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第二巻
しおりを挟む立花蒼太にはある野望があった。それは将来大学医学部の頂点に立つことであった。それは大学医学部の最右翼と言われる内科学教授になることであった。今は名もない内科の臨床医であるが彼には他の医師にないあるものを持っていた。そのあるものとは女にモテルことであった。
彼は大学時代、空手部の主将として全国の空手家に一目置かれる存在であった。
そして彼はハンサムであった。
その上、彼の一族は金沢の野村一族の末裔であったのだ。
彼は日本でも有数の華麗なる一族だったのだ。
彼の野望は結衣と知り合うことにより拍車がらかかったのだ。
彼にとって女性達は出世の為の道具であったのだ。
しかし彼と交際している女性達はそんな彼の素顔は知らない。
何故なら彼は何時も彼女達にこう言うからだ。
「君は素敵な女性だ。君と一日も早く結婚したい。僕の愛しているのは君だけだよ。早く今の妻と別れて君と一緒に幸せな家庭を築きたいよ」
そう、蒼太は仮面を被った悪魔なのだ。
しかし彼と付き合っている女性達はそのような彼の素顔を知らない。
結衣は勤務中に蒼太からメモ書きを渡された。
『仕事が終わったら何時もの所で待っているから。時間は午後7時。』
結衣は一日の仕事を終え、蒼太が待っている高槻の老舗割烹料理店にタクシーで向かった。
「お連れ様が来られました」
女将の内山艶子(35歳)が言った。
「ありがとう。ご案内して」
蒼太が女将に言った。
しばらくして結衣が蒼太の待っている個室部屋にやって来た。
「遅くなりました」
結衣のら明るい声だ。
蒼太はいつも結衣のこの声に癒される。
「やあ、来てくれてありがとう」
女将が予め聞いていた注目の品々を女性店員達と一緒に持って来た。
山口県から取り寄せた天然の虎河豚である。
時価50万円。
ふぐ料理のフルコースである。
大皿にふぐのお刺身、ふぐの鰭酒、ふぐちり、本鮪の中トロ、最後の締めはふぐの雑炊である。
特に蒼太はふぐの刺身に目がなかった。
いつも4人前を一気に胃の中に流し込む。
その豪快な食べっぷりに結衣はびっくりしたのであった。
結衣は蒼太のことが益々好きになった。
「さあ、君も食べなよ。美味しいよ。さあ、遠慮しないでよ。なくなれば注目するから。このらテッサ、美味しいよ。口当たりといい、また、食感といい、最高だよ(笑い)」
結衣は蒼太に勧められるまま、テッサを箸で摘み口に運び食べ始めた。
「本当、すごく美味しいです(笑い)」
「そうだろう。美味しいだろう。なんせ、山口県の天然物たわからね」
「はい、頂きます。とても美味しいです」
結衣はテッサを美味しそうに食べている。
蒼太は美味しそうに食べている姿を見て心が癒されるのであった。
「結衣君が美味しそうに食べてくれて僕の心は君に癒されるよ」
「そうですな。良かったわぁ。蒼太先生にそのように言っていただいて、結衣はとっても幸せものですわぁ」
「それは良かった。君にそのように言われると満足だよ」
二人は談笑をしながらお互いの将来の夢を語ったのであった。
「さあ、鰭酒で乾杯しよう!」
「乾杯!」
「二人の前途を祝して乾杯!」
二人はお互いの盃を軽く当てて鰭酒を美味しそうに飲み始めた。
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