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第4話 悪の組織を作ったはずが、最強の生徒会が爆誕しました
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「いいこと? 今日からあなたたちは、わたくしの手足となり、この学園を恐怖と混乱の渦に突き落とすのです」
放課後の旧校舎。 カビ臭く、埃っぽい空き教室。 窓ガラスは割れ、カーテンはボロボロに裂け、床には謎のシミがある。 まさに「悪のアジト」に相応しいこの場所で、私は高らかに宣言した。
目の前に跪いているのは、先日スカウトした三人の男子生徒たち。 学園のはぐれ者、不良、落ちこぼれ。 社会への不満を抱え、鬱屈したエネルギーを持て余している彼らこそ、私の野望を実現するための「悪の尖兵」だ。
「仰せのままに、リリス様!」
彼らは一斉に頭を垂れた。 その瞳には、狂信的なほどの忠誠心が宿っている。
(……ふふふ。ちょろいものね)
私は扇で口元を隠し、内心でほくそ笑んだ。 彼らは単純だ。 「下僕になれ」と言っただけで、この食いつきよう。 きっと、公爵令嬢である私に利用されることで、自分たちのステータスが上がるとでも思っているのだろう。
甘い。甘すぎるわ。 私が目指すのは、彼らに汚れ仕事をすべて押し付け、最終的に「あいつらが勝手にやったことです」と切り捨てる、冷酷無比なトカゲの尻尾切り作戦。 そして、その管理責任を問われて私の評判が落ちれば、婚約破棄への道が開ける!
「では、自己紹介となさい。それぞれの『特技』も合わせてね」
私が顎をしゃくると、まずはリーダー格のメガネ男子が立ち上がった。
「はい! 私はシド・アークライト。子爵家の三男です。特技は……その、データの収集と分析、そして『改竄』です」
ほう、「改竄」か。 いい響きだ。 成績表の書き換えや、公文書偽造に使えそうだ。
「よろしい。次は?」
続いて立ち上がったのは、身長二メートル近い大男。 制服のボタンが弾け飛びそうな筋肉質で、顔には大きな古傷がある。 どう見てもカタギではない。
「……ガストンだ。実家は貧乏騎士爵。特技は……『破壊』だ。気に入らねぇもんは、全部ぶっ壊してきた」
素晴らしい! 物理的な暴力装置! 校舎の窓ガラスを割ったり、銅像を破壊したりするのに最適だわ。
「最後は?」
教室の隅、カーテンの影に隠れるように立っていた小柄な少年が、モゾモゾと動いた。 フードを目深に被り、顔が見えない。
「……レン、です。男爵家ですが、籍は抜かれかけてます。特技は……『盗聴』と『潜入』。人の秘密を暴くのが、好き……です」
陰湿! 最高に陰湿だわ! アレクセイ様の弱みを握ったり、ありもしないスキャンダルをでっち上げるのに使える!
知能犯のシド。 実行犯のガストン。 情報屋のレン。
完璧な布陣だ。 これぞまさに、悪の秘密結社『リリス団(仮)』!
「素晴らしいわ、ゴミクズども(褒め言葉)。あなたたちのその薄汚い才能を、わたくしが最大限に利用してあげてよ」
「「「ありがとうございます!!」」」
なぜか彼らは感涙に咽んでいる。 シドに至っては「ゴミクズ……なんて甘美な響きだ。初めて自分の存在価値を認められた気がする」とか呟いている。 大丈夫かこいつら。 まあいい、使える駒なら何でもいいわ。
「では、最初の指令を与えるわ」
私は黒板(チョークの跡が消えていない汚いもの)をバンと叩いた。
「この学園は平和ボケしているわ。生徒たちはのうのうと青春を謳歌し、教師たちは事なかれ主義。ヘドが出るわね」
「その通りです! 現状打破こそ我らの悲願!」
「そこで、あなたたちには以下の作戦を実行してもらうわ」
私はチョークを手に取り、大きく三つの項目を書き殴った。
1.情報の支配(脅迫用ネタの収集) 2.環境の破壊(校内を荒らし尽くせ) 3.物資の独占(備品の横流し)
「シドは、生徒たちの弱みを徹底的に調べ上げなさい。レンは、教師たちの密談を盗聴し、スキャンダルを探すのよ。そしてガストンは、校舎裏の荒れ地を拠点にして、気に入らないものを片っ端から破壊しなさい!」
どうだ。 これぞ悪逆非道の限り。 学園中が疑心暗鬼に陥り、校舎は荒廃し、物資不足で混乱する。 その全ての黒幕が私だとバレた時、アレクセイ様もこう言うはずだ。 『君のような破壊者を、王妃にするわけにはいかない』と!
