41 / 115
第8章 災厄(原因究明と特効薬)
8-1:公衆衛生の砦
しおりを挟む
「——ハンスさん、立って。泣いている暇はありませんわ」
ソフィアの声は、もはや侯爵令嬢でも、森の魔女でもなかった。それは、未知の「敵(ウイルス)」という脅威を眼前にし、アドレナリンが最高潮に達した、前世(カオリ)の、研究者であり、パンデミックと戦う「防疫司令官」としての声だった。
絶望に打ちひしがれ、アトリエの床に崩れ落ちたハンスの、熊のように大きな肩を、彼女の小さな手で掴み、強引に立たせる。その赤い瞳には、もはや貴族的な冷笑はなく、戦場に立つ指揮官のような、冷徹で燃えるような光だけが宿っていた。
彼女の思考は、すでにハンスの悲嘆から、村全体の「生存戦略」へと移行していた。
「ギルバート、あなたは助手よ。私の指示に、的確に従って」
「りょ、了解した、ソフィア薬師」
ギルバートは、目の前の少女が、数分前まで「研究」に目を輝かせ、アルベルト殿下(王太子)を前にしても不遜な笑みを崩さなかった人物と同一とは思えない、その凄まじいまでの変貌ぶりに圧倒されていた。
(……これが、彼女の。……本物の『戦場』の顔か)
魔術師としてのプライドも忘れ、彼はただ、その指揮下に入ることを、即座に承諾した。
「ハンスさん。村の男衆で、動ける者を全員集めて。今すぐ、あなたの家を『隔離病棟』にします」
「か、かくり……びょうとう?」
ハンスの耳には、その単語が、まるで異国の呪文のように響いた。恐怖に引きつった顔で、彼はオウム返しする。
「あなたの妻(エララ)を、他の村人から完全に『隔離』するのです。これは、王都で猛威を振るっている『紫死病』。ロイドさんが罹ったものよりも、遥かに強力な『変異種』よ」
(アルベルト殿下の一行が、王都から持ち込んだ。間違いない。そして、村で最初に接触したであろう、村長の家族(ハンス)が、第一感染者(ペイシェント・ゼロ)になった……!)
最悪の事態だった。だが、ソフィアの思考は、すでに前世(カオリ)の「公衆衛生学」と「感染症対策」の知識に基づき、次々と対策を打ち出していた。
「いいこと、よく聞きなさい。村は今、戦場になったの。敵は、目に見えない病原体。一つ間違えれば、この村は……」
ソフィアは、そこで一度、言葉を切った。そして、最も残酷な、しかし、最も現実的な可能性を、ハンスの目に叩きつけた。
「——全滅します」
「ぜ、全滅……!?」
ハンスの顔から、完全に血の気が引いた。彼の巨体が、恐怖でわなわなと震え始める。
「だから、私の指示に、寸分の狂いもなく従いなさい。それが、あなたの妻を、マルクを、そして村を救う、唯一の道よ」
ソフィアは、もはや返事を待たなかった。アトリエ(研究室)の扉を蹴破るように開け、村へと続く道を、ボロボロのドレスの裾が泥にまみれるのも構わず、全力で疾走した。
ギルバートとハンスが、その小さな、しかし絶対的なリーダーシップを放つ背中を、慌てて追う。
村は、まだ、ことの重大さを理解していなかった。
ハンスの家——村の中央にある、簡素だが、エララが手入れしていたであろう清潔な木造の家——。その周りには、すでに数人の村人(主に女たち)が、「どうしたんだ」「エララが倒れたって?」と、心配そうに集まっていた。
家の中からは、ハンスが駆けつけた時には、まだ聞こえなかった、あの、ロイドの時よりも遥かに凄惨な、呼吸器が破壊されていく音が漏れ聞こえていた。
「——そこまで!」
ソフィアの、鼓膜を劈(つんざ)くような、厳格な声が響き渡った。
村人たちの視線が、一斉に、鬼の形相で走ってくるソフィアに向けられる。
「全員、その家から十メートル以上離れなさい! 今すぐに! これは、王都の『紫死病』よ!」
『紫死病』。
その言葉が、数週間前にロイドの馬車がもたらした恐怖を、鮮明に蘇らせた。
「ひっ!」
「ま、薬師様の時と同じ、あの病気か!」
村人たちが、蜘蛛の子を散らすように後ずさる。
「ハンスさん! あなたは、ご家族(マルク)も連れて、今すぐこの家から出なさい。最低でも三日間は、村の集会所(別の小屋)で寝泊まりして。あなたは、すでに『濃厚接触者』です。他の村人との接触も、最低限に」
「だ、だが、エララは……! エララは、中に!」
「私が、診ます」
ソフィアは、ハンスの絶叫を、冷徹な一言で遮った。
「ギルバート。あなたは、私の指示通り、この家の周囲に『結界』を張れる? 人間が物理的に出入りでき、しかし、内部の『空気(瘴気)』が外に漏れ出ないような、簡易的な『風の障壁』は?」
「!……なるほど。空気感染(エアロゾル)を警戒するのか。さすがは薬師だ」
ギルバートは、即座に意図を理解した。彼は、この世界の人間がまだ誰も気づいていない「感染経路」を、ソフィアが前世の知識で特定したことに、改めて戦慄していた。
