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第一章・学園編
第二話
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山を降りて学園に戻り、直ぐにモンスターの素材を買い取りに向かった。
学生がモンスターを討伐して素材を手に入れた場合、基本は学校側が買い取ってくれる。学校以外にも冒険者ギルドで買い取ってくれることもあるため、遠出をする時にはそこに寄ることが多い。
(換金でのお金は、半分は生活費にして、残りは貯金だな。)
「お、あそこにいるのって。」
「あら、あれってあの。」
学校を歩いていると周りの生徒がこっちを見てくる。
「よぉ、欠陥。」
「また低級のモンスターしか狩れなかったのですの。」
側から見れば有名人に思われてるようだが、いい意味ではなく、皮肉に近いものだ。
「…」
「ちっ、無視かよ。」
「低級しか狙えない辺り、底が知れてますわね。」
(…人の気も知らない奴らだな。)
別に好きで低級を狩ってるわけではなく、中級、上級のモンスターを倒したいという願望はある。しかしながら、僕にはそれらのモンスターを倒すのは正直厳しい。
そもそもなぜ、僕ことコトノ=オオトリが周りから“欠陥”などと呼ばれているのかには理由がある。それは僕のジョブが関わっている。
ジョブを持つには二つの条件がある。
一つ目は生まれつき持っていること。二つ目は技術を得てジョブを得ること。
前者なのだが、これは才能がある故に起きることだ。例えば生まれつきジョブが剣士であれば、それは剣士としての才能があることを指す。
後者は、これといった秀でた才能はない場合で起こることだ。この場合、一定まで特定の技術を会得することによってそれに因んだジョブを得ることができる。
この世界は才能があるものだけが極めることができる。才能持ちが生まれる確率は、百人に一人の割合といったところだ。
ちなみにだが、前者は後者よりも凄いと思うがそれは少し違う。その理由は二つある。
一つ目なのだが例えば元から剣士の才能があったとして、剣術以外の技術を得たところでその技術を極めたりすることはできない。剣の才能があれば極めることができても、それ以外は無理な訳だ。つまり才能がなければ極めることが到底できないわけだ。
あと僕は前者で、剣士と魔法使いの二つのジョブの才能がある。二つのジョブの才能持ちは滅多にないことだ。生まれつき二つのジョブ持ちの才能があって最初の頃はかなり有名になった。
しかしながらそこからが大変だった。
これが二つ目の理由、いくら才能があったとしても才能の限界というものがあることだ。特に僕ことコトノ=オオトリは才能の限界が早かった。
いくら剣術を極めようと、いくら魔法を極めようとしてもも、才能の限界で極めることができなかった。
それだけではない。魔法の適正属性なのだが、その属性が無属性だった。
無属性魔法は、四大元素属性の火、水、風、土や、希少属性である闇、光、空間のどの属性にも当てはまらない属性だ。はっきりいうと仲間はずれの無能属性ってことだ。
僕の場合、無属性魔法は魔力を操るだけの魔法で、魔力盾のように、魔力を収束、そこから盾状に凝縮及び形成で作り出してる。※これに約3秒掛かる。他にも魔力を収束して球体状にして放つ魔力弾もある。※これは約2秒掛かる。
そういうわけで、僕ことコトノ=オオトリは劣等才能持ちで、周りから馬鹿にされてきたわけだ。
僕自身努力はした。剣術も魔法も、誰よりも努力してきたつもりだ。
しかしそれでも才能の限界で極めたり頂点に立ったりすることはできない。
才能があれば極めることが出来るのにだ。自分だけ極めることができない。
(冒険者ランクはSからGまであるから、僕の場合は精々E、よくてD辺りか。)
冒険者ランクはギルドで決められたもので、全ての冒険者にはランクがある。
最高でS級、最低でG級、ギルドでのクエストでS~Fまではモンスター討伐や護送などで、Gは街中での清掃、ドブ掃除、迷子探しなどだ。
(周りから欠陥欠陥と言われてるけど、別に自分が無能という訳じゃないし。剣術と魔法以外にも色々と技術は獲得してるし。)
昔から周りに馬鹿にされてきたけど、今日まで落ちぶれたことはない。
毎日剣術で体を鍛え剣技を精錬し、魔法では高速演算処理と演唱短縮及び演唱破棄まで昇り詰めている。
