医療崩壊 AIミランダとの戦い

序章

ギリシャ神話に登場するパンドーラーは、女性です。人類最初の女性とされています。何故？神々によって作られ人類の災いとして地上に送り込まれました。　パンは『全てのもの』という意味であり、パンドーラーは『全ての贈り物』を意味します。

日本では長音符を付けずに『パンドラ』と表記されることが多いです。

さて現在伝わっているギリシャ神話では人間とされていますが陶器に描かれた絵に神々に作られたパンドーラーが大地から出現する表現が見られることから、本来は地下から恵みをもたらす豊穣神だったと考えられています。
彼女はあろうことか、パンドーラーの箱（甕）を開けたのです。
この話しには続きがありまして、人類最初の女性であるパンドーラーとは別に、アッティカ王エレクテウスの娘にも同名の人物がいるという逸話があります。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの1878年の絵画『ピュクシスを持つパンドーラー』。レディ・リーヴァー美術館所蔵。
この絵画を見て私は今回の小説を執筆することにしました。それは私の考える神の世界に於ける善神と悪神であるパンドラとの戦いなのです。舞台は100年後の未来です。ミロクの世界になる一年前の話しです。
世界は神の怒りに触れ、七度目の大峠、つまり三千世界の大洗濯を受けたのです。しかし、神の慈悲により、最小限の洗濯で済んだのです。世界は人類が生活できる陸地は狭くなりましたが、高層建築技術の発達により、世界の全人口30億人が生活出来る住居を提供しました。世界の国は州という名称に変更になりました。
世界州の首都は日本の大阪です。
読者の皆様さんに世界州の仕組みをご説明します。
日本州、アメリカ州、ヨーロッパ州、ユーラシア州、アジア州、アフリカ州、中東州、オーストラリア州の八州です。州の代表は元首と呼ばれます。そして八州の元首から選任された代表は大統領と呼ばれます。
大統領になると住居は日本州の首都大阪の官邸に家族と一緒に住むことになります。州の経済を支えるのは、アグリカルチャーです。食料を州民に安定的に配給するためには、不作や豊作という天候に支配されている作物を高度な農業分野のAI技術に頼るしかない世の中になっていました。医療業界も然りです。
業界は、企業を事業内容やサービスによって分類したもので、メーカー、商社、流通・小売、金融、サービス・インフラ、広告・出版・マスコミ、ソフトウェア・通信、官公庁・公社・団体の8種類に大別されます。
これらの業界は互いに密接に関わり合い、州内の社会を構成しています。
業界とは、企業を産業ごとに分類したものです。同じ種類の商品やサービスを提供する企業の集まりとも言えます。

業界は事業領域による大まかな分類があります。
業種は業界を事業内容によってさらに細かく分類したもの（例: 金融業界の中の銀行業、証券業）です。
業界は企業の事業内容や役割を示すものであり、職種は個人が担当する仕事内容（例: 営業、人事、エンジニア）です。職種は様々な業界・業種に存在しています。
この時代の各企業についてご説明します。
1. メーカーはモノを製造することを主な業務とする業界です。
特徴は素材メーカー、部品メーカー、完成品メーカーなど多岐にわたります。研究、商品開発、企画、営業、製造などの仕事があります。
2. 商社は売り手と買い手を仲介し、商品の輸出入や国内取引を行う業界です。
特徴はあらゆる分野を扱う総合商社と、特定の分野に特化した専門商社があります。
3. 流通・小売は仕入れた商品を消費者に販売する業界です。
特徴はスーパーやコンビニのように幅広い商品を扱う場合と、特定の分野の商品のみを扱う場合があります。実店舗だけでなくオンライン販売も普及しています。
4. 金融はお金を動かすことを主な業務とする業界です。
特徴は銀行、証券会社、保険会社などが含まれます。融資、資産運用、リスク管理などを行います。
5. サービス・インフラは形のないサービスや生活に不可欠なインフラを提供する業界です。
特徴は教育、アミューズメント、電気、水道、ガスなどが含まれます。
6. 広告・出版・マスコミは人々に様々な情報を届ける業界です。
特徴は新聞社、出版社、放送局、広告代理店などが含まれます。インターネット関連企業などがあります。
7. ソフトウェア・通信はソフトウェア開発や通信サービスを提供する業界です。
特徴はIT・通信業界とも呼ばれ、テクノロジーの進化と共に成長しています。
8. 官公庁・公社・団体は国や地方公共団体、公的な事業を行う団体を指します。
特徴は中央省庁、裁判所、病院、学校などが含まれ、社会の基盤を支える役割を担います。
世界州には様々な業界、業種、企業があります。そして各州は貿易をすることにより、世界経済を支えていました。そんな中、医療業界でAI医療が急速に普及して、医師の働く場を奪ったのです。世界州ではこのAI医療についての会議が頻繁に開催されるようになったのです。ついに医療業界で神が最も恐れていたパンドラの箱を開けたのです。
この物語の始まりです。
この物語の主人公はAI「ミランダ」、その開発者妹尾正樹医師（35歳）。
登場人物は伊集院隆史（37歳）、関西AI医療センターオーナー。
日本州厚生労働大臣立花博士（50才）
世界州大統領大和正太郎（55歳）。
日本州元首石原裕二郎（40歳）。

この物語はフィクションです。
実在の人物、団体など、同一のものがあっても一切関係ありません。