃが、材料が希少すぎる。ここ十数年、どこにも出回っていないじゃろう」
「そんな……じゃあエトワールは?」
「薬がないとなると、彼自身の体力次第じゃが……難しいだろうの」
「難しいって……えっ…助かるんですよね?」
「奇跡が起こることを祈るしかないのう……」
「そんな……っ!」
「何かできることはありませんか?」
「材料を手に入れることができればのう……特効薬さえあれば、助かる見込みも上がるんじゃが……」
「その材料を教えてください!師匠!」
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