『処刑されたはずの悪役令嬢は、3回目の人生で『完璧な悪女』を目指して嫌われたい〜なのに、なぜか今度は王太子殿下から求婚されています〜』

ラムネ

文字の大きさ
5 / 20

第5話 恐怖の校則(のつもり)と、ヒロインの襲来

しおりを挟む
「……どうしてこうなったの」

王立学園の生徒会室。 最高級の革張りソファ(ガストンがどこからか調達してきた)に深々と腰を下ろし、私は重いため息をついた。

窓の外を見下ろせば、そこには異様な光景が広がっていた。

登校してくる生徒たちの足元。 男子も女子も、全員が『ショッキングピンクのタイツ』を着用しているのだ。 制服のシックな紺色と、目に痛いほどの蛍光ピンクのコントラスト。 それはまるで、フラミンゴの大群が移動しているかのようであり、あるいは前衛的すぎて理解不能な現代アートのようでもあった。

「素晴らしい光景ですね、会長」

副会長のシドが、紅茶を淹れながら満足げに頷く。 彼もまた、ズボンの裾からチラリとピンク色を覗かせている。

「色彩心理学において、ピンクは『幸福感』や『安らぎ』を与える色とされています。さらに、今回導入したこのタイツは、伸縮性に優れた特殊素材『マッスル・ファイバー』製。履くだけで下半身の筋肉に適度な負荷がかかり、ヒップアップと脚やせ効果がある……まさに魔法のアイテムです」

「……」

私は言葉を失っていた。

私の計画はこうだった。 『全校生徒にダサいピンクのタイツを強制する』 ↓ 『生徒たちが恥ずかしがって拒否する』 ↓ 『私が「履かない者は退学よ!」と理不尽に怒る』 ↓ 『生徒たちの不満が爆発し、リリス排斥運動が起こる』 ↓ 『婚約破棄&追放』

完璧なシナリオだったはずだ。 しかし、現実はどうだ。

「見てください、あの女子生徒たちの笑顔を。『リリス様考案の最新美容ダイエット』として、街でも爆発的なブームになっているそうですよ。今やこのピンクタイツは、お洒落とステータスの象徴です」

「嘘でしょ……あんなにダサいのに……」

「ダサい? いえいえ、会長。あなたが身につければ、それは『モード』になるのです。流行とは常に、カリスマが作るものですから」

シドがメガネをキラリと光らせる。 こいつ、私の悪意をすべて「高度な計算」に変換する天才か。

さらに、食堂から漂ってくる強烈な匂い。 鼻が曲がりそうなほどのスパイスの刺激臭。

第二の作戦、『全メニュー激辛化計画』。 生徒たちの味覚を破壊し、胃袋を痛めつけ、食堂を使えなくしてやるつもりだった。

「ガストンからの報告です」

シドが手元の資料を読み上げる。

「『食堂の激辛メニュー、大好評だぜ。食うだけで汗が吹き出し、代謝が上がりまくりだ。午後の授業で居眠りする奴がいなくなった。あと、冷え性の女子たちから感謝の手紙が山ほど届いてる』とのことです」

「……なんでよ」

「薬膳の効果ですね。会長が厳選した(適当に選んだ)スパイスの配合が、奇跡的なデトックス効果を生んでいるようです。『リリス風・地獄の麻婆豆腐』は、今や行列のできる看板メニューですよ」

頭が痛い。 私の悪行が、ことごとく学園の健康増進に貢献している。 「暴君」と呼ばれるはずが、「健康管理のスペシャリスト」として崇められているなんて。

「リリス」

執務室の扉が開き、アレクセイ様が入ってきた。 今日も今日とて、無駄にキラキラと輝いている。

「また会いに来たよ。……うん、今日の学園も活気に満ちているね」

彼は窓の外のピンク色の集団を見て、爽やかに微笑んだ。

「君のアイデアには脱帽だ。伝統を重んじるあまり、地味で活気のなかった学園の雰囲気を、この『色』で一変させるとは。多様性を認め、個性を主張する……新しい時代の幕開けを感じるよ」

