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第二十三巻 盛夏 鮎料理
しおりを挟む割烹武田は今夜も常連客で賑わっている。
「乾杯!」
「乾杯!」
「鮎の塩焼き」
「鮎のお刺身」
「鮎の甘露煮」
梅ちゃんはカウンターの中で注文を聞きながら調理している。
梅ちゃんはいつも笑顔が絶えない。
「へい、お待ち。鮎の塩焼き。どうぞ。」
鮎は盛夏だけではありません。卵や白子を持つ秋も熟成感があって美味しい季節です。
岐阜市から取り寄せた新鮮な鮎。長良川に秋に戻る天然鮎を「お帰り鮎」と名付け、その魅力を伝えるべく熟練した地元の漁師さん達から梅ちゃんは仕入れている。
梅ちゃんは10月に入り新鮮な鮎をお客様に提供しているのだ。
岐阜薬科大学薬効解析学研究所などの研究グループ(原英彰教授、中村信介講師など)は、天然鮎の目に、眼の機能維持に重要とされる「ゼアキサンチン」が多く含まれていることを突き止めた。
ゼアキサンチンは、抗酸化作用を持つ天然色素「カロテノイド」の一種で、多くの緑黄色野菜(ほうれん草、パセリ、レタスなど)に含まれ、ブルーライトなどの光の刺激から、目を保護すると言われている。
割烹武田では熱にも強いので、塩焼きやフライで丸ごと提供している。
さて、この鮎は日本では代表的な川釣りの対象魚であり、重要な食用魚でもある。
地方公共団体を象徴する魚として指定する自治体も多い。稚魚期を降海し過ごすアユ は、琵琶湖産コアユと区別するため、海産アユとも呼ばれる。
群馬県・岐阜県・奈良県では県魚に指定されている。
江戸時代から評判の高い多摩川の鮎は幕府に「御用鮎」として上納されていた。
特に天然アユを中心に、出まわる時期が限られていることから、初夏の代表的な味覚とされている。
日本各地のアユの胃の内容物に関する調査の結果、濁りが多い川のアユは胃に泥を多く持ち、食味にも泥臭さが出る。この場合、はらわたを除去することで泥臭さを避けることもできる。一方、泥が少ない川では胃にも泥が含まれず、食味も大幅に改善する。同じ川でも、遡上量が多く川底がアユによって「掃除」されたような年には風味も良くなる。
日本では一般に、魚は刺身で食するのが最良とされている(割主烹従)が、アユについては例外的に塩焼きが最良とされている。一般に初夏のものはアユの独特の香気を味わい、晩夏のものは腹子を味わうとされている。
(焼き物・揚げ物)
アユは、初夏から夏の季節を代表する食材として知られ、清涼感をもたらす食材である。特に初夏の若アユが美味とされ、若アユの塩焼きや天ぷらは珍重される。
鮎は蓼酢で食べるのが一般的だが、ほかにも蓼味噌を添える場合もある。
塩焼きにした後に残った骨はさらに炙り、熱燗の日本酒を注ぐ骨酒とすることができる。
(生食)
刺身や洗いなどの生食が行われることがある。アユは横川吸虫という寄生虫の中間宿主であり、食品安全委員会はこの観点から生食は薦められないとしている。
刺身にするには、旬のアユを冷水で身を締め、洗いや背越しにする。特に背越しは骨の柔らかいアユの特徴的な調理方法で、ウロコや内臓を除去したのち、骨や皮ごと薄く輪切りにしたもので、清涼感のある見栄えや独特の歯ごたえを楽しむ。酢や蓼酢などで食することでもアユの香気を味わうことができる。
酢や塩に浸け酢飯と合わせて発酵させるなれずしの「鮎寿司」や、「姿寿司」、「押し寿司」、「柿の葉寿司」、「笹寿司」などを作る地方がある。JR京都駅の名物駅弁ともなっている。
アユの腸を塩辛にした「うるか」は、珍味として喜ばれる。うるかを作るには、腹に砂が入っていない(空腹になっている)夜間・朝獲れの鮎が好しとされる。
(煮物)
琵琶湖周辺などでは稚魚の氷魚の佃煮や、成魚の甘露煮(小鮎の甘露煮)も名物として製造販売されている。
(雑炊)
岐阜県の郷土料理で、鮎を使用した鮎雑炊があり、5月から10月に食される。
(シラス)
シラス漁においては、海で過ごしているアユ仔魚・稚魚が混獲されることがある。しかし、この場合は独特の香りが製品につくのでむしろ嫌われる。また、アユの仔稚魚は茹でると黄色になる。
(アユ節)
乾燥させた鮎節は和食の出汁としても珍重される。また、鮎の干物からとった「水出汁」は、極めて上品。
(漁法)
アユの若魚は刺し網、投網、産卵期に川を下る成魚は簗(やな)などで漁獲される。岐阜県の長良川などでは、ウミウを利用した鵜飼いも知られる。
(友釣り)
アユにターゲットを絞った漁法として、アユが縄張りを持つ性質を利用した友釣りがある。長い釣り竿を使う。
(毛鉤釣り)
仔魚期から稚魚期の主要な餌は水生昆虫や水面落下昆虫であるため、毛鉤やサビキ仕掛けで釣れることもある。ただし、水産資源保護の観点から11月-5月は禁漁である。また、解禁された後も漁業権が設定された河川では、入漁料を支払う必要がある。
(養殖)
アユは高級食材とされており、内水面で養殖される魚種としてはウナギに次ぐ生産高を誇る。養殖は、食用とするための成魚の養殖と、遊漁目的の放流用種苗稚魚の養殖とが日本各地で行われ、稚魚養殖し天然河川に放流した個体を『半天然』と呼ぶこともある。一部では完全養殖も行われる。この際には、主として、天然の稚魚を3月から4月に捕獲し淡水で育成する方法が採用される。実際、「河口付近の川で採捕した河川産稚アユ」「河口付近の海洋回遊中に採捕した海産稚アユ」「湖や湖に注ぐ河口で採捕した湖産稚アユ(コアユ)」が種苗として供給されている。完全養殖の場合、一時海水中で飼育することもあり、餌はシオミズツボワムシなどのワムシ類、アルテミア幼生、ミジンコなどが使用される。
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