「完璧な密閉は無理だが、『指向性のある風の壁(エア・カーテン)』程度なら、この杖で……!」
彼は、ローブから杖を取り出すと、魔力の流れを視覚化し、呪文の詠唱を始めた。
ソフィアは、その間に、アトリエから持ってきた『タイム』と『ラベンダー』の乾燥ハーブを束にし、恐怖で立ち尽くす村人たちに投げ渡した。
「村長を呼んできて! そして、これを、村の全員が首から下げるように伝えて! それから、全員、今すぐ、アトリエの小川の水を煮沸し、そのお湯で、徹底的に手と顔を洗いなさい! 石鹸(ソフィアが村に提供していたハーブ石鹸)があるでしょう!」
前世の知識——マスク(簡易版)、手洗い、うがい、そしてハーブによる簡易的な殺菌(アロマテラピー)。
原始的だが、やらないよりは遥かにマシだった。
村人たちは、パニックに陥りながらも、もはや絶対的な信頼を置く「薬師様」の命令に従い、一斉に散っていった。
「……行きますわよ」
ギルバートが、「——『風よ、壁(ウォール)となれ』!」と短い詠唱を終え、家の周囲の空気が、目には見えないが、陽炎のようにわずかに淀む「風の結界」を張り終えたのを確認する。
ソフィアは、アトリエから持参した布(マスク代わり)で口と鼻を覆い、ハンスの家の、重い木の扉を押し開けた。
ムワッ、と。
馬車の中で嗅いだ、あの匂い。
高熱と、病的な汗と、腐敗しかけた果実のような、甘ったるい死の腐臭。
それが、ロイドの時よりも、遥かに、遥かに濃密になって、ソフィアとギルバートに襲いかかった。
「……これは」
ギルバートが、思わず口元を押さえる。
家の奥、薄暗い寝室のベッドの上に、エララ(ハンスの妻)が横たわっていた。
彼女は、数日前まで、ソフィアに「薬師様、いつもありがとうね」と、はにかみながら、焼きたての黒パンを差し入れてくれていた、快活な女性だった。
だが、今、そこにいるのは、見知らぬ「何か」だった。
「ゲホッ、ゴホッ……! ヒューッ……」
その体は、高熱で小刻みに痙攣し、そして、ソフィアが最も恐れていた症状が、そこにあった。
エララの口元から、枕元に置かれた桶まで、紫色の、泡立った血痰が、おびただしく飛び散っていた。
(……ロイドさん(フェーズ・ワン)とは、比べ物にならない。病状の進行が、早すぎる! まるで、体が、内側から『腐って』いくような……!)
ソフィアは、恐怖を押し殺し、エララのベッドの傍に膝まずいた。
「……ソフィア薬師。私に、できることは」
ギルバートが、青白い顔で尋ねる。
「……『分析(アナライズ)』を。この患者の体内にある『病原体』を。私がロイドさんを救った『特製回復ポーション』のデータ(サンプルはギルバートに渡してあった)と比較して。……何が、違うのか」
ソフィアは、煮沸消毒したナイフの先端で、桶の中の「紫色の痰」を少量、採取サンプル(ガラス瓶)に取りながら、冷静に、次の指示を出した。
彼女たちの、本当の「戦い」が始まった。
ソフィアの声は、もはや侯爵令嬢でも、森の魔女でもなかった。それは、未知の「敵(ウイルス)」という脅威を眼前にし、アドレナリンが最高潮に達した、前世(カオリ)の、研究者であり、パンデミックと戦う「防疫司令官」としての声だった。
絶望に打ちひしがれ、アトリエの床に崩れ落ちたハンスの、熊のように大きな肩を、彼女の小さな手で掴み、強引に立たせる。その赤い瞳には、もはや貴族的な冷笑はなく、戦場に立つ指揮官のような、冷徹で燃えるような光だけが宿っていた。
彼女の思考は、すでにハンスの悲嘆から、村全体の「生存戦略」へと移行していた。
「ギルバート、あなたは助手よ。私の指示に、的確に従って」
「りょ、了解した、ソフィア薬師」
ギルバートは、目の前の少女が、数分前まで「研究」に目を輝かせ、アルベルト殿下(王太子)を前にしても不遜な笑みを崩さなかった人物と同一とは思えない、その凄まじいまでの変貌ぶりに圧倒されていた。
(……これが、彼女の。……本物の『戦場』の顔か)
魔術師としてのプライドも忘れ、彼はただ、その指揮下に入ることを、即座に承諾した。
「ハンスさん。村の男衆で、動ける者を全員集めて。今すぐ、あなたの家を『隔離病棟』にします」
「か、かくり……びょうとう?」
ハンスの耳には、その単語が、まるで異国の呪文のように響いた。恐怖に引きつった顔で、彼はオウム返しする。
「あなたの妻(エララ)を、他の村人から完全に『隔離』するのです。これは、王都で猛威を振るっている『紫死病』。ロイドさんが罹ったものよりも、遥かに強力な『変異種』よ」
(アルベルト殿下の一行が、王都から持ち込んだ。間違いない。そして、村で最初に接触したであろう、村長の家族(ハンス)が、第一感染者(ペイシェント・ゼロ)になった……!)