「……承知いたしました」
シドがメガネを光らせ、深く頷いた。
「リリス様の深淵なるお考え、しかと受け止めました。……つまり、この停滞した学園に『メス』を入れ、膿を出し切り、新たな秩序を創造せよ、ということですね?」
「え? まあ、そんな感じよ(ちょっと違うけど、まあいいわ)」
「ガストン、レン。やるぞ。我々の主(マスター)からの最初の勅命だ。失敗は許されない」
「おう。俺の拳が唸るぜ」 「……了解。闇に紛れる」
彼らは殺気立った目で教室を飛び出していった。 その背中は、頼もしいというより、これから銀行強盗に向かう犯行グループのようだった。
「ふふふ……楽しみだわ」
私は一人残った教室で、高笑いをした。 明日から、この学園は地獄に変わるのだ。
◇
一週間後。
私はウキウキしながら登校した。 きっと今頃、学園は大パニックになっているはずだ。 「誰かが私の秘密を握っている!」「校舎裏が瓦礫の山に!」「チョークがない! 紙がない!」 そんな悲鳴が聞こえてくるに違いない。
しかし。
「……あれ?」
校門をくぐった私は、違和感に気づいた。
空気が、綺麗だ。 いつもならゴミが落ちていたり、雑草が生い茂っていたりする並木道が、塵一つなく清掃されている。 生徒たちの表情も明るい。 挨拶の声が大きく、ハキハキとしている。
「おはようございます、リリス様!」 「今日も素敵です、リリス様!」
すれ違う生徒たちが、キラキラした目で私に会釈をしていく。 なんで? 私、黒幕よ? 悪の親玉よ? 石を投げられるならまだしも、なんでアイドルのような扱いを受けているの?
困惑しながら教室に入ると、そこにはさらに信じられない光景が広がっていた。
「おい、これ見たか? 『学園生活向上委員会だより』」 「見た見た! すごいよな、これ。テストの出題傾向が完璧に分析されてる」 「おかげで赤点を回避できたよ。誰が作ったんだろう?」
生徒たちが手に持っているのは、新聞のようなプリントだ。 私は近くの生徒からそれをひったくった。
『号外! 中間テスト完全攻略マニュアル~君の才能を無駄にするな~』 発行元:リリス様直属特務機関
中身を見ると、過去十年分の過去問データが詳細に分析され、「ここが出る!」「この教師の癖はこれだ!」といった情報が網羅されている。 さらに裏面には、『生徒の悩み相談コーナー』があり、「恋愛」「進路」「人間関係」の悩みに、的確かつ辛辣なアドバイスが掲載されている。
「な、なによこれ……」
その時、教室の扉が開き、シドが入ってきた。 彼は私を見つけると、バサリとマント(いつの間に用意した?)を翻して跪いた。
「報告いたします、リリス様! 『情報の支配』作戦、順調に進行しております!」
「シド! これはどういうこと!? 脅迫用のネタを集めろって言ったじゃない!」
「はい。生徒たちの弱点(=苦手科目や悩み)を徹底的に調査しました。そして、その弱点を『克服』させるための情報を配布することで、彼らの心を完全に掌握(=信頼を獲得)しました!」
「はあ!?」
「恐怖による支配は脆いものです。しかし、利益による支配は強固です。彼らは今や、我々の情報なしでは生きていけません。これぞ真の『情報の支配』かと!」
違う。 そうじゃない。 それはただの「超有能な教育支援サービス」よ! おかげで学園全体の平均点が10点も上がったって書いてあるじゃない!