「殿下、目がチカチカしませんか? あれ、どう見ても景観破壊ですわよ?」

「まさか。君が選んだ色だ。僕には、咲き誇る花々のように見えるよ」

ダメだ。重症だ。 この人はもう、私が「空は緑色です」と言っても、「君の瞳には自然の息吹が映っているんだね」とか言って信じるに違いない。

「ところで、リリス。今日は転入生が来る日だね」

「……えっ?」

心臓がドクリと跳ねた。

転入生。 その言葉に、過去二回の人生の記憶がフラッシュバックする。 十五歳の春。 季節外れの転入生として現れた、一人の少女。

男爵令嬢、マリア・キャンベル。

ふわふわの茶色の髪に、大きな瞳。 守ってあげたくなるような小動物系の可愛らしさを持つ彼女。 彼女こそが、この物語の「本来のヒロイン」であり、私を断罪へと追いやった張本人だ。

一度目の人生では、彼女は「聖女」としての力に目覚め、アレクセイ様と恋に落ちた。 私は嫉妬に狂った悪役令嬢として、彼女をいじめ(ていると誤解され)、処刑された。 二度目の人生では、私は関わらないようにしたが、彼女の方から近づいてきて、結局巻き込まれて処刑された。

彼女が来る。 運命の歯車が、また動き出す。

「……そうですわね。確か、男爵家の娘でしたかしら」

私は努めて冷静を装った。 しかし、内心ではガッツポーズをしていた。

(来たわ! これよ、これ!)

今までの作戦は失敗続きだった。 対象が不特定多数(全校生徒)だったのが敗因かもしれない。 けれど、ターゲットが「ヒロイン」一人なら話は別だ。

物語の強制力が働くはずだ。 悪役令嬢がいじめれば、ヒロインは傷つき、ヒーロー(アレクセイ様)は激怒する。 これぞ王道。黄金のパターン。

もし私がマリアを徹底的にいじめ抜き、泣かせることができれば。 さすがのアレクセイ様も、「いくらリリスでも、か弱い女子を虐げるのは許せない」と目を覚ますはず!

「楽しみですわ。……ふふふ、どんな『歓迎』をしてあげましょうか」

私は扇で口元を隠し、ニヤリと笑った。 今度こそ、悪女の本領発揮よ。

          ◇

放課後。 私は生徒会室で、獲物が来るのを待っていた。 転入生は、生徒会長に挨拶に来るのが決まりだ。

「失礼します……」

控えめなノックの後、扉が開いた。 そこに立っていたのは、記憶の中と同じ、愛らしい少女だった。

マリア・キャンベル。 少しサイズの合っていない制服(お古なのだろう)を着て、不安そうにキョロキョロとしている。 その姿は、いかにも「いじめてください」と言わんばかりの弱々しさだ。

(よし。まずは先制パンチよ)

私はソファに踏ん反り返り、足を組んで彼女を見下ろした。

「遅い!」

怒鳴り声と共に、机をバンと叩く。 マリアが「ひっ」と肩を震わせる。

「挨拶に来るのが遅くてよ。わたくしを誰だと思っていて? この学園の支配者、リリス・フォン・ローゼンバーグですわ!」

どうだ。 初対面でこの高圧的な態度。 普通なら「なんて嫌な人」と思うはず。

しかし、マリアは大きな瞳をパチパチと瞬かせ、そして……頬をポッと染めた。

「は、はい……! 存じ上げております! あの、噂の『革命の聖女』リリス様にお会いできるなんて……夢みたいです!」

「……は?」

革命の聖女? 誰のこと?

「わ、私、田舎から出てきて不安で……でも、リリス様が作られた『新入生のためのサバイバルガイド』を読んで、勇気をもらいました! それに、このピンクのタイツ! とっても可愛くて、履くだけで元気が出ます!」

マリアがスカートを少し持ち上げ、ピンク色の足をアピールする。 似合っている。 悔しいことに、あざといほど似合っている。 いや、そうじゃなくて。

「お待ちなさい。あなたはわたくしを怖くないの?」

「怖い……ですか? いえ! 凛としていて、薔薇のように気高くて……憧れます!」

目がキラキラしている。 崇拝の眼差しだ。 ダメだ、この子も「こっち側」の人間かもしれない。

(落ち着け、リリス。まだ手はある)

