月がきれい・・・ですね・・・。

川島 慈水

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序章

第一印象〜相澤美月〜

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 「いいですか。時間っていうのは、無限にあるわけでは無いんですよ。一分一秒無駄にしないように。そもそも、入学式から遅刻って言うのはですね~・・・」
 3年生の歌。綺麗だな。言葉が、声が、メロディーが、しっかり心に感じる。教頭先生の話を聞かずに、俺は目を閉じて歌を感じていた。
 
 「だからですね、って聞いてるんですか」
 「はい・・・。え、あ、はいっ。聞いてます」
 「ほんとにもう。そろそろ入学式も終わりますから、担任の先生と一緒に教室へ行きなさい」
 「はい。すいませんでした。」式、終わっちゃったか。遅刻しといてなんだけど、ちゃんと歌、聴きたかったな。
 
 順番に席が埋まっていく中、黒板に書いてある席順を見る。
 「えーっと、俺の席はー、あそこか」俺は窓側の一番後ろの席に座った。
  「私がこのクラスを担任しますー・・・。」生徒全員が席に座り終えると、先生が話し始めた。「ではこのプリントを後ろに回してください。明日からの時間割が書いてあるので、しっかりチェックしておくように。」
 
 前の席からプリントを受け取る時、とてもいい香りがした。女子の匂いというか。落ち着く、柔らかい香りが。すごく良い香りのする人だな~。これが相澤美月あいざわみづきさんに対する第一印象だった。
 
 「はいっ。プリント」
 「あっ、ごめん。ありがとう。」プリントを受け取った俺は、気づくと、その子の後ろ姿を見つめていた。
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