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攻略1*攻略対象者たちと仲良くしましょう*
ジーク・キャベル・アストラル
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どのくらい話していたんだろう?
すごく時間が経ったように思えたが、実際はそこまで経っていなかった。
「どこで誰が聞いているか分からないから、これからはジークと呼ぶよ」
「うん。そーだね、お兄さま」
今までのジークの話で分かった事。なぜ第二妃は六年の間会わせなかったのか、それはジークがとてもお馬鹿な振りをしていた為だという。
私にアズール公爵家の息子が側近候補でそばに控えている事、ペルカ公爵家のご令嬢が婚約者として据えられた事。
これらを何故無視できるのか分からなかったが、天才だともてはやされた私と比べてしまい、ジークを表に出すことが出来なかったという。
……あの見栄っ張りなら、そうしそうだと妙に納得してしまった。
「でも、どうして馬鹿な振りをしていたんだ?」
「……兄さまも知ってると思うけど、本来のシナリオなら王位継承権を争って仲が悪かったでしょ?」
「…あぁ。だから、ヴィンセントを味方にして、ペルカ嬢と婚約したんだ。これだけ権力が集まれば無視はできないと思って」
本来ならペルカ嬢との婚約は作戦に無かったんだけど。
「兄さまの見立て通り、本当は僕を接触させようとしてたんだ。僕の方が優秀だと知らせたい為に。アストラルの剣は僕もプレイしてたし、兄さまと争う気は無かったから、今の僕に出来るのは馬鹿な振りだけだったの」
「…そういう事だったのか」
そんな時、一人で遊んでいた所をペルカ嬢に見つかり、声をかけられたというのが先程の経緯らしい。
「それにしても兄さま、ペルカ嬢はすごく美人ですね!プレイしていた時の悪役令嬢とはかけ離れすぎていて、名前を聞くまで誰か分かりませんでした!」
「あぁ、それは私も驚いたところだ。そーだっ!ジーク、何故ペルカ嬢はあの様に変わってしまったか、知ってるか?」
「え?兄さまもプレイしてましたよね?」
「…それが、断罪のシーンは面倒くさ、時間なくて飛ばし読みしてて」
「…あぁ~、そういう所あったね、薫ちゃん」
呆れたような六歳のジークの顔は、ちょっと忘れられそうにないな、と少なからずショックを受けていた。
ジークはおもむろに机からノートを取り出すと、アストラルの剣のストーリーをこと細かに記録したものを見せてくれた。
「本来のストーリーだと、兄さまはまだペルカ嬢と会っていないんです。あの手この手で逃げ出していた為、遅れてしまった婚約発表の時に初めて対面し、その時にはすでにペルカ嬢は、醜い姿だったと」
「…それは、何故か教えてくれるか?」
「……薫ちゃんじゃない、本来のディーンは王位継承争いで手柄を立てるために、二百年前に奪われた土地を奪還するべく戦争を仕掛けるんです」
なんとなく、思い出してきた。ペルカ嬢が処刑される直前まで叫んでいた言葉。
ディーンを嫌い、尚且つ恨み、命さえ狙っていた彼女の言葉。
「…そこで私は、ペルカ嬢の兄上を、将とし、死なせてしまった。勝てるはずないと周りに嗜められていたのに、その進言も聞かず」
「…思い出した?」
「あぁ。『兄上を殺した殺人者』と彼女はずっと叫んでいたな。あながち間違ってないな」
本来のディーンは勉強もせず、自国こそ強いと信じて疑わない、愚か者だ。
すごく時間が経ったように思えたが、実際はそこまで経っていなかった。
「どこで誰が聞いているか分からないから、これからはジークと呼ぶよ」
「うん。そーだね、お兄さま」
今までのジークの話で分かった事。なぜ第二妃は六年の間会わせなかったのか、それはジークがとてもお馬鹿な振りをしていた為だという。
私にアズール公爵家の息子が側近候補でそばに控えている事、ペルカ公爵家のご令嬢が婚約者として据えられた事。
これらを何故無視できるのか分からなかったが、天才だともてはやされた私と比べてしまい、ジークを表に出すことが出来なかったという。
……あの見栄っ張りなら、そうしそうだと妙に納得してしまった。
「でも、どうして馬鹿な振りをしていたんだ?」
「……兄さまも知ってると思うけど、本来のシナリオなら王位継承権を争って仲が悪かったでしょ?」
「…あぁ。だから、ヴィンセントを味方にして、ペルカ嬢と婚約したんだ。これだけ権力が集まれば無視はできないと思って」
本来ならペルカ嬢との婚約は作戦に無かったんだけど。
「兄さまの見立て通り、本当は僕を接触させようとしてたんだ。僕の方が優秀だと知らせたい為に。アストラルの剣は僕もプレイしてたし、兄さまと争う気は無かったから、今の僕に出来るのは馬鹿な振りだけだったの」
「…そういう事だったのか」
そんな時、一人で遊んでいた所をペルカ嬢に見つかり、声をかけられたというのが先程の経緯らしい。
「それにしても兄さま、ペルカ嬢はすごく美人ですね!プレイしていた時の悪役令嬢とはかけ離れすぎていて、名前を聞くまで誰か分かりませんでした!」
「あぁ、それは私も驚いたところだ。そーだっ!ジーク、何故ペルカ嬢はあの様に変わってしまったか、知ってるか?」
「え?兄さまもプレイしてましたよね?」
「…それが、断罪のシーンは面倒くさ、時間なくて飛ばし読みしてて」
「…あぁ~、そういう所あったね、薫ちゃん」
呆れたような六歳のジークの顔は、ちょっと忘れられそうにないな、と少なからずショックを受けていた。
ジークはおもむろに机からノートを取り出すと、アストラルの剣のストーリーをこと細かに記録したものを見せてくれた。
「本来のストーリーだと、兄さまはまだペルカ嬢と会っていないんです。あの手この手で逃げ出していた為、遅れてしまった婚約発表の時に初めて対面し、その時にはすでにペルカ嬢は、醜い姿だったと」
「…それは、何故か教えてくれるか?」
「……薫ちゃんじゃない、本来のディーンは王位継承争いで手柄を立てるために、二百年前に奪われた土地を奪還するべく戦争を仕掛けるんです」
なんとなく、思い出してきた。ペルカ嬢が処刑される直前まで叫んでいた言葉。
ディーンを嫌い、尚且つ恨み、命さえ狙っていた彼女の言葉。
「…そこで私は、ペルカ嬢の兄上を、将とし、死なせてしまった。勝てるはずないと周りに嗜められていたのに、その進言も聞かず」
「…思い出した?」
「あぁ。『兄上を殺した殺人者』と彼女はずっと叫んでいたな。あながち間違ってないな」
本来のディーンは勉強もせず、自国こそ強いと信じて疑わない、愚か者だ。
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