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第7章 命の代償
12. 古代の塔へ
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翌日――
「同行できず、申し訳ありません」
「素材の調達は俺たちに任せてよ。ラウルスはゆっくりからだを休めてね」
深く頭を下げるラウルス。
みんなを心配させないためか、弱音や愚痴を吐かないばかりか、痛む素振りすら見せない。
あと少しの辛抱だ。がんばってくれ……
俺たちは5人でパーティを組み、テンプロの塔へと転移したのだった。
目の前に聳える塔は天まで届きそうなほどに高く、50階は軽く超えているんじゃないだろうか……
これほどの高さの建築物は、前世でも都会に行かねばお目にかかれないだろう。
だが今は……古代人の技術に関心している場合ではない。一刻も早く、薬の材料を手に入れなければならない。
手に入れなければならない素材は三つあった。
・コブラの目
コブラの特徴…大蛇。首をもたげた姿は2mを超える。
・死霊の憑代
死霊の特徴…不気味な声を放つ。実体がない。
・キマイラの新鮮な心臓
キマイラの特徴…大型の獅子。空を駆ける翼と、山羊、蛇の頭部を持つ。
コブラと死霊は里の人たちが以前、塔の内部で見かけたことがあるらしい。だがキマイラに関しては、千年以上前の伝承に名前が残っているだけで、塔に生息しているかどうかも確認が取れておらず、あくまで噂でしかないという。
「とりあえず……コブラと死霊を狩りつつ、塔の最上階を目指しましょうか」
「「「「了解!」」」」
俺たちは、テンプロの塔へと足を踏み入れた。
塔の内部には灯りはほとんどなかったが、窓がいくつもあるため、日の光で暗さを感じることはなかった。日中は問題ないが、夜になるとまた話は変わってくる。できれば日の沈む前にすべての素材を手に入れたい。
「あのモンスター……コブラではないですか?」
「……たしかに、特徴が一致するね」
「みんな、準備はいいか?」
モンスターに向かって最初に切り込んでいったのはウィルだ。
だがモンスターは、素早い動きで斬撃を躱し、その反動で反撃をしかけた。鋭い牙による噛みつき攻撃を盾で防ぐウィル。
ウィルがモンスターの攻撃を受け止めている間に、ジンが側面からモンスターに体重の乗った蹴りを入れる。
エトワールの放った幾本もの矢がモンスターの頭上に降り注ぎ、コブラに一瞬の隙が生まれた。
「ウィル、ジン、離れて!」
俺の詠唱が終わる頃合いを見計らって、ニケがふたりに声をかける。
「チェイン・ライトニング!」
魔法の雷撃をモンスターに向けて放った。
コブラはドサリ……と音を立てて倒れ、動かなくなった。
「やった……!」
「なんか今の、かなり連携取れてたよね!」
「いいかんじでしたね」
俺たちは薬の材料のひとつである、コブラの目を手に入れた。
残る素材はあとふたつだ。
「同行できず、申し訳ありません」
「素材の調達は俺たちに任せてよ。ラウルスはゆっくりからだを休めてね」
深く頭を下げるラウルス。
みんなを心配させないためか、弱音や愚痴を吐かないばかりか、痛む素振りすら見せない。
あと少しの辛抱だ。がんばってくれ……
俺たちは5人でパーティを組み、テンプロの塔へと転移したのだった。
目の前に聳える塔は天まで届きそうなほどに高く、50階は軽く超えているんじゃないだろうか……
これほどの高さの建築物は、前世でも都会に行かねばお目にかかれないだろう。
だが今は……古代人の技術に関心している場合ではない。一刻も早く、薬の材料を手に入れなければならない。
手に入れなければならない素材は三つあった。
・コブラの目
コブラの特徴…大蛇。首をもたげた姿は2mを超える。
・死霊の憑代
死霊の特徴…不気味な声を放つ。実体がない。
・キマイラの新鮮な心臓
キマイラの特徴…大型の獅子。空を駆ける翼と、山羊、蛇の頭部を持つ。
コブラと死霊は里の人たちが以前、塔の内部で見かけたことがあるらしい。だがキマイラに関しては、千年以上前の伝承に名前が残っているだけで、塔に生息しているかどうかも確認が取れておらず、あくまで噂でしかないという。
「とりあえず……コブラと死霊を狩りつつ、塔の最上階を目指しましょうか」
「「「「了解!」」」」
俺たちは、テンプロの塔へと足を踏み入れた。
塔の内部には灯りはほとんどなかったが、窓がいくつもあるため、日の光で暗さを感じることはなかった。日中は問題ないが、夜になるとまた話は変わってくる。できれば日の沈む前にすべての素材を手に入れたい。
「あのモンスター……コブラではないですか?」
「……たしかに、特徴が一致するね」
「みんな、準備はいいか?」
モンスターに向かって最初に切り込んでいったのはウィルだ。
だがモンスターは、素早い動きで斬撃を躱し、その反動で反撃をしかけた。鋭い牙による噛みつき攻撃を盾で防ぐウィル。
ウィルがモンスターの攻撃を受け止めている間に、ジンが側面からモンスターに体重の乗った蹴りを入れる。
エトワールの放った幾本もの矢がモンスターの頭上に降り注ぎ、コブラに一瞬の隙が生まれた。
「ウィル、ジン、離れて!」
俺の詠唱が終わる頃合いを見計らって、ニケがふたりに声をかける。
「チェイン・ライトニング!」
魔法の雷撃をモンスターに向けて放った。
コブラはドサリ……と音を立てて倒れ、動かなくなった。
「やった……!」
「なんか今の、かなり連携取れてたよね!」
「いいかんじでしたね」
俺たちは薬の材料のひとつである、コブラの目を手に入れた。
残る素材はあとふたつだ。
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