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text1:天使が清楚なんて誰が言った?
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今からそう遠くない未来、R歴25年。
第三次世界大戦が勃発し日本は再度米国の植民地国としてその名前をネオジャパンと変えて数年の頃。
度重なる紛争と環境破壊の影響により世界の人口は半数に減少していた。この危機的状況を打開すべく戦争の勝利国になった米国や他の国は新たな生命を生み出した
愛玩用男性型人工知能人形《デウスロイド》
愛玩用女性型人工知能人形《マキナロイド》
新たな奉仕種族を生み出し新たな人類の発展にいたった各国はやがて自身をこう思うようになったのだ
神に選ばれた者
天使に祝福された者と
・・・しかし、そうだろうか?
光が深くなればそれに答えるように闇も深くなるのだと
お前たちが生み出した屍の山から天使を食らう天使が生れ、その命を奪いに行くことを
勝利者どもはしらないのだ
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
・・・
雪空の下を一人の女が一人の男を連れて歩いている。雪が降るその空と同じ灰青のミディアムウルフの髪は風に靡いており、蓮のような色の瞳は眠たそうにどこか虚空を見つめている。しかし、女の肌に見える〝火傷の跡〟と左目を覆い隠すようにつけられた眼帯、そして黒のワイシャツに黒のジーパンスタイル。そしてジャケットのように羽織られた赤黒いその羽織りのせいで〝ただの女〟には到底見えなかった
隣に立つ男は女より身長は高く、185センチほど。ダークグレーの長い髪にサイドを無造作に後ろに流している。女と同じく黒いシャツにジャケット姿からおそらくマフィアの幹部か裏組織の一員に見えるだろう
一見は、であるが
過去女はごく普通の日本人、京極美琴《きょうごくみこと》として日々を過ごしていた。
どこにでもいる、ごくごく普通の女性。地味であまり目立たず、けれど友達には恵まれて穏やかな毎日を過ごしていた
・・・それを、あの世界大戦がすべてめちゃくちゃにして奪っていったのだ。
家族も、恋人もすべて強国に奪われ、降り注いだ業火が美琴の皮膚を焼き、その背中に【天使の羽】に似た焼け跡を残したのだ。
すべて失った者の心に残るものなんて一つしか存在しない。復讐心。
「・・・・殺してやる。私からすべて奪った侵略者共全員を。」
そう心に誓い、焼けただれた顔のまま新宿の路地裏に店を構える藪医者の元に向かい【新しい顔】を貰い受けた。
そして、戦う術・・敵を殲滅する術、技術を学ぶべく、顔を作ってもらったその代金代わりに藪医者から殺しの術を学んだ。
「50くらいの偏屈な藪医者でね・・あの世界大戦にも参加した軍医だったそうだよ。整形代を持ってないって伝えたらすごく不満そうな顔で私にこう言ってくれた。」
隣をあるくツヴァイに肩をすくめて美琴は答えた
「・・・代金に釣り合うほどの殺しの術をその緩い頭に叩き込んでやる。ってね」
「っくく・・・整形の代金代わりに〝殺しを叩き込む〟なんざ面白れぇ藪医者だな・・まるで悪魔の契約だ。・・だが、それに引かず食らいついたマスターのほうが・・本物の悪魔だよ。」
「・・・引いた?」
「ハッ・・・冗談きついぜマスター。むしろ惚れ直した」
そう尋ねる美琴の腰を抱きその額にキスを落とすツヴァイの行動に通行人からは黄色い声が少し漏れる。
「・・・さて、とりあえず新宿の闇商会に足を運ばなきゃね。昨夜の報告もしなきゃいけないし・・」
あくびを噛み殺し美琴はツヴァイを引き連れて地下に続く階段を降り、重そうな鉄製の扉を開けた。
古いジャズが流れる店内には数人の男性客とこちらを見つめ溜息をつく恰幅の良さそうな男がおり、美琴は笑みを浮かべて手をふりその男の前にあるソファーに腰を下ろす
「やぁ、オーナー。・・・ずいぶん顔色が悪い。賞味期限切れの発酵食品でも食べた?」
そう美琴が声をかけるとオーナー。新宿の闇商会・・・否、日本を再び独立国にすべく水面下で活動を続けている巨大組織【ヤタガラス】の幹部、この新宿支部を任されている男は乱暴にテーブルをたたきつけ立ち上がり声を荒げる
「おい天使喰らい《エンジェルイーター》!!今朝のニュースはなんだ!?こっちの依頼よりオーバーに立ち回りやがって!!」
「官房長官はお陀仏させたし・・・例の新型重戦車も破壊したけど?ね?ツヴァイ」
「あぁ。サービスで〝大使館を綺麗な花火〟に変えておいたしな」
悪びれもせず互いに笑みを浮かべる美琴とツヴァイにオーナーは深いため息をつき、またソファーに深く座りポケットから煙草を取り出そうとするとツヴァイがジャケットの懐から高級そうな葉巻のケースを投げ渡した
「This makes us even,right.boss?」
ツヴァイの言葉を理解したらしくオーナーは素直に受け取り葉巻に火をつけ紫煙を空に吐くと美琴をじとりとにらみつける
「・・・〝犬の躾〟くらいちゃんとしやがれ。飼い主だろうが」
「十分お利巧な子たちだけど?」
オーナーの言葉に美琴がそう返せば深いため息とともに一枚の紙が手渡される。
「・・・次の依頼だ。」
「ふーん?・・どんな?」
「少々、横浜に飛んでもらう・・・そこに存在する兵器の破壊が今回の依頼だ」
第三次世界大戦が勃発し日本は再度米国の植民地国としてその名前をネオジャパンと変えて数年の頃。
度重なる紛争と環境破壊の影響により世界の人口は半数に減少していた。この危機的状況を打開すべく戦争の勝利国になった米国や他の国は新たな生命を生み出した
愛玩用男性型人工知能人形《デウスロイド》
愛玩用女性型人工知能人形《マキナロイド》
新たな奉仕種族を生み出し新たな人類の発展にいたった各国はやがて自身をこう思うようになったのだ
神に選ばれた者
天使に祝福された者と
・・・しかし、そうだろうか?
