地獄の様な人生。

月城 雫

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演歌以外の音楽との出会い。

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あたしの祖母[丹羽 駒恵]はあたしが生まれる前から日本舞踊の師範の免許を持っていてあたしが小さい時は食堂をやっていたが、あたしが幼稚園に行き始めてからは食堂の仕事をやめ、師範の仕事をまた開始した。
これはあたしの私感なんだけどあたしが幼稚園に通える様になるまでは、あたしは普通の子より身体が小さくて、弱くて小児喘息を持っていたから目を離さない様に食堂をしていたんじゃないか?と思って居るが祖母に聞いたことが無いので分からないが、でも食堂は繁盛していたと思う。
それは祖母のご飯はとても美味しかった。
あたしは母の作ってくれるご飯より祖母の作ってくれるご飯が大好きだった。
中でも煮物は絶品だった。
祖母は楽しそうに食堂でもご飯を提供していたけど本当は師範の仕事の方が好きだったんだと思う。

祖母の仕事のやり方は、生徒に教えるだけではなく、稽古場に行くまでに家で演歌を聞いて歌詞をノートに手書きで縦書きに書き、6時間ほど同じ曲を掛けながら歌詞になぞった振り付けを1週間掛けて考え、稽古場に行き生徒さんに教えてた。
一緒に暮らしていた時は、あたしには退屈だった。
あたしは今でもそうなんだけど簡単な歌なら1回で覚えるし人が難しいと言う歌でも3回聞けば覚えてしまうし飽きっぽい性格で大好きな歌でさえ飽きると歌わなくなる性格なのだ。
だから、1週間同じ曲を聞かなきゃいけないのはしんどかったが、祖母の振り付けはとても美しかった。
だから、小さい時はよく稽古場に祖母と一緒に行っていた
そこであたしは流れてくる演歌を1人口ずさんで居た。
稽古場では祖母の事は先生と呼ばないといけなかったがあたしは毎回「おばあちゃん。」と言っては注意されていた。

普段はおばあちゃんなのにいきなり呼び名を切り替えるのが苦手だったからだと思うが注意されるたび心の中で[呼び方なんてどうでも良くない。あたしにはおばあちゃんの生徒じゃないし。]と思いながら口では「ごめん、気をつける。」と言っていた。
あたしも生徒さんから小先生と呼ばれていた。
稽古場の隅で、その時に使っている歌を口ずさんで居たし、テンポの違う人に「あの、ここはこうだよ。」とあたしが子供ながらに生徒さんに言っていたからだと思うが、祖母は大先生だった。
色んな所から声がかかり越知では祖母の事を知らない人は居なかった。
ある日、「駒恵さんとこのお孫さんやろ?」とあたしは知らない人に声かけられて困惑した事を覚えているぐらい祖母の事を知らない人は居ない様な人だった。

それと、あたしは祖母の洋服姿をほぼ見た事が無い。
食堂をしていた時は着ていたかも知れないがそれを覚えていない。
それに食堂をしていた時は割烹着を着ていたから下に何着ていたか分かんなかった。
だいたい3才までは立てなかったし歩けなかったからあたしがどこかに行く時はハイハイか抱っこされていたからあたしが祖母の足元を見る事は無かった。

小学校高学年になって歌番組が主流になるとあたしは歌番組に夢中になって行った。
中森あきなさんや工藤静香さんやCCBとかチェカーズが出て居てキラキラしてとても好きだった。
特に好きだったのは光GENJIの歌が大好きで始まるとテレビにかじりついて見ていたのを今でも覚えてる。
そしてだいたい1回で覚えて2回目以降は同時に歌っていた。

今も歌番組は見るが、今の歌は聞く専門で[この歌覚えて教えて。]とか[これ歌って。]言われるかこの歌いいなぁ~と思わない限り覚えないと言うか覚えるけど歌わない。
歌番組以外では携帯に入ってる歌を聞きながら、歌ったりしている。
今聞いているのは女性はadoやあいみょんや西野カナやMISIAを聞いたりする。
男性はビジュアル系が多いけどきゃないやタニユウキとか聞いている。
歌詞のない音楽も聞くけど[トランペット吹きの休日とか天国と地獄]と言う音楽で昔の運動会とかで流れてた音楽、それはだいたいリハビリの時やシャワー浴びる(入浴介助)の時に聞いている。

少し前は毎日の様に朝からずっと聞いていたが最近はあんまり聞かなくなった。
聞く気になれないと言うか入れてる歌に飽きてきてるのかも知れない…
また新しい歌入れようかとも思っているが今何が流行っていてもそれをあたしが覚えたいと思うか?
あたしはいつもそこを大切にしている。
あたしは好きな音楽は自分が歌えてこそあたしこの歌好きだよねと人に言えると思っているから。

中学に上がって出会った歌手には今だに影響を受けている。歌手の名前はカーペンターズのカレン。
あの透き通る声はどのアーティストには無い感じがあって今だに好き。
もう1人は美空ひばりさん。
ひばりさんは何でも歌えてたのがすごいと思っていて今だにひばりさんの様には歌えない。
でも、大好きでひばりさんが亡くなった時、あたしは落ち込んだ。
この2人に敵う歌手は今だに居ないと思う。

でも、今活躍している歌手の方も尊敬はしている。
あたしは小さい時からの経験上、歌を人前で歌うのはかなり練習しないと難しいのを知ってるから。
それを仕事にしている人はすごいなと思う。
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