私は立ち上がり、彼女に近づいた。 そして、彼女が大切そうに抱えているカバンに目を付けた。 使い古された、ボロボロの革鞄。 ところどころ継ぎ接ぎがある。

「あら、なんて汚い鞄なのかしら」

私は鼻で笑った。

「貧乏臭い匂いがしましてよ。公爵令嬢であるわたくしの前に、そんなゴミを持ち込まないでくださる?」

貧困層への差別発言。 これは決定打になるはずだ。 傷ついて泣き出し、「酷い!」と叫ぶがいい。

マリアは一瞬、悲しそうに目を伏せた。 よし、効いた。

「……ごめんなさい。汚いですよね」

「ええ、汚いわ。すぐに捨ててしまいなさい」

「でも……これ、亡くなった母の形見なんです」

「……っ」

形見。 その言葉に、私の良心がズキリと痛む。 いけない、ここで同情しては悪女失格だ。 「知ったことではありませんわ!」と突き放さなければ。

「母が、病床で縫ってくれたんです。『マリア、いつか学園に行く時に使いなさい』って……。だから、どんなに古くても、私にとっては宝物で……」

マリアの瞳から、ポロポロと涙がこぼれ落ちる。

ああ、もうダメ。 無理。 お母さんの形見をバカにするなんて、人として終わってる。 私の悪女メンタルが崩壊していく。

「……そ、そう」

私は震える声で言った。 そして、気づけば私の手は、ポケットに入っていたハンカチを取り出し、彼女の涙を拭っていた。

「な、泣くのはおよしなさい。……見苦しくてよ」

「リリス様……?」

「その鞄……よく見れば、縫製はしっかりしているし、革の手入れも行き届いていますわね。……物を大切にする心、悪くはありませんわ」

言っちゃった。 フォローしちゃった。 しかもハンカチで涙を拭くとか、完全に優しいお姉さんムーブじゃない!

マリアが顔を上げる。 その表情は、感動に打ち震えていた。

「リリス様……! 私の鞄を、母の想いを、認めてくださるんですね……!」

「ち、違いますわ! ただ、新しいのを買う金がないなら仕方ないと言っただけで……」

「優しい……! 噂通り、弱きを助け、本質を見抜く慈愛の方なんですね!」

ガシッ。 マリアが私の手を両手で握りしめた。

「私、決めました! リリス様についていきます! どうか私を、リリス様の下僕その4にしてください!」

「なんで下僕志願者が増えるのよぉぉぉ!!」

私の絶叫が、生徒会室に虚しく響き渡った。

          ◇

作戦変更だ。 言葉での攻撃が通じないなら、行動で示すしかない。 いじめの定番といえば、「机への嫌がらせ」だ。

翌朝。 私は誰よりも早く登校し、マリアの教室に忍び込んだ。 手には、校庭の隅から引っこ抜いてきた雑草が一輪。 そして、花瓶(ガストンが割った壺の破片を再利用したもの)。

「ふふふ……これを見れば、さすがの彼女も自分の立場を理解するでしょう」

花瓶に水を入れ、雑草を挿す。 それをマリアの机のど真ん中に置く。 いわゆる「菊の花(お供え物)」の代わりだ。 「お前はもう死んでいる」「クラスに居場所はない」という、陰湿極まりないメッセージ。

準備完了。 私は物陰に隠れ、マリアの出社……登校を待った。

やがて、生徒たちがパラパラと教室に入ってくる。 そして、マリアがやってきた。

「おはようございまーす……あっ」

マリアが自分の机の前で立ち止まる。 周囲の生徒たちもざわめき始める。

「おい、あれ……」 「マリアの机に花が……」 「あんな雑草、誰が……?」

(さあ、泣きなさい! そして犯人(私)を憎みなさい!)

私は暗がりで息を潜めた。

マリアは震える手で花瓶に触れた。 そして、その雑草をじっと見つめ……。

「……かわいい」

「は?」

マリアが顔をほころばせた。

「見て! このお花、とっても小さいけど、一生懸命咲いてる! 朝露がついてて、キラキラしてる……!」

え? そこ? 「死ね」って意味じゃないの?

「これ、きっとリリス様だわ!」

マリアが叫んだ。 なんでバレたの!?

「昨日、私が『お花が好き』って言ったのを覚えていてくださったんだわ!(言ってない)。公爵邸の温室にあるような豪華な花じゃなくて、あえてこの野に咲く花を選ぶなんて……『飾らない心』『逆境に負けない強さ』というメッセージね!」

周囲の生徒たちが「おおーっ!」と感嘆の声を上げる。

「さすがリリス会長だ。粋な計らいだな」 「転入生が緊張しないように、あえて素朴な花を贈るなんて」 「あの花、よく見ると『イノチノカガヤキ』という希少な薬草じゃないか?」 「マジで!? じゃあ、体調を気遣ってくれたのか!」

