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第一章 失くした記憶と巡り会う運命
8. 一騒動
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「アルシュ、クロ……非常に言いづらいんだけど」
実は、食事の途中で気付いていた。これ以上後回しにはできない。
「僕、お金持ってないんだ。ごめんっ……」
——ガシャン!
クロが持っていたフォークを床に取り落とし、鋭い音が響いた。
「ク、クロ……?」
「わ…私も失念していた。そうだ……店で食事をとるには貨幣が必要だ」
クロまでも……。僕とクロは、恐る恐るアルシュに視線を向けた。
「ふたりとも心配しないで!ぼくがふたりの分も払うよ」
アルシュ……!
「ていうか、最初からそのつもりだったよ?」
「本当にすまない、アルシュ。だが、返す当てはあるにはあるのだ。この街に貴金属を貨幣と交換できる質屋はないだろうか?」
「質屋さん?ぼく、知ってるよ!」
「あとで案内してはくれないだろうか?」
クロは身に着けていた腕輪を取り外し、テーブルの上に置いた。
「指輪や耳飾りといったある程度値が張りそうな装飾品を他にもいくつか身に着けている。これらを換金して当面の生活費にあてようと考えているのだ」
「案内はいいけど……質に入れちゃってほんとにいいの?クロの大切なものかもしれないのに……」
確かに……。クロはいま、記憶を失っている。そんな状態で、思い入れのあるかもしれない品を質に入れてしまうのは……
「その可能性はあるが、先立つものがなければ食事や宿をとることもできないだろう」
「ちょっと待ってね」
アルシュは背負袋からずっしりとした革袋を取り出した。
「お金なら、ほら。たくさんあるよ」
「アルシュ……」
「受け取れない。そのお金はアルシュの両親や兄君がアルシュのために遺したものだろう」
「うん……お父さんもお母さんも、兄ちゃんも……みんないなくなっちゃったんだ……」
アルシュの琥珀色の瞳には、薄い涙の膜が浮かんでいる。
「アルシュ……泣かないで……」
「……泣いてないもん」
アルシュは目をごしごしと擦った。
「とりあえず、こんな大金をテーブルの上に出しておくのは物騒だよ。荷物の中にしまっておいて」
「ん……」
「アルシュの気持ちは嬉しい。だが、きみは簡単に人を信用しすぎる。きみの村は平和で親切な人ばかりだったのかもしれないが、村の外に出ればそうはいかない。私たちとて、素性の知れない今日あったばかりの他人なのだから」
アルシュはため息を吐いた。
「ぼくにはわかるんだ。クロはいい人だって。だから、助けてあげたいの……」
「十分助けてもらっている。そのことには感謝しているが、私が自分の持ち物を売る事にきみが干渉する権利はないだろう」
「……ううん。絶対だめ。売らないで」
アルシュには……頑固で融通がきかない面もある——村で訪れた酒場のマスターの声が脳裏に蘇った。
「アルシュのお金を使わず、クロの装飾品を売らずにお金を得る方法があればいいんだけれど……」
異世界にも日雇いバイトのようなものがあるのだろうか……訊いてみようと口を開きかけたが、
「アルシュ、この街には冒険者ギルドはあるか?」
「うん、あるよ。ぼくは入ったことないけれど、どこにあるかはわかるよ」
「冒険者ギルド……?」
「ああ、ミレトスの大きな街にはたいてい、『冒険者ギルド』があるのだ」
冒険者ギルドとは、冒険者への仕事の仲介や支援を目的とする組織だという。冒険者ギルドには日々、人々から困り事の相談や依頼が寄せられ、ギルドは依頼者と冒険者を仲介する役割を担っていた。ギルドから仕事の依頼を受注するには、冒険者としてギルドに登録しなければならない。
「ギルドに登録するには審査があるはずだが……私たちでも登録できるものだろうか」
「そんなに厳しい審査なの?」
「私もあまり詳しくないのだが、ギルドによって差異があると聞いたことがある。この街のギルドは、どうなのだろうな……」
ギルドで直接訊いてみようということになり、僕たちは店を出ることになった。
「アルシュ、悪いけど……」
「うん、ちょっと待っててね」
支払いのため店員の元へ向かうアルシュ。そのときだった——
「うわっ」
突然、帽子を目深に被った男がアルシュにぶつかった。アルシュはよろめき、倒れ込みそうになる。
「危ない!」
とっさに腕を伸ばし、頭一つ分小さい少年の体を支えた。
「大丈夫⁉︎」
「う、うん……ありがと、ミツキ」
「なんだ、今の男は……」
