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攻略1*攻略対象者たちと仲良くしましょう*
ちょっと待て弟よ!!!
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不安そうなジークは私に興味はあるらしいが、やはりシルビア嬢の側が安心するらしく隣に座ってミルクをちょびちょびと飲みながらチラチラ見てくる。
私は目を閉じながら静かに紅茶を飲んでいるのにそれでも視線を感じる。
可愛いかよ!
とりあえず、言わせてください。
「ミルクは美味いか?」
「!うん、あっはい」
「そうか。ここは公な場ではないから楽な言葉でいいぞ」
「…うん」
照れているのかなぁ。少し頬が赤くなってるなぁ。可愛いなぁ。ミルク、飲み過ぎじゃないかなぁ?
「ゴッホゴホゴッホ」
やっぱりそうなるよね!?
「大丈夫か?一気に飲み過ぎだ。おかわりなら私が用意するからゆっくり飲みなさい」
「……!」
激しく咳き込んだジークを心配して急いで彼の背中をさすりに席を立っていた。
ヴィンセントも驚き席を立っている。
シルビア嬢は隣にいるのにどうしたらいいか迷っている様子だ。
ジークは激しく咳き込んだせいで涙目になっている。
そして何故か驚いた表情をしている。
…いや、驚いてるのは私たちなんだけど。
「……薫ちゃん…」
「…えっ」
なんでジークが、その名前を?
てゆか日本語、久しぶりに聞いた。
ジークの呟きは本当に小さくて、この場で私にしか聞こえていなかった。
お互い固まってしまっていた。
「あの、殿下?ジーク様は大丈夫でしょうか?」
「あ、あぁ。すまないが、ジークを休ませるために部屋に連れていってくる。少し席を空ける」
ジークに付いていたメイドに声をかけ、ジークを抱き上げ彼の部屋に連れていく。
混乱してしまって、シルビア嬢もヴィンセントも置き去りにしてしまった。
でも余裕がない。混乱する頭では、何で、しか考えられない。
前世の私の名前だ。聞き間違いなら問題ないけど、でも確かに聞こえたんだ。薫ちゃんって。
日本語を話したことも気になるし、何で知ってる?しかも薫ちゃん、なんて呼び方する人は一人しか知らない。
そうであって欲しくない。でも今私の頭の中で、そうであって欲しくない人の顔が思い浮かんでいる。
歩く道すがら、お互いが無言だった。重たい空気が漂う中、ジークの部屋についた。
ジークを抱き抱えていた為、片手でドアを開け中に入る。
メイドにはここで待機するよう命令し、
中に入る。そっと小さな体を下ろすと重い空気を破ったのは幼いジークだった。
「さっきはごめんなさい。変なこと言いました」
シュン、と効果音がつきそうなくらいうなだれて左耳の後ろを掻いていた。
…やっぱり。
「……遥、なのか?」
「!やっぱり、薫ちゃん?」
「謝るときに左耳を掻くクセ、変わらないね」
遥だ。私の大切な妹。再開できた嬉しさと、遥を死なせてしまった自分が情けない。
情けなさすぎて、涙が滲む。
「…何で?私が死んだからか?遥の治療費、払えなくなったから?」
「違うよ!薫ちゃんのせいじゃない!もともと末期だったのに、あんなに生きられたのは薫ちゃんのおかげなんだ!」
ありがとう、と遙も涙を流しながら微笑んでいる。
たまらず、私は遥を抱きしめた。
「変だよね。僕たち、転生しても兄弟なんだね」
「うん。しかも揃いも揃って前世の記憶持ったままなんて」
しばらくの間、私たちは泣いたり笑ったりしながら抱きしめ合っていた。
お互い、死んで離れていた時間を取り戻すように。
あの頃の、姉妹だった名前で呼び合いながら。
私は目を閉じながら静かに紅茶を飲んでいるのにそれでも視線を感じる。
可愛いかよ!
とりあえず、言わせてください。
「ミルクは美味いか?」
「!うん、あっはい」
「そうか。ここは公な場ではないから楽な言葉でいいぞ」
「…うん」
照れているのかなぁ。少し頬が赤くなってるなぁ。可愛いなぁ。ミルク、飲み過ぎじゃないかなぁ?
「ゴッホゴホゴッホ」
やっぱりそうなるよね!?
「大丈夫か?一気に飲み過ぎだ。おかわりなら私が用意するからゆっくり飲みなさい」
「……!」
激しく咳き込んだジークを心配して急いで彼の背中をさすりに席を立っていた。
ヴィンセントも驚き席を立っている。
シルビア嬢は隣にいるのにどうしたらいいか迷っている様子だ。
ジークは激しく咳き込んだせいで涙目になっている。
そして何故か驚いた表情をしている。
…いや、驚いてるのは私たちなんだけど。
「……薫ちゃん…」
「…えっ」
なんでジークが、その名前を?
てゆか日本語、久しぶりに聞いた。
ジークの呟きは本当に小さくて、この場で私にしか聞こえていなかった。
お互い固まってしまっていた。
「あの、殿下?ジーク様は大丈夫でしょうか?」
「あ、あぁ。すまないが、ジークを休ませるために部屋に連れていってくる。少し席を空ける」
ジークに付いていたメイドに声をかけ、ジークを抱き上げ彼の部屋に連れていく。
混乱してしまって、シルビア嬢もヴィンセントも置き去りにしてしまった。
でも余裕がない。混乱する頭では、何で、しか考えられない。
前世の私の名前だ。聞き間違いなら問題ないけど、でも確かに聞こえたんだ。薫ちゃんって。
日本語を話したことも気になるし、何で知ってる?しかも薫ちゃん、なんて呼び方する人は一人しか知らない。
そうであって欲しくない。でも今私の頭の中で、そうであって欲しくない人の顔が思い浮かんでいる。
歩く道すがら、お互いが無言だった。重たい空気が漂う中、ジークの部屋についた。
ジークを抱き抱えていた為、片手でドアを開け中に入る。
メイドにはここで待機するよう命令し、
中に入る。そっと小さな体を下ろすと重い空気を破ったのは幼いジークだった。
「さっきはごめんなさい。変なこと言いました」
シュン、と効果音がつきそうなくらいうなだれて左耳の後ろを掻いていた。
…やっぱり。
「……遥、なのか?」
「!やっぱり、薫ちゃん?」
「謝るときに左耳を掻くクセ、変わらないね」
遥だ。私の大切な妹。再開できた嬉しさと、遥を死なせてしまった自分が情けない。
情けなさすぎて、涙が滲む。
「…何で?私が死んだからか?遥の治療費、払えなくなったから?」
「違うよ!薫ちゃんのせいじゃない!もともと末期だったのに、あんなに生きられたのは薫ちゃんのおかげなんだ!」
ありがとう、と遙も涙を流しながら微笑んでいる。
たまらず、私は遥を抱きしめた。
「変だよね。僕たち、転生しても兄弟なんだね」
「うん。しかも揃いも揃って前世の記憶持ったままなんて」
しばらくの間、私たちは泣いたり笑ったりしながら抱きしめ合っていた。
お互い、死んで離れていた時間を取り戻すように。
あの頃の、姉妹だった名前で呼び合いながら。
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