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第一章
9.辺境伯の過去
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話し終えたら、レオポルド様は私のために侍女を呼んでくださった。
侍女が侍女に世話をされるなんて!と思ったし、実際声に出てしまったが、血で染まったシーツは変えなくちゃいけないし、私は歩けはするもののまだフラついていたので、大人しく来てくれた侍女に手伝ってもらうことにした。
「……血、大丈夫?」
耳の下あたりでクルンクルン跳ねるくせっ毛の侍女は、私の顔を覗き込んで心配してくれる。よほど顔色が悪いのだろうか。
「わたくしはレオポルド様が治してくださったから平気だけど、勤務初日に主人のベッドを汚してしまったわ……。」
青ざめて答えれば、アハッと笑って返される。
「なんかそれ、いかがわしいことしてたみたいに聞こえるわよ!」
顔から湯気が出そうなほど、みるみる顔が熱くなっていく私は慌てて否定する。
「いかがわしいことなんて、何もしていませんっ!」
「分かってるわよ。手に持ってるそれを見ればね。」
私の手には真っ赤に染まって胸元が無惨に破けているブラウスがある。
そしてそれを指差している彼女の手にも、所々血がついたシーツがあった。
「手伝ってくれてありがとう。仕事を増やしてしまって、ごめんなさい。」
「いいの、いいの。私はミーナ。私の方が先輩だから何でも聞いてちょうだいね!」
「ありがとう、ミーナ。わたくしはグリーゼル。宜しくね。」
二人で洗濯室まで行くと、ちょうど洗濯をしている侍女が一人いた。
「初めまして。わたくしグリーゼルと申します。すみません……ブラウスとシーツを血で汚してしまいまして。」
チラッと目を向けた侍女はパッと手の泡を払い、差し出されたブラウスを取って広げた。
……ボロボロで胸元がパッカリ開いている血だらけのブラウスを。
「これはさすがに廃棄ね。」
ブラウスをポイっとゴミ箱に捨ててシーツを取ると、そのまま洗濯中の泡水の中にズボッと入れて、また洗い出す。
血の汚れはなかなか落ちない。
てっきり嫌な顔をされるかと思っていたが、何かを察した顔をして、「今日はゆっくり体を休めなさい」と優しくされた。
ミーナに部屋まで案内されると、私はベッドに手を付いてしまった。
立ち上がった時から頭から下に血が降りていく感覚とともに、だんだん寒くなってきていて、部屋まで来た時は立っているのも辛いくらいだった。
「大丈夫?ほら、もうベッドに寝ちゃいな。レオポルド様も今日は休んでいいって言ってたし。」
「ありがとう。」
私はミーナに手伝ってもらいながら、ベッドに潜り込んだ。
「また後で晩御飯持ってくるから、それまで寝てていいわよ。」
そう言ってミーナが部屋を出ていくと、気を失うように眠りについた。
*****
コンコンッとノックの音で目が覚める。
気がついたらもう日も暮れていた。
「気分はどう?晩御飯持ってきたから食べて。」
「ありがとう。」
パンとスープ、サラダと厚切りのベーコンが乗ったトレーを受け取ると、黙々と食べ始める。
「グリーゼルの食べ方、すごくキレイね!……もしかして貴族様だったりする?」
「えぇ、そうよ。」
ミーナはみるみる青ざめて、かしこまる。
「え!じゃあ、グリーゼル様って呼ばなくちゃいけないかしら……。こんな気安く話しかけるのももしかして嫌……ですか?」
くすくす笑いながらすぐに否定する。
「今まで通り、グリーゼルでいいし、敬語も必要ないわ。私はあなたと同じ侍女だもの。侍女なのにお世話してもらって申し訳ないくらいよ。」
「そっか。よかった。」
分かりやすくホッとしたミーナは、それからお屋敷の話をいろいろ聞かせてくれた。
洗濯室にいた侍女はアデライドという名前で、話し方は素っ気ないけど、仕事は完璧で意外と面倒見もいいということ。
この屋敷の使用人はほとんどが先代の辺境伯様からいる使用人で、トールキンさんと他何人かがレオポルド様と一緒にこの城にやってきた、などということをミーナが一人でしゃべっていた。
グリーゼルは黙々と食べながら、聞いていた。
晩御飯を食べ終わる頃、ミーナは屋敷の話を止め、この後の予定を聞いてくる。
「この後使用人は順番で湯浴みするんだけど、グリーゼルも入れそう?」