男はぶつかったことに謝りもしないどころか足を止めもせず、店の扉を潜り外に出て行ってしまった。
——ふと、嫌な予感がした。
「アルシュ……財布はある?」
アルシュの顔からサッと血の気が引いた。背負袋を開けてみるも、金貨の入った革袋は見当たらなかった。
「さっきの男、スリだ!」
「追いかけなきゃ!」
大慌てで店から外に出てみると、すぐそばに人だかりが出来ていた。既に陽は落ちていて辺りには宵闇が拡がっていた。暗がりの中、アルシュとぶつかった男を探して周囲を見回していると、人だかりの方から声が聞こえてきた。
「おーい!あんたらだろ?こいつに財布を掏られたの」
声の主は、人だかりの中心にいた。割れた人垣から中心へ入ると、一人の青年がスリと思わしき男を取り押さえていた。青年は目を細めて微笑っている。
端正で精悍な顔立ちに、よく鍛えられた体躯。ダークブロンドの髪はすこし伸びて僕よりも長い。向かって左側の目元に傷痕がある。目じりがわずかに下がっていて、それが青年の印象を優しげにしていた。瞳の色は青みがかった灰色。背が高い。服装は青を基調としていて、腕や脚には革製品を着用している。よく使い込まれており、只者ではない雰囲気を醸し出していた。
「それ、ぼくのお財布!お兄さんが取り返してくれたの⁉︎」
「ああ」
青年がゆっくりと投げ渡した財布を、アルシュは受けとめた。
「大事なものは、大事にしまっとかなきゃダメだぜ」
「ありがとう!」
パチパチパチ——事の成り行きを遠目に見守っていた人々から、次々に拍手が上がった。
「やるなぁ、兄ちゃん!」
「かっこいい~!おばちゃん惚れてまうわ~」
気さくな街の人たちからの喝采の声に、青年は照れくさそうに笑った。
青年が取り押さえたスリの男は、街の警備兵たちに引き渡されていった。
この人がスリを捕まえてくれていなければ、今頃どうなっていたことか……警備兵たちに連れて行かれるのはスリの男ではなく、無銭飲食をしていたかもしれない僕たちになっていたか……ぞっとする。
「本当に、なんとお礼を言ったらいいか……」
「俺はルーク。礼なんていいさ」
ルークと名乗った青年の年齢は同年代か、少し上くらいだろうか。身長は185㎝くらいのようだ。
「ルーク!ありがとう!ぼくはアルシュ!スリをすぐ捕まえちゃうなんて、すごい!」
「……ありがとうございます。助かりました」
「いや、俺もあの店にいたんだが、あんたたち、たんまりと金の入った袋をテーブルの上に置いただろう。そのとき、あのスリ野郎の気配が変わった。コイツはやる、と思ったら案の定さ」
実は、食事の途中で気付いていた。これ以上後回しにはできない。
「僕、お金持ってないんだ。ごめんっ……」
——ガシャン!
クロが持っていたフォークを床に取り落とし、鋭い音が響いた。
「ク、クロ……?」
「わ…私も失念していた。そうだ……店で食事をとるには貨幣が必要だ」
クロまでも……。僕とクロは、恐る恐るアルシュに視線を向けた。
「ふたりとも心配しないで!ぼくがふたりの分も払うよ」
アルシュ……!
「ていうか、最初からそのつもりだったよ?」
「本当にすまない、アルシュ。だが、返す当てはあるにはあるのだ。この街に貴金属を貨幣と交換できる質屋はないだろうか?」
「質屋さん?ぼく、知ってるよ!」
「あとで案内してはくれないだろうか?」
クロは身に着けていた腕輪を取り外し、テーブルの上に置いた。
「指輪や耳飾りといったある程度値が張りそうな装飾品を他にもいくつか身に着けている。これらを換金して当面の生活費にあてようと考えているのだ」
「案内はいいけど……質に入れちゃってほんとにいいの?クロの大切なものかもしれないのに……」
確かに……。クロはいま、記憶を失っている。そんな状態で、思い入れのあるかもしれない品を質に入れてしまうのは……
「その可能性はあるが、先立つものがなければ食事や宿をとることもできないだろう」
「ちょっと待ってね」
アルシュは背負袋からずっしりとした革袋を取り出した。
「お金なら、ほら。たくさんあるよ」
「アルシュ……」
「受け取れない。そのお金はアルシュの両親や兄君がアルシュのために遺したものだろう」
「うん……お父さんもお母さんも、兄ちゃんも……みんないなくなっちゃったんだ……」
アルシュの琥珀色の瞳には、薄い涙の膜が浮かんでいる。
「アルシュ……泣かないで……」
「……泣いてないもん」
アルシュは目をごしごしと擦った。
「とりあえず、こんな大金をテーブルの上に出しておくのは物騒だよ。荷物の中にしまっておいて」
「ん……」