違う。 そこら辺の雑草よ。 勝手に希少な薬草にしないで。

マリアは花瓶を抱きしめ、うっとりとしている。

「嬉しい……! 私、この花を押し花にして、一生大切にします!」

失敗だ。 完全なる敗北だ。 私の悪意は、またしても善意というフィルターを通して、光り輝くプレゼントに変換されてしまった。

そこへ、騒ぎを聞きつけたアレクセイ様が現れた。

「なんだ、朝から騒がしいな」

「あ、殿下! 聞いてください! リリス様が……!」

マリアが興奮気味に、ことの顛末(超解釈版)を説明する。 アレクセイ様はそれを聞き、深く頷きながら、物陰に隠れていた私の方へと歩いてきた。

「出ておいで、リリス。照れることはないよ」

見つかった。 私は観念して、おずおずと姿を現した。

「……殿下。おはようございます」

「おはよう、愛しい人。君の優しさには、僕も学ぶことばかりだ」

彼は私の肩を抱き、教室中の生徒に向かって宣言した。

「聞いたかい、皆。リリスは、転入生という孤独な存在に、誰よりも早く手を差し伸べた。言葉ではなく、花という『沈黙の詩』によって。……これこそが、真の貴族のあり方だ!」

ワァァァァァ! 教室中が拍手喝采に包まれる。 マリアは涙を流して私を拝んでいる。

私は乾いた笑いを浮かべるしかなかった。 もう、何をやっても無駄なのかもしれない。 この世界は、私を聖女にするために全力でバグを起こしているのだ。

          ◇

しかし、私は諦めなかった。 直接攻撃がダメなら、搦手(からめて)だ。

「マリアさん。放課後、お茶会をしましょう」

私はマリアを呼び出した。 場所は生徒会室。 用意したのは、最高級のティーセットと……『激苦(げきにが)健康茶』だ。

見た目は普通の紅茶だが、一口飲めば舌が麻痺するほど苦く、渋い。 罰ゲームに使われるような代物だ。 これを「最高級の茶葉よ」と言って振る舞い、吹き出させ、恥をかかせる。 そして「あら、お口に合いませんでした? 庶民の舌には高尚すぎましたわね」と嘲笑うのだ。

「お招きいただき、光栄です! お姉様!」

マリアがやってきた。 いつの間にか呼び方が「お姉様」になっている。 誰が姉だ。

「さあ、お座りなさい。特製のお茶を用意したわ」

シドが恭しくカップを置く。 中身は、どす黒い液体だ。 香りは……うん、土の匂いがする。

「いただきます!」

マリアは疑うことなくカップを口に運び、ゴクリと飲んだ。

(さあ、吹き出しなさい! 苦悶の表情を浮かべなさい!)

私は期待に胸を膨らませて見守った。

マリアの動きが止まる。 目が見開かれる。

「……っ!!」

来た! 苦いでしょう! 不味いでしょう!

「……おいしい!!」

「は?」

マリアが満面の笑みを浮かべた。

「すごい……! 口に入れた瞬間は苦いけど、その後から甘みが追いかけてきて、喉の奥がポカポカします! これ、すごく体にいい味がします!」

「えっ? いや、そんなはずは……」

私は自分のカップ(同じもの)に口をつけた。

「ぶふぉっ!!」

苦い! 死ぬほど苦い! 泥水を煮詰めて焦がしたような味だ。 なんでこれを「おいしい」って言えるの!?

「さすがマリア様ですね」

シドが眼鏡を直しながら解説する。

「このお茶は『竜の根』を煎じたもので、極めて苦いが、魔力を持つ者にとっては最高の滋養強壮剤となります。特に、潜在的な魔力が高い者ほど、その苦味を『甘み』として知覚できると言われています」

「……つまり?」

「マリア様は、規格外の魔力の持ち主ということです。そして、それを見抜いてこのお茶を提供したリリス会長の慧眼……恐れ入りました」

まさかの才能発掘。 私の嫌がらせドリンクが、マリアの「隠された聖女の力」を目覚めさせるトリガーになってしまったようだ。

「ありがとうございます、お姉様! なんだか力がみなぎってきました!」

マリアの体が、淡い光を放ち始める。 聖女の覚醒だ。 原作ではもっと後半、悲劇的なイベントを経て覚醒するはずの力が、不味いお茶一杯であっさり目覚めてしまった。

「ああ、リリス……!」

アレクセイ様が(なぜかタイミングよく)入ってきて、感動に打ち震えた。

「君は、マリアの才能を開花させるために、あえて試練(苦い茶)を与えたんだね! 未来の国のために、優秀な人材を育てる……君こそが、真の指導者だ!」

「ち、違いますの! ただ苦しめたかっただけ……!」

「わかっているよ。君はいつも、自分の功績を隠そうとする。……でも、僕にはお見通しだ」

アレクセイ様が私を抱きしめる。 マリアが光り輝きながら「お姉様大好き!」と抱きついてくる。 シドとガストンとレンが「会長、一生ついていきます!」と敬礼する。

生徒会室は、カオスな愛と勘違いに満ち溢れていた。

(……もう、疲れた)