それだけではなく学問でいつもはクラスの上位から中までの成績を保ってるし、学外でのサバイバル術や簡単な治療薬の創薬など、さまざまな技術を獲得してきている。
だからこそ周りから欠陥と呼ばれているものの、獲得してきた技術全てが役に立つことだから別に馬鹿にされようとそこまで気にはしない。
(そもそもこの学校では冒険者になるための勉強をしてるんだしな。冒険者は生きてなんぼだし、多くの知識と技術、経験を得て、強い冒険者とされるんだ。)
そうやって一人心の中で愚痴ってる間に素材買い取りをしてもらえる場所に着き、淡々と買取をしてもらう。こういうやりとりはもう慣れてる。
冒険者の仕事は正直辛いものだ。モンスターとの戦闘で命を落とすのは稀ではないし、変温な日々とは無縁のようなものだ。
だがしかし、強敵と戦い名声を得ることができたり、巨万の富を得ることもできる。
(まぁ僕には無縁ではあるけど。)
将来は、ある程度冒険者で実績を積んだら冒険者学校の講師になろうと考えている。
講師になったら安定した給料が貰えるし、講師寮で宿屋のように宿泊費を払わずに済む。まさに安定した生活を送れるわけだ。
そうして考え事をしてる間に受付の人から買取額分のお金を渡される。
(稼ぎは銅貨と鉄貨が数枚か。これくらいなら明日の食費は問題ないな。)
そうしてお金をポケットに入れて、学生寮の自分の部屋に帰る。
~ 主人公プロフィール ~
⬇︎
【潜在能力値】
『名前』コトノ=オオトリ
『能力』
剣撃威力向上:剣での攻撃時に、速度及び威力にプラス補正
魔法威力向上:攻撃魔法の威力上昇
高速演算処理(小):初級魔法の演算処理向上
演唱破棄(小):初級魔法の魔法演唱を破棄
『技能』
「剣技」
一閃、円斬
「魔法」
魔力盾、魔力弾
「魔法剣技」
魔力斬
「魔術」
魔力感知、魔力操作
「探索」
五感集中、気配感知、距離把握
「隠密」
気配遮断、忍足
~ プロフィール お金の価値について ~
⬇︎
鉄貨=10円(十円) 大鉄貨=50円
銅貨=100円(百円) 大銅貨=500円
銀貨=1000円(千円) 大銀貨=5000円
金貨=10000円(一万円) 大金貨=50000円
白金貨=1000000円(百万円)
学生がモンスターを討伐して素材を手に入れた場合、基本は学校側が買い取ってくれる。学校以外にも冒険者ギルドで買い取ってくれることもあるため、遠出をする時にはそこに寄ることが多い。
(換金でのお金は、半分は生活費にして、残りは貯金だな。)
「お、あそこにいるのって。」
「あら、あれってあの。」
学校を歩いていると周りの生徒がこっちを見てくる。
「よぉ、欠陥。」
「また低級のモンスターしか狩れなかったのですの。」
側から見れば有名人に思われてるようだが、いい意味ではなく、皮肉に近いものだ。
「…」
「ちっ、無視かよ。」
「低級しか狙えない辺り、底が知れてますわね。」
(…人の気も知らない奴らだな。)
別に好きで低級を狩ってるわけではなく、中級、上級のモンスターを倒したいという願望はある。しかしながら、僕にはそれらのモンスターを倒すのは正直厳しい。
そもそもなぜ、僕ことコトノ=オオトリが周りから“欠陥”などと呼ばれているのかには理由がある。それは僕のジョブが関わっている。
ジョブを持つには二つの条件がある。
一つ目は生まれつき持っていること。二つ目は技術を得てジョブを得ること。
前者なのだが、これは才能がある故に起きることだ。例えば生まれつきジョブが剣士であれば、それは剣士としての才能があることを指す。
後者は、これといった秀でた才能はない場合で起こることだ。この場合、一定まで特定の技術を会得することによってそれに因んだジョブを得ることができる。
この世界は才能があるものだけが極めることができる。才能持ちが生まれる確率は、百人に一人の割合といったところだ。
ちなみにだが、前者は後者よりも凄いと思うがそれは少し違う。その理由は二つある。
一つ目なのだが例えば元から剣士の才能があったとして、剣術以外の技術を得たところでその技術を極めたりすることはできない。剣の才能があれば極めることができても、それ以外は無理な訳だ。つまり才能がなければ極めることが到底できないわけだ。
あと僕は前者で、剣士と魔法使いの二つのジョブの才能がある。二つのジョブの才能持ちは滅多にないことだ。生まれつき二つのジョブ持ちの才能があって最初の頃はかなり有名になった。