「アルシュの気持ちは嬉しい。だが、きみは簡単に人を信用しすぎる。きみの村は平和で親切な人ばかりだったのかもしれないが、村の外に出ればそうはいかない。私たちとて、素性の知れない今日あったばかりの他人なのだから」
アルシュはため息を吐いた。
「ぼくにはわかるんだ。クロはいい人だって。だから、助けてあげたいの……」
「十分助けてもらっている。そのことには感謝しているが、私が自分の持ち物を売る事にきみが干渉する権利はないだろう」
「……ううん。絶対だめ。売らないで」
アルシュには……頑固で融通がきかない面もある——村で訪れた酒場のマスターの声が脳裏に蘇った。
「アルシュのお金を使わず、クロの装飾品を売らずにお金を得る方法があればいいんだけれど……」
異世界にも日雇いバイトのようなものがあるのだろうか……訊いてみようと口を開きかけたが、
「アルシュ、この街には冒険者ギルドはあるか?」
「うん、あるよ。ぼくは入ったことないけれど、どこにあるかはわかるよ」
「冒険者ギルド……?」
「ああ、ミレトスの大きな街にはたいてい、『冒険者ギルド』があるのだ」
冒険者ギルドとは、冒険者への仕事の仲介や支援を目的とする組織だという。冒険者ギルドには日々、人々から困り事の相談や依頼が寄せられ、ギルドは依頼者と冒険者を仲介する役割を担っていた。ギルドから仕事の依頼を受注するには、冒険者としてギルドに登録しなければならない。
「ギルドに登録するには審査があるはずだが……私たちでも登録できるものだろうか」
「そんなに厳しい審査なの?」
「私もあまり詳しくないのだが、ギルドによって差異があると聞いたことがある。この街のギルドは、どうなのだろうな……」
ギルドで直接訊いてみようということになり、僕たちは店を出ることになった。
「アルシュ、悪いけど……」
「うん、ちょっと待っててね」
支払いのため店員の元へ向かうアルシュ。そのときだった——
「うわっ」
突然、帽子を目深に被った男がアルシュにぶつかった。アルシュはよろめき、倒れ込みそうになる。
「危ない!」
とっさに腕を伸ばし、頭一つ分小さい少年の体を支えた。
「大丈夫⁉︎」
「う、うん……ありがと、ミツキ」
「なんだ、今の男は……」
男はぶつかったことに謝りもしないどころか足を止めもせず、店の扉を潜り外に出て行ってしまった。
——ふと、嫌な予感がした。
「アルシュ……財布はある?」
アルシュの顔からサッと血の気が引いた。背負袋を開けてみるも、金貨の入った革袋は見当たらなかった。
「さっきの男、スリだ!」
「追いかけなきゃ!」
大慌てで店から外に出てみると、すぐそばに人だかりが出来ていた。既に陽は落ちていて辺りには宵闇が拡がっていた。暗がりの中、アルシュとぶつかった男を探して周囲を見回していると、人だかりの方から声が聞こえてきた。
「おーい!あんたらだろ?こいつに財布を掏られたの」
声の主は、人だかりの中心にいた。割れた人垣から中心へ入ると、一人の青年がスリと思わしき男を取り押さえていた。青年は目を細めて微笑っている。
端正で精悍な顔立ちに、よく鍛えられた体躯。ダークブロンドの髪はすこし伸びて僕よりも長い。向かって左側の目元に傷痕がある。目じりがわずかに下がっていて、それが青年の印象を優しげにしていた。瞳の色は青みがかった灰色。背が高い。服装は青を基調としていて、腕や脚には革製品を着用している。よく使い込まれており、只者ではない雰囲気を醸し出していた。
「それ、ぼくのお財布!お兄さんが取り返してくれたの⁉︎」
「ああ」
青年がゆっくりと投げ渡した財布を、アルシュは受けとめた。
「大事なものは、大事にしまっとかなきゃダメだぜ」
「ありがとう!」
パチパチパチ——事の成り行きを遠目に見守っていた人々から、次々に拍手が上がった。
「やるなぁ、兄ちゃん!」
「かっこいい~!おばちゃん惚れてまうわ~」
気さくな街の人たちからの喝采の声に、青年は照れくさそうに笑った。
青年が取り押さえたスリの男は、街の警備兵たちに引き渡されていった。
この人がスリを捕まえてくれていなければ、今頃どうなっていたことか……警備兵たちに連れて行かれるのはスリの男ではなく、無銭飲食をしていたかもしれない僕たちになっていたか……ぞっとする。
「本当に、なんとお礼を言ったらいいか……」
「俺はルーク。礼なんていいさ」
ルークと名乗った青年の年齢は同年代か、少し上くらいだろうか。身長は185㎝くらいのようだ。
「ルーク!ありがとう!ぼくはアルシュ!スリをすぐ捕まえちゃうなんて、すごい!」
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