「それに、レンの働きもご報告します。彼は教師たちの密談(=会議)を盗聴し、業務の非効率な部分や、予算の不正流用疑惑を暴き出しました。その情報を匿名で学園長にリークしたところ……」
「し、したところ?」
「悪徳教師三名が懲戒免職となり、学園の浄化に成功しました! 生徒たちからは『影の守護者がいる』と噂され、我々の組織への畏怖(=尊敬)が高まっております!」
嘘でしょう。 スキャンダルで教師を脅すつもりが、学園の腐敗を正す「正義の内部告発」になっちゃってる! レン、あんた優秀すぎるのよ! 使い方が間違ってるのよ!
「そ、そう……。じゃあ、ガストンは? 彼ならきっと、派手にやってくれているわよね?」
物理担当のガストンなら、解釈の余地はないはずだ。 「破壊しろ」と言ったのだから、きっと校舎裏は瓦礫の山になっているはず。
「はい。ガストンについては、現地をご確認ください」
シドに案内され、私は校舎裏へと向かった。 そこは元々、不法投棄されたゴミや枯れ木が散乱する、陰気な荒れ地だった場所だ。
しかし、そこに広がっていたのは。
「……天国?」
思わず呟いてしまった。
ゴミは跡形もなく消え去っている。 ボコボコだった地面は綺麗にならされ、レンガ敷きの美しい遊歩道ができている。 そして中央には、色とりどりの花が咲き誇る巨大な花壇と、優雅なティータイムを楽しめそうなガゼボ(西洋風の東屋)が建っていた。
ガゼボの中では、エプロン姿のガストンが、繊細な手つきでハーブティーを淹れていた。
「あ、リリス様。お待ちしてやした」
「ガストン!? なによこれ! 破壊しろって言ったでしょう!?」
「へい。言われた通り、『気に入らねぇもん』を全部ぶっ壊しました。ゴミ、雑草、デコボコの地面……全部俺の拳(とスコップ)で粉砕してやりましたよ」
「その結果がこれ!?」
「更地になったら寂しかったんで、つい花を植えちまいました。俺、昔から花を見ると心が落ち着くんで……。あ、このガゼボは、廃材を組み合わせて作ったんすけど、どうっすか? リリス様専用の『玉座』のつもりっす」
ガストンが照れくさそうに頭をかく。 その笑顔は、もはや狂犬ではなく、心優しき熊のようだ。
「リリス様。これこそが『環境の破壊』です」
シドがメガネを光らせて解説する。
「かつての『汚く、暗く、危険な』環境を完全に破壊し、リリス様に相応しい『美しく、優雅な』サンクチュアリへと作り変えました。これを『破壊』と呼ばずして、なんと呼びましょうか」
「リリス・ガーデンって呼びなさいよ! ただの美化活動じゃない!」
私はその場に膝から崩れ落ちた。 眩しい。 ガストンの淹れたハーブティーの香りが、鼻腔をくすぐる。 癒やされる。 悔しいけど、めちゃくちゃ居心地がいい。
「物資の横流しについても、完璧です」
シドが追撃の手を緩めない。
「倉庫に眠っていた使われない備品を、街の貧しい孤児院に寄付(=横流し)しました。子供たちは大喜びで、リリス様の名前を記した感謝状が届いております。これにより、学園外でのリリス様の支持基盤も盤石となりました」
「孤児院……! そこまで善行を積んでどうするのよ……!」
私の悪の組織『リリス団(仮)』は、結成からわずか一週間で、 ・学力向上 ・学園浄化 ・環境美化 ・社会貢献 これらを成し遂げる、超優良ボランティア団体へと変貌を遂げていたのだ。
◇
放課後。 私は学園長室に呼び出されていた。 隣には、なぜか誇らしげな顔をしたアレクセイ様が立っている。
「リリス・フォン・ローゼンバーグ嬢」
白髭の学園長が、厳かに告げた。
「君のこの一週間の働き、誠に見事じゃった。裏から手を回し、問題のある教師を排除し、生徒たちの自主性を高め、さらには荒れ地を美しい庭園に変えるとは……」
「あの、それは誤解で……勝手に部下が……」
「部下の功績は上司の功績。彼らのような『はぐれ者』を見出し、適材適所に配置して能力を開花させた。その手腕こそが、真のリーダーシップじゃよ」
学園長が感嘆のため息をつく。 そして、一枚の羊皮紙を差し出した。
「よって、学園は君を『生徒会長』に任命したい。そして、君の私設部隊……えーと、『リリス団』だったかな? 彼らを正式な『生徒会執行部』として認定する」
「……は?」
生徒会長? 私が? 悪役令嬢が?
