龍神の巫女。

月城 瑠衣

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2話。

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わたくしの名前はおゆう。
元巫女です。
訳あってこの山小屋に姫と2人で暮らしています。

姫の名前は神崎みずき様。

姫は今訳あって納屋に閉じ込めております。
本当は全部話して抱きしめてあげたく思ってます。
ですが神主のご息女の姫を閉じ込める事で今は守る事に専念しております。

姫が2歳の時にわたくしがお仕えしていた神社の母屋が火事で燃え尽き中に居た姫を抱き抱え今は山小屋に住んでおります。
火事の最中に神主である姫のお父様に言われたからなのです。
「姫を守ってくれ。そして姫がこの火事の事を思い出さないようにしてくれ。」と

まだ犯人は分かってません。
これでも男巫女の竜也と辰樹には話しておりその2人が犯人探しをしてくれていますが4年がたった今でも分からないとの事。
神主様はまだ生きております。
神主様は神社の母屋を復旧しそこでお住いになられています。

ですが姫を返すのはあの火事を起こした犯人を見つけてからの方がいいと神主様に言われまだ閉じ込めている。

早く返してあげたいのも自分が何者なのか教えてもあげたいとおもっておりますがそれも神主様の案でしてあげる事が出来ません。

全部終わったら姫に謝ろうと思っております。

姫のためとは言え酷いおばさんを演じるのに抵抗もあります。
抱きしめてあげることも本を読んであげる事も出来なくて悲しくもなります。
素っ気ない態度取るのも本心を言えばしたくありません。
でも誰かがやらなければいけないのであればあたくしがやるだけでございます。

あたくしは毎日のお食事を運んで素っ気ない態度を撮っております。
踵を返す時いつも泣きそうになりますがそんな素振り姫に見せてはいけません。

そう心に誓っております。

4週間後竜也と辰樹がいい知らせを持ってきてくれました。
内容は火事の犯人が分かったとの事姫様を連れて神社に帰っていいと神主様も仰ってくださってる。とこの4年間待ち望んだ日が来たのです。
あたくしは早速姫様を閉じ込めていた納屋に走りました。

そして姫様をギュッと抱きしめました。
姫様の反応はビクビクしてます。
なのであたくしは姫様に
「姫様今まで申し訳ありませんでした。ようやくこの日が来ました。さぁお召し物を変えてお家の方に帰りましょう。」
と伝えこの日のためのお召し物を差し出し姫様のお召し物のお着替えをお手伝いしあたくしと姫様と達也と辰樹の4人で山を降り神社の母屋に向かいました。

神社に着いて姫の顔が笑顔になっているのに気付きあたしくしは涙が溢れそうになりました。
同時にこれで姫も平穏に過ごせると確信致しました。


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