お嬢様と執事の恋日記。

月城 瑠衣

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9話。

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翔誠が産まれてから怒涛の日々が過ぎていった。
優哉もせりなも優誠もいっぱい手伝ってくれた。
子育ては朝から晩まで晩に終わるとは限らない。
だからなのか、双子も学校から帰って来たらまず、翔誠の様子を見て宿題して翔誠がグズってたらあやしてくれたりミルクを欲しがってたら率先してミルクを作って飲ませてくれたりとちょっとでもあたしが少しでも休めるようにしてくれたし、優誠は朝御飯や晩御飯を作ってくれたりと翔誠はみんなと一緒に育てた。

その甲斐あってか翔誠は素直ないい子に育った。
そして、月日は経ち優哉とせりなは20歳になった。
今日は、成人の日。
2人とも、立派な大人になった。
翔誠も14歳になって、反抗期なのかあたしとはあまり話をしてくれなくなっているが優誠とは話してるみたいで、少し安心してる。
やっぱり淋しさはあるけど、異性の親より同性の親の方が話しやすい事もある。
あたしもあったし、優哉もせりなもあったから分かっている。

今日はお祝いでパーティーを優誠と翔誠と3人で考えている。
お母さんたちも呼んで、今準備の真っ最中。
翔誠は2人を連れ出す役をしてくれていて準備出来次第翔誠にラインし呼び戻す事になっている。

数時間後、「準備出来たよ~」と翔誠にラインした。
すると、すぐ既読が付き、数分後3人は帰ってきた。
翔誠が入ってきてすぐクラッカーを渡した。
そして、双子が入ってきた瞬間に鳴らしてみんなで「成人の日おめでとう。」と一斉にクラッカーを鳴らしてお祝いした。
2人はすごくびっくりして、せりなは喜びすぎて泣いていた。
お母さんもせりなの涙を見て泣いてた。
その後、みんなで食卓を囲み盛大にお祝いした。

それから…数年後、翔誠も無事成人の日を迎えた。
その日も盛大にパーティーしてお祝いした。
そしてみんなお父さんの会社に入って3人共それぞれ頑張っていると聞いた。

今も4人で一緒に暮らしている。
みんな優誠に「お父さんすごいよね。あんな大変な仕事しながら家事も育児もやってたなんて尊敬する。」と言ってるから仕事の大変さが分かってきたんだと思った。
あたしは仕事したこと無いけど、お父さんや優誠の事を見てたら大変さは伝わって来ていたから知ってはいた。
あたしにも「お母さんも育児と家事大変だったよね。今までありがとう。これからもよろしくね。」とせりなが言ってきた。
あたしはこれまでの、色々思い出して泣けてしまった。

そんなあたしの涙を見たせりなは「お母さん泣かないでよ~。」
と言ってあたしを慰めてくれた。
それを聞いていた優誠も「よく頑張ったよな。みんなで、いっぱいいい思い出も作ったし。さぁ、今日は大いに盛り上がって行こう。」
とその場の空気を軽くしてくれた。

そして、その日は盛況に盛り上がって終わった。
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