「お断りします! 私はそんな器ではありません! それに、私は忙しいんです! 悪事を働くのに!」
「はっはっは、謙遜もそこまでいくと嫌味じゃぞ。すでに全校生徒からの署名も集まっておる。『リリス様以外に我々を導ける者はいない』とな」
学園長が机の上にドサッと置いたのは、数千人分の署名リストだった。 いつの間に。 シド、あんたの仕業ね。
「リリス」
隣のアレクセイ様が、私の肩を抱いた。
「おめでとう。僕も鼻が高いよ」
「殿下……止めてくださいまし。これは何かの間違いです」
「間違いなものか。僕は見ていたよ。君が彼ら(シドたち)に声をかけた時のことを」
アレクセイ様の瞳が、またしてもフィルター全開の輝きを帯びる。
「君は、誰からも見捨てられていた彼らに、生きる目的を与えた。『私を利用しなさい』と言って、彼らの承認欲求を満たし、社会復帰への道筋を作ってあげたんだね」
「違います。使い潰すつもりでした」
「ふふ、照れ屋だなあ。その結果が、あの素晴らしい庭園であり、生徒たちの笑顔だ。君の『悪女』としての振る舞いは、常に結果として『最大の善』を生み出している。……やはり君は、僕が選んだ運命の人だ」
アレクセイ様は私の手を取り、甲にキスをした。
「君が生徒会長になり、僕がそれを支える。……想像しただけで震えるよ。この学園は、僕たちの愛の巣(拠点)になるんだね」
「なりません! 神聖な学び舎を私物化しないでください!」
「ああ、また怒られた。その厳しさも好きだ」
ダメだ。 外堀も内堀も、完全に埋められた。
こうして、私は望まぬまま『王立学園・第100代生徒会長』に就任することとなった。 副会長にはシド。 書記にはレン。 会計(兼、警備隊長)にはガストン。
彼らは就任式の檀上で、全校生徒を前に涙ながらに演説した。
「我々はゴミだった! しかし、リリス様が我々を拾い上げ、宝石に変えてくださった! 我々の命はリリス様のものだ! リリス生徒会長万歳!!」
「「「リリス会長万歳! リリス会長万歳!」」」
全校生徒による熱狂的なコール。 まるで宗教団体の集会だ。 檀上の真ん中で、私は死んだ魚のような目で遠くを見ていた。
(……おかしい) (私はただ、嫌われたかっただけなのに) (なんで教祖様になってるの……)
その夜。 公爵家の私の部屋で、私はやけ酒(未成年なので葡萄ジュース)を煽りながら、新たな作戦を練っていた。
生徒会長になったことは、もう変えられない事実だ。 ならば、この権力を逆手にとってやる。
生徒会長の権限で、理不尽な校則を作ってやるのだ。 『毎朝、王宮に向かって土下座すること』とか、 『制服は全員、ピンク色のタイツを着用すること』とか、 『食堂のメニューを全部激辛にすること』とか。
そうすれば、さすがの生徒たちも「暴君だ!」「リリスを降ろせ!」と反乱を起こすはず。 クーデターが起きれば、その責任を取って退学&婚約破棄だ!
