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過去の受賞作から見るファンタジア大賞の傾向①
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以前「目標とする新人賞を決めよう〈長編小説〉④~ファンタジア大賞の傾向~」でファンタジア大賞の傾向について語った。
今回はそれを踏まえて近年の受賞作からいくつかピックアップして読んだ感想と、感じた授賞理由を書きたい。
あくまでど素人が読んだ感想だ。
今回語っていくのは第35回大賞作品、朝依しると先生の『VTuberのエンディング買い取ります。』
35年のファンタジア大賞の歴史の中で初めて『ファンタジー』と『バトル』の要素がない大賞作品だ。
まず、私はVTuberをテーマにした作品を初めて読んだ。VTuber自体は特定の“推し”こそいないがたまに配信を見ることはあって親しみがあったため世界観にはすんなりと入り込めた。
これはVTuberの炎上と中の人である“魂”をテーマにした話である。
一言でいうととにかく面白かった。ライトノベルは多種多様化しているとはいえ、なろう系が多く、主人公が強くなっていく過程でどう成長するか、どんなモチーフと取り合わせるかによって新鮮味を出しているものが多いと私は感じる。
その中で、この小説は今まで私が全く読んだもののないものだった。最近読書数が減り、私が多くの本に手を出していないという事実もある。それでも、この作品はとても新鮮に感じた。
ライトノベルは文芸書と異なり、表紙のイラストにインパクトがある。現代モノを書くとその点、どうしても地味になりがちで、それを解消するためには少し古いかもしれないが“萌え”といった、読者層となる10代の男性にウケるような女性が主軸となったイラストが多いように思う。
ただVTuberは現代モノでも華やかだ。異世界から飛び出してきたような姿かたちをしている人も多い。
作品の中身もそうだ。華やかなVTuberの世界と鬱々とした現実の世界が対比が印象的だった。
文章はテンポがよく読みやすい。そして、主人公の抱えているものを追いかける少女たちが読者と同じ目線で、主人公の行動に疑問を持ち、行動していくことで読者を置いてきぼりにしない。
ただこの作品の素晴らしいところは、今流行りのVTuberを取り上げ、触れてはならないとされる“魂”をテーマにしたことだ。VTuberの前世、魂、炎上。これは暗黙のタブーであり、誰もがVTuberに触れたなら1度は気になることだ。そこをエンターテイメントとして作品にしようと発想したアイデアが本当にすごいと思う。
私ならVTuberをテーマにしようと思ってもこの話は絶対に書けない。
だれもが躊躇するテーマに飛び込み、今の流行と世代に合った話。
これこそがこの作品が35年の歴史を覆した理由のように思う。
今回はそれを踏まえて近年の受賞作からいくつかピックアップして読んだ感想と、感じた授賞理由を書きたい。
あくまでど素人が読んだ感想だ。
今回語っていくのは第35回大賞作品、朝依しると先生の『VTuberのエンディング買い取ります。』
35年のファンタジア大賞の歴史の中で初めて『ファンタジー』と『バトル』の要素がない大賞作品だ。
まず、私はVTuberをテーマにした作品を初めて読んだ。VTuber自体は特定の“推し”こそいないがたまに配信を見ることはあって親しみがあったため世界観にはすんなりと入り込めた。
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その中で、この小説は今まで私が全く読んだもののないものだった。最近読書数が減り、私が多くの本に手を出していないという事実もある。それでも、この作品はとても新鮮に感じた。
ライトノベルは文芸書と異なり、表紙のイラストにインパクトがある。現代モノを書くとその点、どうしても地味になりがちで、それを解消するためには少し古いかもしれないが“萌え”といった、読者層となる10代の男性にウケるような女性が主軸となったイラストが多いように思う。
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