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三章
一、虹色隊、結成 前編
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「ゴク、ゴク、ゴク……ふぅ。……うん、美味しいね」
「ねぇ、これいつものと何が違うの?」
「全然違うわよ!」
シェルは味覚音痴なのである。お腹に入れば何でも同じらしい。オイラはグルメな方だからその気持ちは分からないが、人の事はあまり気にしない質なんだ。
「珍しくお客様が来たから奮発したお茶っ葉で入れたのに!あんたはいつもの安いので充分ね!」
「まぁまぁ、喧嘩は後にしなよね。……それで、お客人、オイラ達に頼みって?」
マリンとシェルの言い合いの間、起こすタイミングを逃した頭をどうしたものかとソワソワしていたポセイドンに、座るよう促しながら尋ねた。
「兄はゲームと同じくらいモフモフが好きでな。君たちが懸命に魔物退治に明け暮れる姿を見たら流石に目が覚めるんじゃないかと思うんだ」
大真面目な顔をして、話し続ける。
「それに、君たち五人はなかなか良いチームだと思うよ」
「そうなのか?」
まだ睨み合っている二人を見ながら首を傾げていると、雲の中からユメがようやく顔を出した。
「あたしは嫌よ!!だって怖いじゃない!……ぎゃっ!何か今、音がしなかった?!」
「そうか?オレには何も聞こえなかったけど」
「確かにガサゴソ聞こえたわよ!…あなた耳が垂れてて穴が塞がってるから聞こえないんじゃないの?!…………ほら!もう嫌!」
取り乱してワーワー言っている。
「人助けをするのも良い事だよねぇ。オイラ徳を積むと良い事あるって聞いたことあるよ!ベビーカステラの雨が降るとか、……ないかなぁ」
「雲の上にいるのに、どうやって雨が降るのよ?」
威嚇の最中でもマリンは突っ込みを入れないと気が済まないんだから忙しないなぁ。
雨がダメなら星ならありえるのかと考えたところで、もっと良い事を思いついた。にやにやが止まらないぞ。
「家族のみんなと再会出来た時、こんなに凄いことをやったんだぞ!って報告したら……うふふふ……ぐふっ……」
そりゃあもう、めちゃくちゃ褒められるんだろうと想像するだけで嬉しさが込み上げた。
「ねぇ、これいつものと何が違うの?」
「全然違うわよ!」
シェルは味覚音痴なのである。お腹に入れば何でも同じらしい。オイラはグルメな方だからその気持ちは分からないが、人の事はあまり気にしない質なんだ。
「珍しくお客様が来たから奮発したお茶っ葉で入れたのに!あんたはいつもの安いので充分ね!」
「まぁまぁ、喧嘩は後にしなよね。……それで、お客人、オイラ達に頼みって?」
マリンとシェルの言い合いの間、起こすタイミングを逃した頭をどうしたものかとソワソワしていたポセイドンに、座るよう促しながら尋ねた。
「兄はゲームと同じくらいモフモフが好きでな。君たちが懸命に魔物退治に明け暮れる姿を見たら流石に目が覚めるんじゃないかと思うんだ」
大真面目な顔をして、話し続ける。
「それに、君たち五人はなかなか良いチームだと思うよ」
「そうなのか?」
まだ睨み合っている二人を見ながら首を傾げていると、雲の中からユメがようやく顔を出した。
「あたしは嫌よ!!だって怖いじゃない!……ぎゃっ!何か今、音がしなかった?!」
「そうか?オレには何も聞こえなかったけど」
「確かにガサゴソ聞こえたわよ!…あなた耳が垂れてて穴が塞がってるから聞こえないんじゃないの?!…………ほら!もう嫌!」
取り乱してワーワー言っている。
「人助けをするのも良い事だよねぇ。オイラ徳を積むと良い事あるって聞いたことあるよ!ベビーカステラの雨が降るとか、……ないかなぁ」
「雲の上にいるのに、どうやって雨が降るのよ?」
威嚇の最中でもマリンは突っ込みを入れないと気が済まないんだから忙しないなぁ。
雨がダメなら星ならありえるのかと考えたところで、もっと良い事を思いついた。にやにやが止まらないぞ。
「家族のみんなと再会出来た時、こんなに凄いことをやったんだぞ!って報告したら……うふふふ……ぐふっ……」
そりゃあもう、めちゃくちゃ褒められるんだろうと想像するだけで嬉しさが込み上げた。
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