お嬢様と執事の恋日記。

月城 瑠衣

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4話。

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次の日。
あたしは体の体調が悪くなっていた。
ここ2日間調子良かったから、嬉しくて学校にも行ったからかそのしわ寄せが来たんだろう。
今日は学校休まなきゃなぁ…
ご飯も食べれそうにない。

若菜にその事を告げるとみんなが心配して部屋に来てくれたが一番心配してたのは優誠だった。
優誠は学校休んであたしに付きっきりで看病してくれた。
お粥を食べさせてくれたり、薬を飲ませてくれたり、体も拭いてくれたりと色々してくれるから、あたしは優誠に「優誠どうしてここまでしてくれるの?」と聞いてみた。
すると「好きな子を心配するのは当たり前だろ?」といきなり言われて、あたしは「え?」と聞き返してしまった。
優誠はあたしの頭を撫でながら「俺はせなが好きなんだ。せなは俺の事嫌いか?」と聞かれてあたしは首を横に振った。
優誠は「もし良かったら付きってください。」と言ってきて(え?付き合えるの?)と心の内で思いつつもあたしは「はい。こちらこそよろしくお願いします。」と答えた。
でも、優誠の提案で少しの間、みんなには内緒にする事にした。

それからの優誠は前にもまして、あたしの傍らにいつも居てくれた。
部屋にも毎日来てくれて、いつも優しく接してくれている。
優誠の告白の日から、あたしは体調悪い時もいい時も幸せな時間を過ごしている。
まさか、こんな日が来るなんて思わなかったあたしは嬉しく思っている。

優誠と付き合いだして半年が過ぎてからみんなに打ち明けた。
みんなからの反応は「やっぱりな…」って感じであたしと優誠は呆気に取られた。
もっと、怒られるじゃないか?と思っていたから。
誠一郎さんには「最近の優誠の態度がやけにそわそわしたり、話も上の空だったから恋人が出来たんじゃないかと思っていたよ。まさかせな様だったとは気付かなかったけどな。」と言われて優誠が「はっ‼」とした顔をした。
あたしはさすが親子だと感心していた。
反対する人は居なかったのが唯一の救いだった。

みんなに話してから、優誠があたしの専属執事になった。
朝起こしてくれるのも起き抜けの飲み物を用意してくれるのも、ご飯の用意も薬用意も学校の行き帰りも、帰って来てからの勉強も全て優誠が手伝ってくれる。
優誠も楽しそうに色々してくれていて、あたしも、毎朝起きるのも楽しみにしてる。
寝る時は、必ずおでこにキスしてくれる。
そして、あたしが眠りに落ちるまで一緒に居てくれる。

そんな毎日が続いたある日、手術出来ると言う話が舞い込んできた。
あたしも嬉しかったけど、みんなあたし以上に喜んでくれた。
でも、不安も大きかった。
手術はそんなに簡単じゃないと医師から言われてたから。
そんなあたしの不安を吹き飛ばしてくれたのはあたしの手術を一番喜んでくれた優誠だった。
それが何より嬉しかった。

1週間後に入院して、2週間後に手術と医師と話し合って決まった。
その間、優誠はずっと側にてくれた。
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