しかしながらそこからが大変だった。
これが二つ目の理由、いくら才能があったとしても才能の限界というものがあることだ。特に僕ことコトノ=オオトリは才能の限界が早かった。
いくら剣術を極めようと、いくら魔法を極めようとしてもも、才能の限界で極めることができなかった。
それだけではない。魔法の適正属性なのだが、その属性が無属性だった。
無属性魔法は、四大元素属性の火、水、風、土や、希少属性である闇、光、空間のどの属性にも当てはまらない属性だ。はっきりいうと仲間はずれの無能属性ってことだ。
僕の場合、無属性魔法は魔力を操るだけの魔法で、魔力盾のように、魔力を収束、そこから盾状に凝縮及び形成で作り出してる。※これに約3秒掛かる。他にも魔力を収束して球体状にして放つ魔力弾もある。※これは約2秒掛かる。
そういうわけで、僕ことコトノ=オオトリは劣等才能持ちで、周りから馬鹿にされてきたわけだ。
僕自身努力はした。剣術も魔法も、誰よりも努力してきたつもりだ。
しかしそれでも才能の限界で極めたり頂点に立ったりすることはできない。
才能があれば極めることが出来るのにだ。自分だけ極めることができない。
(冒険者ランクはSからGまであるから、僕の場合は精々E、よくてD辺りか。)
冒険者ランクはギルドで決められたもので、全ての冒険者にはランクがある。
最高でS級、最低でG級、ギルドでのクエストでS~Fまではモンスター討伐や護送などで、Gは街中での清掃、ドブ掃除、迷子探しなどだ。
(周りから欠陥欠陥と言われてるけど、別に自分が無能という訳じゃないし。剣術と魔法以外にも色々と技術は獲得してるし。)
昔から周りに馬鹿にされてきたけど、今日まで落ちぶれたことはない。
毎日剣術で体を鍛え剣技を精錬し、魔法では高速演算処理と演唱短縮及び演唱破棄まで昇り詰めている。
それだけではなく学問でいつもはクラスの上位から中までの成績を保ってるし、学外でのサバイバル術や簡単な治療薬の創薬など、さまざまな技術を獲得してきている。
だからこそ周りから欠陥と呼ばれているものの、獲得してきた技術全てが役に立つことだから別に馬鹿にされようとそこまで気にはしない。
(そもそもこの学校では冒険者になるための勉強をしてるんだしな。冒険者は生きてなんぼだし、多くの知識と技術、経験を得て、強い冒険者とされるんだ。)
そうやって一人心の中で愚痴ってる間に素材買い取りをしてもらえる場所に着き、淡々と買取をしてもらう。こういうやりとりはもう慣れてる。
冒険者の仕事は正直辛いものだ。モンスターとの戦闘で命を落とすのは稀ではないし、変温な日々とは無縁のようなものだ。
だがしかし、強敵と戦い名声を得ることができたり、巨万の富を得ることもできる。
(まぁ僕には無縁ではあるけど。)
将来は、ある程度冒険者で実績を積んだら冒険者学校の講師になろうと考えている。
講師になったら安定した給料が貰えるし、講師寮で宿屋のように宿泊費を払わずに済む。まさに安定した生活を送れるわけだ。
そうして考え事をしてる間に受付の人から買取額分のお金を渡される。
(稼ぎは銅貨と鉄貨が数枚か。これくらいなら明日の食費は問題ないな。)
そうしてお金をポケットに入れて、学生寮の自分の部屋に帰る。
~ 主人公プロフィール ~
⬇︎
【潜在能力値】
『名前』コトノ=オオトリ
『能力』
剣撃威力向上:剣での攻撃時に、速度及び威力にプラス補正
魔法威力向上:攻撃魔法の威力上昇
高速演算処理(小):初級魔法の演算処理向上
演唱破棄(小):初級魔法の魔法演唱を破棄
『技能』
「剣技」
一閃、円斬
「魔法」
魔力盾、魔力弾
「魔法剣技」
魔力斬
「魔術」
魔力感知、魔力操作
「探索」
五感集中、気配感知、距離把握
「隠密」
気配遮断、忍足
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⬇︎
鉄貨=10円(十円) 大鉄貨=50円
銅貨=100円(百円) 大銅貨=500円
銀貨=1000円(千円) 大銀貨=5000円
金貨=10000円(一万円) 大金貨=50000円
白金貨=1000000円(百万円)
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