龍神の巫女。

月城 瑠衣

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4話。

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あたしは神崎瑞希。
10歳。

神社の母屋に帰ってきたから4年が経った。

あれから全部巫女のおゆうに聞いてあたしは自分が何者なのか知った。

おゆうが言うには
「あなたはここの神社の跡取りの巫女様です。見えていると思いますがあなたには幼い頃から霊感があり龍神様付きなのです。なのであたくしは納屋に閉じ込めて霊を見ないように幼い姫様が傷付かないようにしておりました。」
と教えてくれた。

今では記憶を取り戻し自分のすべき事をやっている。
おゆうはあたし付きの龍神とも話をしたとの事。
ちなみにあたしんちの巫女は皆霊感があるらしい。

取り分けあたしは強い霊感の持ち主とも言ってた。
言われてみたら変な物をよく見た記憶がある。
丸い黒い物とか人に憑く影みたいなものとかでもそれが悪いかまでは分からなかった。
今は悪いものだと認識している。
あたしのすべき事は巫女の長に立つための修行。
言わば勉強。
4年間出来なかった事をおゆうに1から教えてもらいながらやっている。
おゆうは帰ってきてからもずっとあたしと共に居てくれる。
前のおゆうとは大違い。
今では時に優しく時に厳しく接してくれている。
あたしはおゆうに感謝している。
あの時守ってくれた事悪いと思いながらもあたしを隠してくれた事上げればキリがないくらい。
犯人の3人は解雇し警察に突き出したとお父様が言っていた。
もう2度とこの神社には近ずけさせないとお父様は約束してくれた。
でも何年かしたら出てくるかと思うと怖い気もするけどおゆうが居るから大丈夫だとも信じている。

おゆうが学校の勉強教えてくれた。
おかげで今では学校にも行けている。
最初は酷いものだった。
ひらがなは読めても書けなかったし漢字なんて訳が分からず何回書いてもぐちゃぐちゃだった。
それもおゆうの適切なアドバイスでなんとか書けるようになり今の学校に通えて馴染めるようになった。
そのおかげで国語は得意になった。他の授業も何とか着いていけてる。
それとあたしの龍神様は心配性なのか毎日学校に着いてくるけど他の生徒には見えないから安心して学校に通えてる。
それと変な物が近付かないように見張っててもくれるから安心して授業も受けられるし勉強にもついていけている。
学校では優等生で通っている。

これもおゆうとの勉強とと龍神様のお見守りのおかげ。
あたしは2人には頭が上がらないぐらい感謝している。
口に出したことはないけど分かってくれていると感じる。

言おうとしたらいつもおゆうに
「そのお言葉はもったいないです。」と言われるから。
お礼を言えてない。

伝えたいのに伝えられないそれは少し悲しいと感じる。


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