神戸三宮割烹料理 武田 女料理人物語

蔵屋

文字の大きさ
4 / 27

第三巻

しおりを挟む
 正月7日が終わると武田には新年会の予約が入りだした。
武田には新年会の為の個室部屋と大部屋があった。2階に大部屋が二部屋、一部屋に15名が入ることが出来る。
一階はカウンター席が5席。
一階の個室は5名まで利用出来る。
明日から新年会のお客様が来られる。
明日は2階の二部屋は予約済みになった。
一階の個室はまだ、予約がない。
今夜は常連客だけでひっそりとしていた。
今夜の常連客には、紅白生酢、かぶらのマリネ、れんこん・ふき・花人参のお煮〆、あいなめ南蛮漬け、べっ甲玉子、ままかり黒酢漬け、味付け数の子、たこ足煮、芋きんとん、柿博多、伊達巻、たたきごぼう、ばい貝甘露串、高野豆腐煮、スモークトラウトサーモン、焼き帆立、ぶりの照り焼き、つぶ貝わさび、いくら醤油漬け、金柑甘露煮、栗甘露煮、椎茸煮、にしん入り昆布巻き、車海老の旨煮、田作り、ズワイガニの柚子香り漬け、鮑の煮物等、正月のおせちを演出した料理を梅ちゃんは手作りで調理し、常連客の食べたい食材を提供する。
また、日本酒はこの時期大吟醸を提供する。
梅ちゃんは常連客の注文に応じて新鮮な料理を提供している。常連客が二人やって来た。
「いらっしゃいませ。」
梅ちゃんが笑顔で常連客の正樹さんと達吉さんを店内のカウンター席に案内した。
「へい、いらっしゃい。」
アルバイト学生の悠人が注文を聞いた。
正樹と達吉は相談しながら注文の品をオーダーした。
 「刺身盛り合わせ2人前。車海老の旨煮2人前、いくらの醤油漬け、伊達巻、高野豆腐煮。日本酒熱燗で2人前」
「毎度ありー」
アルバイトの悠人がオーダーを記入した伝票を梅ちゃんに渡した。梅子はそのオーダーの中ですで調理している品をカウンター越しに正樹と達吉に手渡した。
学生アルバイトの悠人か日本酒と盃を二人分持って来た。
「お待たせしました。」
悠人は正樹と達吉のテーブルの前に置いた。
二人は日本酒を盃に注いで乾杯し飲み始めた。
「梅ちゃん、乾杯!」
「梅ちゃん、今年もよろしくね」
「はい、よろしくお願いします。今年はどんなお正月でしたか?」
梅ちゃんが正樹と達吉に尋ねた。
「普段会えない長男夫婦や娘夫婦が孫と一緒に帰省して賑やかな正月だったよ。」
「お孫さんは何人おられるのですか?」
3人いるんだよ。長男夫婦に孫が二人。娘夫婦に長男が一人。まだまだ、目が離せないので、育児が大変なんだ。」
「そうだったんですか。育児はいずれにしても大変ですよね。私も小さい時は大変だったみたいですよ。父と母がよく言ってました(笑い)。」
「ところで、親父さんがいないけど、どうされたの?」
「実は体調を崩して病院に入院したんです。」
「一体、どうしたと言うんだね。」
「実は糖尿病にかかったんですよ。」
「え、糖尿病だって。入院するんだからさぞかし、病状が進んでいるんだろうね。」
「ええ、血液検査をして精密検査をしていただくんですよ。母が今病院に行っています。」
「それは大変だね。僕たちが来たことをお父さんとお母さんに伝えてくださいよ。よろしく言っていたと」
「ありがとうございます。必ずお伝えします。父も母も喜びますよ。」
「じゅあ、梅ちゃん、そろそろ家に帰るよ。お会計をお願いします。」
「毎度、ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。今年もよろしくお願い申し上げます。」
「いや、梅ちゃん、こちらこそ、よろしくお願いしますね。」正樹が満面の笑顔で挨拶した。
「じゃあ。また来るよ。梅子ちゃん」
そう言うと二人の常連客は割烹武田を後にした。


  梅ちゃんは割烹武田のイメージキャラクターです。
 梅ちゃんはパステルカラーが大好きなのです。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助

蔵屋
歴史・時代
 わたしは、以前、甲斐国を観光旅行したことがある。  何故、甲斐国なのか?  それは、日本を象徴する富士山があるからだ。     さて、今回のわたしが小説の題材にした『甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助』はこの甲斐国で殆どの戦国乱世の時代を生き抜いた。そして越後の雄•上杉謙信との死闘は武田信玄、山本勘助にとっては人生そのものであったことだろう。  そんな彼らにわたしはスポットライトを当て読者の皆さんに彼らの素顔を知って頂く為に物語として執筆したものである。  なお、この小説の執筆に当たり『甲陽軍鑑』を参考にしていることを申し述べておく。  それでは、わたしが執筆した小説を最後までお楽しみ下さい。  読者の皆さんの人生において、お役に立てれば幸いです。  

日露戦争の真実

蔵屋
歴史・時代
 私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。 日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。  日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。  帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。  日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。 ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。  ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。  深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。  この物語の始まりです。 『神知りて 人の幸せ 祈るのみ 神の伝えし 愛善の道』 この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。 作家 蔵屋日唱

世にも奇妙な世界 弥勒の世

蔵屋
キャラ文芸
 私は、日本神道の家に生まれ、長年、神さまの教えに触れ、神さまとともに生きてきました。するとどうでしょう。神さまのことがよくわかるようになりました。また、私の家は、真言密教を信仰する家でもありました。しかし、私は日月神示の教えに出会い、私の日本神道と仏教についての考え方は一変しました。何故なら、日月神示の教えこそが、私達人類が暮らしている大宇宙の真理であると隠ししたからです。そして、出口なおという人物の『お筆先』、出口王仁三郎の『霊界物語』、岡田茂吉の『御神書(六冊)』、『旧約聖書』、『新訳聖書』、『イエス・キリストの福音書(四冊)』、『法華経』などを学問として、研究し早いもので、もう26年になります。だからこそ、この『奇妙な世界 弥勒の世』という小説を執筆することが出来るのです。  私が執筆した小説は、思想と言論の自由に基づいています。また、特定の人物、団体、機関を否定し、批判し、攻撃するものではありません。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

罪悪と愛情

暦海
恋愛
 地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。  だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...