cat−call season1

月城 瑠衣

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CASE2(後編)

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「ふぁ~」
あくびと共に起きた俺はロッシーに餌と水をあげてシャワーを浴びた。

そしてターゲットを尾行するための準備をした。
今回のターゲットは遠くから見る必要があるため双眼鏡やスコープなどなど色々黒のバックに詰めてロッシーに「行ってくる。」といい家を後にした。

毎日帰るためにアイリーンにも俺が居ない間だけという条件付きだが手伝いをお願いしてある。
ターゲットのアジトがよく見える部屋をジョージが2週間だけ提供してくれた。
窓はこちらが見えないようになっている部屋だ。

ロッシーも連れてくれば良かったと内心思ったがここは仕事場だ。
そういう訳にもいかん。

通りを見渡しながらターゲットを探す。
居た。
ターゲットは今起きたのか。
スエット姿だ。
もう1人女がいる。
彼女か愛人かそんな事はどうでもいい。
ターゲットに集中する。
窓のおかげで相手がよく見える。
それでも油断は禁物だ。
何が起きるか分からない。

昼過ぎターゲットが動き出した。
尾行開始。

尾行開始5分で異変を感じる。
さすが今回のターゲットは銀行強盗と殺人を繰り返してきた男だ。
少し歩いては振り返りを繰り返す。
遠くの俺には気付かないが普通に尾行してたらまず逃げられるだろう。
その点はジョージから聞いていたから問題ないが…

俺とした事がどうやって誘い込むかに迷っている。
かなり警戒心が強いやつほど人の誘いには乗らないからだ。
ターゲットが1人の時にやるのが1番なんだが大通りを歩くもんだから1人の時がほぼない。
どうしたものか…
アイリーンに頼んでも誘いには乗らないだろうし。
アジトにいる時に殺るか…
アジトには女がいるし困った。
ジョージに相談してみるか。

俺は喫茶キッチンに電話してみた。
「もしもし。」
ジョージが出た。
「キャシーです。ちょっと困ってることが…」
「なんだ?」
「ターゲットが1人にならないのでどうしたものかと。誘っても乗ってこなさそうで。アジトに居る時に殺っちゃっていいですかね?」
そう言うと少し考えて
「バレなければ大通りでも構わないだろう。」
と言われた。
「分かりました。」
あっさりだった。
もっと凝った作戦かと思ったのだが大通りでもいいなら何時でも殺れる。
そう思いその日はアイリーンに見張りを頼んで家に帰った。

やはり俺の帰りを待っていたロッシーに「ただいま。」と声をかけ餌と水をあげた。
よほどお腹空いてたのかすぐ食べ始めた。
俺も冷蔵庫から水を出して飲んだ。

ロッシーの顔みたら疲れも緊張も吹き飛ぶぐらい愛おしくなっていってる自分がいた。
餌を食べ終わったロッシーは俺の膝に乗ってくる。
俺も好かれているようで良かった。
少し寝てからアイリーンと交代しに戻るとするか。

1時間ほど寝て俺は起きアイリーンのいる部屋に向かう。
ロッシーも気付いて見送りに来たので「行ってくる。」と伝え家を出た。

アイリーンがいる部屋に行くとアイリーンは待ってましたとばかりにハイタッチをしてきた。
交代の意味だろう。

そこからまた昼過ぎまで動きなし。
もうそろそろ2週間が近づいてきた。

今日やろうと決めライフルの準備をジョージに頼んだ。
来たのがラージボアライフルというライフルだった。
このライフルは4kmの距離からでも撃てる銃だとジョージは言っていた。

夕方になりターゲットが現れた。
俺はライフルを構えて引き金を引いた。
穴は初めから開けてたからどこから撃たれたとは気付かれないだろう。
様子をうかがう。
街ゆく人々が「きゃー死んでる。」と叫んだのでようやくそこを離れた。
警察も来てたがこっちは普通の格好だ。

ライフルも俺が打ってすぐジョージが持ってってくれた。
ジョージは本当に起点の効く人だ。
そう言う事は元ヤクザでマフィアのボスだとジョージには尊敬しっぱなしだ。

こうして無事仕事を終えた。
今回の報酬だが依頼主からは300万だったが俺の分は170万だった。
130万はジョージの紹介料ってとこだな。

さて家に帰ってロッシーと遊ぶか。


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