ゆっくり寝て大分回復していたのと、何より胸にまだこびりついてカピカピに乾燥している血の感触を洗い流したくて、頷いた。
お風呂場へ案内されて、服を脱ぐと肩から胸にかけて大きな傷が露わになる。
「そんなに大きい傷だったの!?そりゃフラフラにもなるわね!」
目をまんまるにして私の胸を凝視しているが、胸に注目されるのは若干落ち着かない。
「えぇ、でもレオポルド様が治してくださったし、ゆっくり休ませてもらったからもう平気よ。」
「いつもはこの程度よ?」
と袖を捲って自身の手の甲にある傷を見せてくれる。
私もお食事をお持ちする時にうっかり近づき過ぎちゃってねー、と何ともないように舌を出す。
「ミーナも傷があるのね。他にも傷がある人を見たわ。」
「そうそう。レオポルド様が来たばかりの頃は、お世話しようと皆近づいては傷を作ってたわね。その度にレオポルド様が治してくださって……。」
古傷を懐かしむように撫でて、また口を開く。
「私の傷なんて大したことないし、レオポルド様が治してくださったのに、その時のレオポルド様の苦しそうなお顔が忘れられないわ。このお屋敷の傷がある使用人は皆あのお顔を見てるの。」
なんとかして差し上げたいけど……と小さく呟きながらまた傷を撫でる。
「特に先代の辺境伯様の時が一番お辛そうだったわ。」
「先代の辺境伯様はどんな方だったの?」
「先代はレオポルド様が幼い頃から可愛がってらしたみたいでね。ここに来た時も息子のように接していたわ。……でも先代もレオポルド様の風で、大きな傷ができてしまったのよ。ちょうどグリーゼルみたいな。元々肺に持病がある方でね。傷のせいで熱が出て、そこから肺炎になって亡くなってしまったの。」
あまりの悲劇に私は両手で口を覆う。
「あの時のレオポルド様は見ていられなかったわ。それから本当に誰も近寄らせなくなってしまったの。報告とかで執務室やお部屋に入っても、入り口まで。」
ずっと独りで部屋に篭るレオポルド様は、どれだけ寂しいのだろう。
愛しい人に触れてもらえないだけでなく、誰にも触れてもらえないなんて……。
何か……レオポルド様の心を癒やして差し上げることはできないだろうか。
私のことを見るたびに、先代の辺境伯様の事を思い出してしまうだろうか。
それなら、私は強くあろう。
先代の辺境伯様のように、死なないところをお見せしよう。
そして必ず呪いを解呪しなければ!
そう、強く決意した。
侍女が侍女に世話をされるなんて!と思ったし、実際声に出てしまったが、血で染まったシーツは変えなくちゃいけないし、私は歩けはするもののまだフラついていたので、大人しく来てくれた侍女に手伝ってもらうことにした。
「……血、大丈夫?」
耳の下あたりでクルンクルン跳ねるくせっ毛の侍女は、私の顔を覗き込んで心配してくれる。よほど顔色が悪いのだろうか。
「わたくしはレオポルド様が治してくださったから平気だけど、勤務初日に主人のベッドを汚してしまったわ……。」
青ざめて答えれば、アハッと笑って返される。
「なんかそれ、いかがわしいことしてたみたいに聞こえるわよ!」
顔から湯気が出そうなほど、みるみる顔が熱くなっていく私は慌てて否定する。
「いかがわしいことなんて、何もしていませんっ!」
「分かってるわよ。手に持ってるそれを見ればね。」
私の手には真っ赤に染まって胸元が無惨に破けているブラウスがある。
そしてそれを指差している彼女の手にも、所々血がついたシーツがあった。
「手伝ってくれてありがとう。仕事を増やしてしまって、ごめんなさい。」
「いいの、いいの。私はミーナ。私の方が先輩だから何でも聞いてちょうだいね!」
「ありがとう、ミーナ。わたくしはグリーゼル。宜しくね。」
二人で洗濯室まで行くと、ちょうど洗濯をしている侍女が一人いた。
「初めまして。わたくしグリーゼルと申します。すみません……ブラウスとシーツを血で汚してしまいまして。」
チラッと目を向けた侍女はパッと手の泡を払い、差し出されたブラウスを取って広げた。
……ボロボロで胸元がパッカリ開いている血だらけのブラウスを。
「これはさすがに廃棄ね。」
ブラウスをポイっとゴミ箱に捨ててシーツを取ると、そのまま洗濯中の泡水の中にズボッと入れて、また洗い出す。
血の汚れはなかなか落ちない。
てっきり嫌な顔をされるかと思っていたが、何かを察した顔をして、「今日はゆっくり体を休めなさい」と優しくされた。