「ふふふ……見ていなさい。権力に溺れた悪女の末路を、演じてみせるわ!」
私はノートに『地獄の校則案』を書きなぐった。 しかし、私の知らないところで、シドたちが勝手に動き出していたことを、私はまだ知らなかった。
『リリス様が新たな校則を考案中らしい』 『きっと、我々の心身を鍛えるための、画期的なプログラムに違いない』 『先回りして準備だ! 全校生徒にピンクのタイツ(=色彩心理学的に精神を安定させる効果がある特注品)を発注しろ!』 『激辛メニュー(=代謝を高め、健康促進に効く薬膳料理)を開発しろ!』
……私の悪夢は、まだ終わらない。 むしろ、ここからが本番だったのだ。
放課後の旧校舎。 カビ臭く、埃っぽい空き教室。 窓ガラスは割れ、カーテンはボロボロに裂け、床には謎のシミがある。 まさに「悪のアジト」に相応しいこの場所で、私は高らかに宣言した。
目の前に跪いているのは、先日スカウトした三人の男子生徒たち。 学園のはぐれ者、不良、落ちこぼれ。 社会への不満を抱え、鬱屈したエネルギーを持て余している彼らこそ、私の野望を実現するための「悪の尖兵」だ。
「仰せのままに、リリス様!」
彼らは一斉に頭を垂れた。 その瞳には、狂信的なほどの忠誠心が宿っている。
(……ふふふ。ちょろいものね)
私は扇で口元を隠し、内心でほくそ笑んだ。 彼らは単純だ。 「下僕になれ」と言っただけで、この食いつきよう。 きっと、公爵令嬢である私に利用されることで、自分たちのステータスが上がるとでも思っているのだろう。
甘い。甘すぎるわ。 私が目指すのは、彼らに汚れ仕事をすべて押し付け、最終的に「あいつらが勝手にやったことです」と切り捨てる、冷酷無比なトカゲの尻尾切り作戦。 そして、その管理責任を問われて私の評判が落ちれば、婚約破棄への道が開ける!
「では、自己紹介となさい。それぞれの『特技』も合わせてね」
私が顎をしゃくると、まずはリーダー格のメガネ男子が立ち上がった。
「はい! 私はシド・アークライト。子爵家の三男です。特技は……その、データの収集と分析、そして『改竄』です」
ほう、「改竄」か。 いい響きだ。 成績表の書き換えや、公文書偽造に使えそうだ。
「よろしい。次は?」
続いて立ち上がったのは、身長二メートル近い大男。 制服のボタンが弾け飛びそうな筋肉質で、顔には大きな古傷がある。 どう見てもカタギではない。
「……ガストンだ。実家は貧乏騎士爵。特技は……『破壊』だ。気に入らねぇもんは、全部ぶっ壊してきた」
素晴らしい! 物理的な暴力装置! 校舎の窓ガラスを割ったり、銅像を破壊したりするのに最適だわ。
「最後は?」
教室の隅、カーテンの影に隠れるように立っていた小柄な少年が、モゾモゾと動いた。 フードを目深に被り、顔が見えない。
「……レン、です。男爵家ですが、籍は抜かれかけてます。特技は……『盗聴』と『潜入』。人の秘密を暴くのが、好き……です」
陰湿! 最高に陰湿だわ! アレクセイ様の弱みを握ったり、ありもしないスキャンダルをでっち上げるのに使える!
知能犯のシド。 実行犯のガストン。 情報屋のレン。
完璧な布陣だ。 これぞまさに、悪の秘密結社『リリス団(仮)』!
「素晴らしいわ、ゴミクズども(褒め言葉)。あなたたちのその薄汚い才能を、わたくしが最大限に利用してあげてよ」
「「「ありがとうございます!!」」」
なぜか彼らは感涙に咽んでいる。 シドに至っては「ゴミクズ……なんて甘美な響きだ。初めて自分の存在価値を認められた気がする」とか呟いている。 大丈夫かこいつら。 まあいい、使える駒なら何でもいいわ。
「では、最初の指令を与えるわ」
私は黒板(チョークの跡が消えていない汚いもの)をバンと叩いた。
「この学園は平和ボケしているわ。生徒たちはのうのうと青春を謳歌し、教師たちは事なかれ主義。ヘドが出るわね」
「その通りです! 現状打破こそ我らの悲願!」
「そこで、あなたたちには以下の作戦を実行してもらうわ」
私はチョークを手に取り、大きく三つの項目を書き殴った。
1.情報の支配(脅迫用ネタの収集) 2.環境の破壊(校内を荒らし尽くせ) 3.物資の独占(備品の横流し)
「シドは、生徒たちの弱みを徹底的に調べ上げなさい。レンは、教師たちの密談を盗聴し、スキャンダルを探すのよ。そしてガストンは、校舎裏の荒れ地を拠点にして、気に入らないものを片っ端から破壊しなさい!」
どうだ。 これぞ悪逆非道の限り。 学園中が疑心暗鬼に陥り、校舎は荒廃し、物資不足で混乱する。 その全ての黒幕が私だとバレた時、アレクセイ様もこう言うはずだ。 『君のような破壊者を、王妃にするわけにはいかない』と!
