ANGELEATER

平藤夜虎

文字の大きさ
3 / 33

text3:Angels take up cold steel

しおりを挟む
オーナーの口から出た言葉に美琴は少し驚いたように目を丸くする。その様子にオーナーはにやりと笑みを浮かべると一枚のコピー用紙を手渡してきた。そこに書かれていたのはヤタガラスが隠れ蓑として使っている掃除屋《トラブルシューター》組織へ依頼してきた今回の内容とともに依頼主の名前が記されていた。



【海市蜃楼】


「・・・っ、オーナー。あんたやっぱ最高だよ!」

海市蜃楼グループ。

先の大戦勝利国に存在し、ネオチャイナを拠点にする3の巨大企業のうちの一つ


ーーーーーーー 美琴の獲物の一角。


「・・・金は俺らが頂いていく。てめぇはそこの狂犬と共に施設を暴れ壊してくりゃあいい。対象のデウスロイドもお前が好きにしていい。・・・どうだ?」

「オーケー。特別なダンスを披露してあげる。」

オーナーの言葉に美琴はにやりと笑みを浮かべると立ち上がり腰に差した日本刀を撫でる。多くの〝天使や神の申し子〟の血を吸ってきた赤銅の刀文に名は無い。だから、朱に塗られた鞘から抜き放てば赤黒い光が揺らめく禍々しいその刀に美琴は黒涙《こくるい》と名付けた。

多くの命を吸った刀、黒涙。そして廃棄寸前の所を気まぐれに拾い、そして今までずっと行動を共にしてきた壊れたデウスロイド、氷の猟犬である【ツヴァイ】


ーーーーー あの日、血と肉の塊から新たに生まれ変わった復讐に燃えるイカれた女にはそれで事足りるのだ。


「じゃあ、さっそく行ってくるよオーナー。」

にやりと笑いオーナーを見て笑みを浮かべると美琴はツヴァイを引き連れて店を出ていく。その様子を静かに見つめていた若い構成員の一人はオーナーに声をかけた

「オーナー・・・一体なんなんです?あの女と機械人形は」

「お前、此処に来てまだ間もないだろう?その台詞・・・あの女の前で吐いたら首と胴体がおさらばしてたぞ。」

サングラス越しから見つめてくる視線に若い構成員は背筋に寒気が走るのを感じた。


「・・・・壊れてんだよ。あの女、・・・・天使喰らい《エンジェルイーター》は」

「壊れてるって・・・まぁ、今までの功績とかウチに所属してる理由とか・・あの立ち振る舞いとかあの目つきとか見ると確かに〝薬でもキメた《オーバードーズ》〟中毒者にしか見えませんけど・・・」

若い構成員の言葉にオーナーは思わず吹き出し豪快に、愉快そうに笑いだすとその背中を強くたたいた

「っははは!中毒者《ジャンキー》と来たか!ちげぇねぇなぁ・・お前、芸人の才能あんぞ?」

「ソレ、いい意味でか悪い意味かでとらえ方変わりません?・・・」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...