光が深くなればそれに答えるように闇も深くなるのだと
お前たちが生み出した屍の山から天使を食らう天使が生れ、その命を奪いに行くことを
勝利者どもはしらないのだ
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雪空の下を一人の女が一人の男を連れて歩いている。雪が降るその空と同じ灰青のミディアムウルフの髪は風に靡いており、蓮のような色の瞳は眠たそうにどこか虚空を見つめている。しかし、女の肌に見える〝火傷の跡〟と左目を覆い隠すようにつけられた眼帯、そして黒のワイシャツに黒のジーパンスタイル。そしてジャケットのように羽織られた赤黒いその羽織りのせいで〝ただの女〟には到底見えなかった
隣に立つ男は女より身長は高く、185センチほど。ダークグレーの長い髪にサイドを無造作に後ろに流している。女と同じく黒いシャツにジャケット姿からおそらくマフィアの幹部か裏組織の一員に見えるだろう
一見は、であるが
過去女はごく普通の日本人、京極美琴《きょうごくみこと》として日々を過ごしていた。
どこにでもいる、ごくごく普通の女性。地味であまり目立たず、けれど友達には恵まれて穏やかな毎日を過ごしていた
・・・それを、あの世界大戦がすべてめちゃくちゃにして奪っていったのだ。
家族も、恋人もすべて強国に奪われ、降り注いだ業火が美琴の皮膚を焼き、その背中に【天使の羽】に似た焼け跡を残したのだ。
すべて失った者の心に残るものなんて一つしか存在しない。復讐心。
「・・・・殺してやる。私からすべて奪った侵略者共全員を。」
そう心に誓い、焼けただれた顔のまま新宿の路地裏に店を構える藪医者の元に向かい【新しい顔】を貰い受けた。
そして、戦う術・・敵を殲滅する術、技術を学ぶべく、顔を作ってもらったその代金代わりに藪医者から殺しの術を学んだ。
「50くらいの偏屈な藪医者でね・・あの世界大戦にも参加した軍医だったそうだよ。整形代を持ってないって伝えたらすごく不満そうな顔で私にこう言ってくれた。」
隣をあるくツヴァイに肩をすくめて美琴は答えた
「・・・代金に釣り合うほどの殺しの術をその緩い頭に叩き込んでやる。ってね」
「っくく・・・整形の代金代わりに〝殺しを叩き込む〟なんざ面白れぇ藪医者だな・・まるで悪魔の契約だ。・・だが、それに引かず食らいついたマスターのほうが・・本物の悪魔だよ。」
「・・・引いた?」
「ハッ・・・冗談きついぜマスター。むしろ惚れ直した」
そう尋ねる美琴の腰を抱きその額にキスを落とすツヴァイの行動に通行人からは黄色い声が少し漏れる。
「・・・さて、とりあえず新宿の闇商会に足を運ばなきゃね。昨夜の報告もしなきゃいけないし・・」
あくびを噛み殺し美琴はツヴァイを引き連れて地下に続く階段を降り、重そうな鉄製の扉を開けた。
古いジャズが流れる店内には数人の男性客とこちらを見つめ溜息をつく恰幅の良さそうな男がおり、美琴は笑みを浮かべて手をふりその男の前にあるソファーに腰を下ろす
「やぁ、オーナー。・・・ずいぶん顔色が悪い。賞味期限切れの発酵食品でも食べた?」
そう美琴が声をかけるとオーナー。新宿の闇商会・・・否、日本を再び独立国にすべく水面下で活動を続けている巨大組織【ヤタガラス】の幹部、この新宿支部を任されている男は乱暴にテーブルをたたきつけ立ち上がり声を荒げる
「おい天使喰らい《エンジェルイーター》!!今朝のニュースはなんだ!?こっちの依頼よりオーバーに立ち回りやがって!!」
「官房長官はお陀仏させたし・・・例の新型重戦車も破壊したけど?ね?ツヴァイ」
「あぁ。サービスで〝大使館を綺麗な花火〟に変えておいたしな」
悪びれもせず互いに笑みを浮かべる美琴とツヴァイにオーナーは深いため息をつき、またソファーに深く座りポケットから煙草を取り出そうとするとツヴァイがジャケットの懐から高級そうな葉巻のケースを投げ渡した
「This makes us even,right.boss?」
ツヴァイの言葉を理解したらしくオーナーは素直に受け取り葉巻に火をつけ紫煙を空に吐くと美琴をじとりとにらみつける
「・・・〝犬の躾〟くらいちゃんとしやがれ。飼い主だろうが」
「十分お利巧な子たちだけど?」
オーナーの言葉に美琴がそう返せば深いため息とともに一枚の紙が手渡される。
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