「……承知いたしました」
シドがメガネを光らせ、深く頷いた。
「リリス様の深淵なるお考え、しかと受け止めました。……つまり、この停滞した学園に『メス』を入れ、膿を出し切り、新たな秩序を創造せよ、ということですね?」
「え? まあ、そんな感じよ(ちょっと違うけど、まあいいわ)」
「ガストン、レン。やるぞ。我々の主(マスター)からの最初の勅命だ。失敗は許されない」
「おう。俺の拳が唸るぜ」 「……了解。闇に紛れる」
彼らは殺気立った目で教室を飛び出していった。 その背中は、頼もしいというより、これから銀行強盗に向かう犯行グループのようだった。
「ふふふ……楽しみだわ」
私は一人残った教室で、高笑いをした。 明日から、この学園は地獄に変わるのだ。
◇
一週間後。
私はウキウキしながら登校した。 きっと今頃、学園は大パニックになっているはずだ。 「誰かが私の秘密を握っている!」「校舎裏が瓦礫の山に!」「チョークがない! 紙がない!」 そんな悲鳴が聞こえてくるに違いない。
しかし。
「……あれ?」
校門をくぐった私は、違和感に気づいた。
空気が、綺麗だ。 いつもならゴミが落ちていたり、雑草が生い茂っていたりする並木道が、塵一つなく清掃されている。 生徒たちの表情も明るい。 挨拶の声が大きく、ハキハキとしている。
「おはようございます、リリス様!」 「今日も素敵です、リリス様!」
すれ違う生徒たちが、キラキラした目で私に会釈をしていく。 なんで? 私、黒幕よ? 悪の親玉よ? 石を投げられるならまだしも、なんでアイドルのような扱いを受けているの?
困惑しながら教室に入ると、そこにはさらに信じられない光景が広がっていた。
「おい、これ見たか? 『学園生活向上委員会だより』」 「見た見た! すごいよな、これ。テストの出題傾向が完璧に分析されてる」 「おかげで赤点を回避できたよ。誰が作ったんだろう?」
生徒たちが手に持っているのは、新聞のようなプリントだ。 私は近くの生徒からそれをひったくった。
『号外! 中間テスト完全攻略マニュアル~君の才能を無駄にするな~』 発行元:リリス様直属特務機関
中身を見ると、過去十年分の過去問データが詳細に分析され、「ここが出る!」「この教師の癖はこれだ!」といった情報が網羅されている。 さらに裏面には、『生徒の悩み相談コーナー』があり、「恋愛」「進路」「人間関係」の悩みに、的確かつ辛辣なアドバイスが掲載されている。
「な、なによこれ……」
その時、教室の扉が開き、シドが入ってきた。 彼は私を見つけると、バサリとマント(いつの間に用意した?)を翻して跪いた。
「報告いたします、リリス様! 『情報の支配』作戦、順調に進行しております!」
「シド! これはどういうこと!? 脅迫用のネタを集めろって言ったじゃない!」
「はい。生徒たちの弱点(=苦手科目や悩み)を徹底的に調査しました。そして、その弱点を『克服』させるための情報を配布することで、彼らの心を完全に掌握(=信頼を獲得)しました!」
「はあ!?」
「恐怖による支配は脆いものです。しかし、利益による支配は強固です。彼らは今や、我々の情報なしでは生きていけません。これぞ真の『情報の支配』かと!」
違う。 そうじゃない。 それはただの「超有能な教育支援サービス」よ! おかげで学園全体の平均点が10点も上がったって書いてあるじゃない!
