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第三巻
しおりを挟む権蔵は上機嫌である。結衣は権蔵がユーモアのある老人なのに驚いた。二人の話は初対面から盛り上がった。
「ご趣味はなんでしょうか?」
「はい。旅行とショッピングです。権蔵さんは?」
「僕は魚釣りです。」
「まあ、魚釣りですか。」
「はい。貴方は釣り嫌いですか。」
「いいえ。釣りは好きですよ。」
「じゃあ、今度ご一緒しましょう。」
「はい。是非とも。」
権蔵も結衣も共通の趣味を見つけて安心したようである。
悠人は権蔵と結衣の話が盛り上がっている様子を見て安心した。
二人は食事をすべて平らげた。
悠人が言った。
「食後のコーヒーは如何ですか?」
「いいですね。」
「わたしもお願いします。」
悠人はウェイトレスを呼んでホットコーヒーを3つ頼んだ。
ウェイトレスは注文伝票にホットコーヒー3つ。と書いて厨房に向かった。
結衣と権蔵は楽しそうに結婚話に花を添えていた。権蔵も結衣もすっかり気に入ったみたいであった。
しばらくしてウェイトレスがホットコーヒーを3つ持って来た。権蔵はテーブルの上に置かれたホットコーヒーを美味しそうに飲み始めた。
結衣も悠人もホットコーヒーを美味しそうに飲んでいる。
二人は結婚を前提としてお付き合いをすることになった。
悠人は二人のその話を聞いて権蔵と結衣の結婚を確信した。
結衣は心の中で呟いた。
『上手くいったわ。後はこの爺さんの財産を自分のものになるように遺産相続の為の公正証書を作成し、預貯金や不動産、株式などの財産を目録にしすべての財産を把握する。そして生命保険に加入する。加入するのは勿論権蔵である。最低でも5000万円の死亡保険金を契約する必要があるわ。
これからデートの度に加齢臭のする嫌な爺さんと一緒に過ごすことになるんだから、たんまりとお金を貰わないとね』結衣は心の中でそう呟いたのであった。
結衣は権蔵と一日も早く籍をいれ、計画を実行することだけを考えていた。
この計画が外部の人に気づかれないようにしなければならない。
そのように思うのであった。悠人も同じように考えていた。
結衣と権蔵を結婚させ、結衣が騙し取った金を二人で折半する。
1億円なら5000万円ずつ。偉い儲けやな。後は司法当局や警察の厄介にならないことだけや。悠人は慎重派である。しかし結衣はしゃべり過ぎ。結衣がペラペラと他人に喋ると自分の身が危ない。
その為には結衣によく言っておく必要がある。
悠人はいつも結衣のしゃべり過ぎが命取りにならないか、と心配をしていた。
二人の老人を食い物にした詐欺はすでに5件目である。今まで二人で、稼いだ金は5億円だ。二人で折半すると2億5千万円である。
二人の計画はスケジュール通り進んでいた。
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