私はアレクセイ様の腕の中で、遠い目をした。 悪女への道は遠い。 というか、もはや道がない。 あるのは、王妃へのレッドカーペットだけだ。

その時だった。

「――見つけたぞ、リリス・フォン・ローゼンバーグ」

開け放たれた窓から、不穏な風が吹き込んだ。 バルコニーに、一人の人影が立っていた。

黒いマントを翻し、顔を仮面で隠した男。 その手には、不吉な魔力を帯びた短剣が握られている。

「俺の名は『黒の使徒』。王太子アレクセイの命を狙う者であり……貴様のような『偽りの聖女』を断罪する者だ!」

暗殺者!? しかも、「偽りの聖女」って……私のこと?

(……え? チャンス?)

私の目が輝いた。 断罪! その甘美な響き! この男なら、私の本性(悪女)を見抜き、アレクセイ様の前で暴露してくれるかもしれない!

「ようこそ、暗殺者さん!」

私は嬉々として、彼の方へと歩み出した。

「待っていたわ! さあ、私の罪を暴いて! そして皆に真実を伝えてちょうだい!」

「……は?」

暗殺者が困惑して固まる。 アレクセイ様が「リリス、危ない!」と叫ぶ。 しかし私は止まらない。

ようやく現れた「私を否定してくれる人」。 彼こそが、私の救世主(メシア)になるかもしれないのだから!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません

由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。 破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。 しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。 外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!? さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、 静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。 「恋をすると破滅する」 そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、 断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。

10回目の婚約破棄。もう飽きたので、今回は断罪される前に自分で自分を追放します。二度と探さないでください(フリではありません)

放浪人
恋愛
「もう、疲れました。貴方の顔も見たくありません」 公爵令嬢リーゼロッテは、婚約者である王太子アレクセイに処刑される人生を9回繰り返してきた。 迎えた10回目の人生。もう努力も愛想笑いも無駄だと悟った彼女は、断罪イベントの一ヶ月前に自ら姿を消すことを決意する。 王城の宝物庫から慰謝料(国宝)を頂き、書き置きを残して国外逃亡! 目指せ、安眠と自由のスローライフ! ――のはずだったのだが。 「『顔も見たくない』だと? つまり、直視できないほど私が好きだという照れ隠しか!」 「『探さないで』? 地の果てまで追いかけて抱きしめてほしいというフリだな!」 実は1周目からリーゼロッテを溺愛していた(が、コミュ障すぎて伝わっていなかった)アレクセイ王子は、彼女の拒絶を「愛の試練(かくれんぼ)」と超ポジティブに誤解! 国家権力と軍隊、そしてS級ダンジョンすら踏破するチート能力を総動員して、全力で追いかけてきた!? 物理で逃げる最強令嬢VS愛が重すぎる勘違い王子。 聖女もドラゴンも帝国も巻き込んだ、史上最大規模の「国境なき痴話喧嘩」が今、始まる! ※表紙はNano Bananaで作成しています

王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした

由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。 無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。 再び招かれたのは、かつて母を追放した国。 礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。 これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。

婚約破棄だ!と言われ実家に帰ったら、最推しに餌付けされます

黒猫かの
恋愛
王国の第一王子クレイスから、衆人環視の中 で婚約破棄を言い渡されたローゼン侯爵令嬢ノエル。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

9時から5時まで悪役令嬢

西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」 婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。 ならば私は願い通りに動くのをやめよう。 学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで 昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。 さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。 どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。 卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ? なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか? 嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。 今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。 冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。 ☆別サイトにも掲載しています。 ※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。 これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。

悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた

ちくわ食べます
恋愛
転生したのは馴染みのない乙女ゲームの世界だった。  シナリオは分からず、登場人物もうろ覚え、タイトルなんて覚えてすらいない。 そんな世界でモブ男『トリスタン』として暮らす主人公。 恋愛至上主義な学園で大人しく、モブらしく、学園生活を送っていたはずなのに、なぜか悪役令嬢から睨まれていて。 気になったトリスタンは、悪役令嬢のセリスに理由を聞いてみることにした。

処理中です...