「それに、レンの働きもご報告します。彼は教師たちの密談(=会議)を盗聴し、業務の非効率な部分や、予算の不正流用疑惑を暴き出しました。その情報を匿名で学園長にリークしたところ……」
「し、したところ?」
「悪徳教師三名が懲戒免職となり、学園の浄化に成功しました! 生徒たちからは『影の守護者がいる』と噂され、我々の組織への畏怖(=尊敬)が高まっております!」
嘘でしょう。 スキャンダルで教師を脅すつもりが、学園の腐敗を正す「正義の内部告発」になっちゃってる! レン、あんた優秀すぎるのよ! 使い方が間違ってるのよ!
「そ、そう……。じゃあ、ガストンは? 彼ならきっと、派手にやってくれているわよね?」
物理担当のガストンなら、解釈の余地はないはずだ。 「破壊しろ」と言ったのだから、きっと校舎裏は瓦礫の山になっているはず。
「はい。ガストンについては、現地をご確認ください」
シドに案内され、私は校舎裏へと向かった。 そこは元々、不法投棄されたゴミや枯れ木が散乱する、陰気な荒れ地だった場所だ。
しかし、そこに広がっていたのは。
「……天国?」
思わず呟いてしまった。
ゴミは跡形もなく消え去っている。 ボコボコだった地面は綺麗にならされ、レンガ敷きの美しい遊歩道ができている。 そして中央には、色とりどりの花が咲き誇る巨大な花壇と、優雅なティータイムを楽しめそうなガゼボ(西洋風の東屋)が建っていた。
ガゼボの中では、エプロン姿のガストンが、繊細な手つきでハーブティーを淹れていた。
「あ、リリス様。お待ちしてやした」
「ガストン!? なによこれ! 破壊しろって言ったでしょう!?」
「へい。言われた通り、『気に入らねぇもん』を全部ぶっ壊しました。ゴミ、雑草、デコボコの地面……全部俺の拳(とスコップ)で粉砕してやりましたよ」
「その結果がこれ!?」
「更地になったら寂しかったんで、つい花を植えちまいました。俺、昔から花を見ると心が落ち着くんで……。あ、このガゼボは、廃材を組み合わせて作ったんすけど、どうっすか? リリス様専用の『玉座』のつもりっす」
ガストンが照れくさそうに頭をかく。 その笑顔は、もはや狂犬ではなく、心優しき熊のようだ。
「リリス様。これこそが『環境の破壊』です」
シドがメガネを光らせて解説する。
「かつての『汚く、暗く、危険な』環境を完全に破壊し、リリス様に相応しい『美しく、優雅な』サンクチュアリへと作り変えました。これを『破壊』と呼ばずして、なんと呼びましょうか」
「リリス・ガーデンって呼びなさいよ! ただの美化活動じゃない!」
私はその場に膝から崩れ落ちた。 眩しい。 ガストンの淹れたハーブティーの香りが、鼻腔をくすぐる。 癒やされる。 悔しいけど、めちゃくちゃ居心地がいい。
「物資の横流しについても、完璧です」
シドが追撃の手を緩めない。
「倉庫に眠っていた使われない備品を、街の貧しい孤児院に寄付(=横流し)しました。子供たちは大喜びで、リリス様の名前を記した感謝状が届いております。これにより、学園外でのリリス様の支持基盤も盤石となりました」
「孤児院……! そこまで善行を積んでどうするのよ……!」
私の悪の組織『リリス団(仮)』は、結成からわずか一週間で、 ・学力向上 ・学園浄化 ・環境美化 ・社会貢献 これらを成し遂げる、超優良ボランティア団体へと変貌を遂げていたのだ。
◇
放課後。 私は学園長室に呼び出されていた。 隣には、なぜか誇らしげな顔をしたアレクセイ様が立っている。
「リリス・フォン・ローゼンバーグ嬢」
白髭の学園長が、厳かに告げた。
「君のこの一週間の働き、誠に見事じゃった。裏から手を回し、問題のある教師を排除し、生徒たちの自主性を高め、さらには荒れ地を美しい庭園に変えるとは……」
「あの、それは誤解で……勝手に部下が……」
「部下の功績は上司の功績。彼らのような『はぐれ者』を見出し、適材適所に配置して能力を開花させた。その手腕こそが、真のリーダーシップじゃよ」
学園長が感嘆のため息をつく。 そして、一枚の羊皮紙を差し出した。
「よって、学園は君を『生徒会長』に任命したい。そして、君の私設部隊……えーと、『リリス団』だったかな? 彼らを正式な『生徒会執行部』として認定する」
「……は?」
生徒会長? 私が? 悪役令嬢が?