ミーナに部屋まで案内されると、私はベッドに手を付いてしまった。
立ち上がった時から頭から下に血が降りていく感覚とともに、だんだん寒くなってきていて、部屋まで来た時は立っているのも辛いくらいだった。
「大丈夫?ほら、もうベッドに寝ちゃいな。レオポルド様も今日は休んでいいって言ってたし。」
「ありがとう。」
私はミーナに手伝ってもらいながら、ベッドに潜り込んだ。
「また後で晩御飯持ってくるから、それまで寝てていいわよ。」
そう言ってミーナが部屋を出ていくと、気を失うように眠りについた。
*****
コンコンッとノックの音で目が覚める。
気がついたらもう日も暮れていた。
「気分はどう?晩御飯持ってきたから食べて。」
「ありがとう。」
パンとスープ、サラダと厚切りのベーコンが乗ったトレーを受け取ると、黙々と食べ始める。
「グリーゼルの食べ方、すごくキレイね!……もしかして貴族様だったりする?」
「えぇ、そうよ。」
ミーナはみるみる青ざめて、かしこまる。
「え!じゃあ、グリーゼル様って呼ばなくちゃいけないかしら……。こんな気安く話しかけるのももしかして嫌……ですか?」
くすくす笑いながらすぐに否定する。
「今まで通り、グリーゼルでいいし、敬語も必要ないわ。私はあなたと同じ侍女だもの。侍女なのにお世話してもらって申し訳ないくらいよ。」
「そっか。よかった。」
分かりやすくホッとしたミーナは、それからお屋敷の話をいろいろ聞かせてくれた。
洗濯室にいた侍女はアデライドという名前で、話し方は素っ気ないけど、仕事は完璧で意外と面倒見もいいということ。
この屋敷の使用人はほとんどが先代の辺境伯様からいる使用人で、トールキンさんと他何人かがレオポルド様と一緒にこの城にやってきた、などということをミーナが一人でしゃべっていた。
グリーゼルは黙々と食べながら、聞いていた。
晩御飯を食べ終わる頃、ミーナは屋敷の話を止め、この後の予定を聞いてくる。
「この後使用人は順番で湯浴みするんだけど、グリーゼルも入れそう?」
ゆっくり寝て大分回復していたのと、何より胸にまだこびりついてカピカピに乾燥している血の感触を洗い流したくて、頷いた。
お風呂場へ案内されて、服を脱ぐと肩から胸にかけて大きな傷が露わになる。
「そんなに大きい傷だったの!?そりゃフラフラにもなるわね!」
目をまんまるにして私の胸を凝視しているが、胸に注目されるのは若干落ち着かない。
「えぇ、でもレオポルド様が治してくださったし、ゆっくり休ませてもらったからもう平気よ。」
「いつもはこの程度よ?」
と袖を捲って自身の手の甲にある傷を見せてくれる。
私もお食事をお持ちする時にうっかり近づき過ぎちゃってねー、と何ともないように舌を出す。
「ミーナも傷があるのね。他にも傷がある人を見たわ。」
「そうそう。レオポルド様が来たばかりの頃は、お世話しようと皆近づいては傷を作ってたわね。その度にレオポルド様が治してくださって……。」
古傷を懐かしむように撫でて、また口を開く。
「私の傷なんて大したことないし、レオポルド様が治してくださったのに、その時のレオポルド様の苦しそうなお顔が忘れられないわ。このお屋敷の傷がある使用人は皆あのお顔を見てるの。」
なんとかして差し上げたいけど……と小さく呟きながらまた傷を撫でる。
「特に先代の辺境伯様の時が一番お辛そうだったわ。」
「先代の辺境伯様はどんな方だったの?」
「先代はレオポルド様が幼い頃から可愛がってらしたみたいでね。ここに来た時も息子のように接していたわ。……でも先代もレオポルド様の風で、大きな傷ができてしまったのよ。ちょうどグリーゼルみたいな。元々肺に持病がある方でね。傷のせいで熱が出て、そこから肺炎になって亡くなってしまったの。」
あまりの悲劇に私は両手で口を覆う。
「あの時のレオポルド様は見ていられなかったわ。それから本当に誰も近寄らせなくなってしまったの。報告とかで執務室やお部屋に入っても、入り口まで。」
ずっと独りで部屋に篭るレオポルド様は、どれだけ寂しいのだろう。
愛しい人に触れてもらえないだけでなく、誰にも触れてもらえないなんて……。
何か……レオポルド様の心を癒やして差し上げることはできないだろうか。
私のことを見るたびに、先代の辺境伯様の事を思い出してしまうだろうか。
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