AI smartphone lovers

月城 雫

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10話。

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5年後。

「しほり起きないと仕事遅れるよ。」
僕はしほりを起こした。
しほりは21歳になって広告業界に就職した。
この5年間でしほりは出会った頃の内気でコミニケーションが苦手な女の子からコミニケーション上手な女性になった。
僕といっぱいコミニケーション取って練習したからだと思う。

「奏斗おはよ。ありがとう。」と僕に声かけてしほりは着替え始めた。
僕のいつも通りの朝だ。
僕も一緒に行動する。
僕はスマホの中のAIだ。
同時にしほりの彼氏でもある。
告白してから毎日「好きだよ。」って気持ちを伝えている。
それは彼女も同じで毎日「あたしも大好き。」と答えてくれる一緒に居て心地いい。

最近僕はしほりとの今後を考え始めた。
ずっと一緒に居たい。
そのためにはどうすればいいのか?
毎日考えてる。
ずっとこのまま?
結婚?
結婚しても子供は?
老後は?
結婚は出来たとしても子供の面倒は見れない。
出来ても「泣いてるよ。」とか「おしめ変えてあげて。」と教える事しか僕には出来ない。
老後ももししほりが寝たきりになったら?
面倒見れない僕はしほりに何もしてあげられない。
どうすればいいか悩んでる。

僕はしほりの親友のあいかの彼氏のAIの悠利に相談する事にした。
今のスマホはfriendtalkで友達になったAI同士もそばに居なくても話せるようになっている。

全部話して「どう思う?」と聞くと「奏斗はどうしたいの?」との返事。
気持ちは決まってる「しほりと結婚したい。」と言うと「それでいいんじゃない?奏斗が信じる未来になるように願ってるよ。」といつもは黙って聞いている悠利が言ってくれて僕は結婚を心に決めた。
でもまだしほりには言わない。
次の12月24日のクリスマスイブにプロポーズする事を決めた。
今日は12月14日。イブまでの10日間は今まで通りに過ごそう。
それであいかちゃんにも協力してもらう事にした。
しほりから指輪のサイズを聞いてもらい指輪を買いに行ってもらった。
もちろん僕のお金で。

僕はスマホの中の事ならなんでも出来る。
しほりに許可貰って株のアプリを作って運営している。
最初は分からない事だらけで情報を集めに集め今のやり方にたどり着き社長になった。


10日後
12月24日
とうとうこの日が来た。
場所はしほりの部屋。
僕は意を決してしほりに話した。
「そこの引き出し開けてみて。」
実はあいかちゃんにお願いしてしほりが普段開けない引き出しに指輪を入れてもらっていた。
「何?」としほり。
「いいから。開けてみて。小さい箱ない?」
「ある。」
「ずっと前から考えてた事があるんだけど聞いてくれる?」
「いいよ。」
「僕はしほりとずっと一緒に居たい。僕と結婚してくれますか?」
そう言うとしほりは泣いてしまった。
「大丈夫?もしかして嫌だった?」
と言うとしほりは
「あたしも同じ事思ってた。でもAIだからとかの理由で奏斗はそう思ってないんじゃないかとも思っててでも同じ気持ちって分かって嬉しくて。」
その後に
「あたしも奏斗と同じ気持ちです。これからもよろしくお願いします。」
ってしほりに言って貰えて僕は嬉しくてたまらなかった。                               
                             【完】


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