「お断りします! 私はそんな器ではありません! それに、私は忙しいんです! 悪事を働くのに!」
「はっはっは、謙遜もそこまでいくと嫌味じゃぞ。すでに全校生徒からの署名も集まっておる。『リリス様以外に我々を導ける者はいない』とな」
学園長が机の上にドサッと置いたのは、数千人分の署名リストだった。 いつの間に。 シド、あんたの仕業ね。
「リリス」
隣のアレクセイ様が、私の肩を抱いた。
「おめでとう。僕も鼻が高いよ」
「殿下……止めてくださいまし。これは何かの間違いです」
「間違いなものか。僕は見ていたよ。君が彼ら(シドたち)に声をかけた時のことを」
アレクセイ様の瞳が、またしてもフィルター全開の輝きを帯びる。
「君は、誰からも見捨てられていた彼らに、生きる目的を与えた。『私を利用しなさい』と言って、彼らの承認欲求を満たし、社会復帰への道筋を作ってあげたんだね」
「違います。使い潰すつもりでした」
「ふふ、照れ屋だなあ。その結果が、あの素晴らしい庭園であり、生徒たちの笑顔だ。君の『悪女』としての振る舞いは、常に結果として『最大の善』を生み出している。……やはり君は、僕が選んだ運命の人だ」
アレクセイ様は私の手を取り、甲にキスをした。
「君が生徒会長になり、僕がそれを支える。……想像しただけで震えるよ。この学園は、僕たちの愛の巣(拠点)になるんだね」
「なりません! 神聖な学び舎を私物化しないでください!」
「ああ、また怒られた。その厳しさも好きだ」
ダメだ。 外堀も内堀も、完全に埋められた。
こうして、私は望まぬまま『王立学園・第100代生徒会長』に就任することとなった。 副会長にはシド。 書記にはレン。 会計(兼、警備隊長)にはガストン。
彼らは就任式の檀上で、全校生徒を前に涙ながらに演説した。
「我々はゴミだった! しかし、リリス様が我々を拾い上げ、宝石に変えてくださった! 我々の命はリリス様のものだ! リリス生徒会長万歳!!」
「「「リリス会長万歳! リリス会長万歳!」」」
全校生徒による熱狂的なコール。 まるで宗教団体の集会だ。 檀上の真ん中で、私は死んだ魚のような目で遠くを見ていた。
(……おかしい) (私はただ、嫌われたかっただけなのに) (なんで教祖様になってるの……)
その夜。 公爵家の私の部屋で、私はやけ酒(未成年なので葡萄ジュース)を煽りながら、新たな作戦を練っていた。
生徒会長になったことは、もう変えられない事実だ。 ならば、この権力を逆手にとってやる。
生徒会長の権限で、理不尽な校則を作ってやるのだ。 『毎朝、王宮に向かって土下座すること』とか、 『制服は全員、ピンク色のタイツを着用すること』とか、 『食堂のメニューを全部激辛にすること』とか。
そうすれば、さすがの生徒たちも「暴君だ!」「リリスを降ろせ!」と反乱を起こすはず。 クーデターが起きれば、その責任を取って退学&婚約破棄だ!
「ふふふ……見ていなさい。権力に溺れた悪女の末路を、演じてみせるわ!」
私はノートに『地獄の校則案』を書きなぐった。 しかし、私の知らないところで、シドたちが勝手に動き出していたことを、私はまだ知らなかった。
『リリス様が新たな校則を考案中らしい』 『きっと、我々の心身を鍛えるための、画期的なプログラムに違いない』 『先回りして準備だ! 全校生徒にピンクのタイツ(=色彩心理学的に精神を安定させる効果がある特注品)を発注しろ!』 『激辛メニュー(=代謝を高め、健康促進に効く薬膳料理)を開発しろ!』
……私の悪夢は、まだ終わらない。 むしろ、ここからが本番だったのだ。
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