最悪の事態だった。だが、ソフィアの思考は、すでに前世(カオリ)の「公衆衛生学」と「感染症対策」の知識に基づき、次々と対策を打ち出していた。
「いいこと、よく聞きなさい。村は今、戦場になったの。敵は、目に見えない病原体。一つ間違えれば、この村は……」
ソフィアは、そこで一度、言葉を切った。そして、最も残酷な、しかし、最も現実的な可能性を、ハンスの目に叩きつけた。
「——全滅します」
「ぜ、全滅……!?」
ハンスの顔から、完全に血の気が引いた。彼の巨体が、恐怖でわなわなと震え始める。
「だから、私の指示に、寸分の狂いもなく従いなさい。それが、あなたの妻を、マルクを、そして村を救う、唯一の道よ」
ソフィアは、もはや返事を待たなかった。アトリエ(研究室)の扉を蹴破るように開け、村へと続く道を、ボロボロのドレスの裾が泥にまみれるのも構わず、全力で疾走した。
ギルバートとハンスが、その小さな、しかし絶対的なリーダーシップを放つ背中を、慌てて追う。
村は、まだ、ことの重大さを理解していなかった。
ハンスの家——村の中央にある、簡素だが、エララが手入れしていたであろう清潔な木造の家——。その周りには、すでに数人の村人(主に女たち)が、「どうしたんだ」「エララが倒れたって?」と、心配そうに集まっていた。
家の中からは、ハンスが駆けつけた時には、まだ聞こえなかった、あの、ロイドの時よりも遥かに凄惨な、呼吸器が破壊されていく音が漏れ聞こえていた。
「——そこまで!」
ソフィアの、鼓膜を劈(つんざ)くような、厳格な声が響き渡った。
村人たちの視線が、一斉に、鬼の形相で走ってくるソフィアに向けられる。
「全員、その家から十メートル以上離れなさい! 今すぐに! これは、王都の『紫死病』よ!」
『紫死病』。
その言葉が、数週間前にロイドの馬車がもたらした恐怖を、鮮明に蘇らせた。
「ひっ!」
「ま、薬師様の時と同じ、あの病気か!」
村人たちが、蜘蛛の子を散らすように後ずさる。
「ハンスさん! あなたは、ご家族(マルク)も連れて、今すぐこの家から出なさい。最低でも三日間は、村の集会所(別の小屋)で寝泊まりして。あなたは、すでに『濃厚接触者』です。他の村人との接触も、最低限に」
「だ、だが、エララは……! エララは、中に!」
「私が、診ます」
ソフィアは、ハンスの絶叫を、冷徹な一言で遮った。
「ギルバート。あなたは、私の指示通り、この家の周囲に『結界』を張れる? 人間が物理的に出入りでき、しかし、内部の『空気(瘴気)』が外に漏れ出ないような、簡易的な『風の障壁』は?」
「!……なるほど。空気感染(エアロゾル)を警戒するのか。さすがは薬師だ」
ギルバートは、即座に意図を理解した。彼は、この世界の人間がまだ誰も気づいていない「感染経路」を、ソフィアが前世の知識で特定したことに、改めて戦慄していた。
「完璧な密閉は無理だが、『指向性のある風の壁(エア・カーテン)』程度なら、この杖で……!」
彼は、ローブから杖を取り出すと、魔力の流れを視覚化し、呪文の詠唱を始めた。
ソフィアは、その間に、アトリエから持ってきた『タイム』と『ラベンダー』の乾燥ハーブを束にし、恐怖で立ち尽くす村人たちに投げ渡した。
「村長を呼んできて! そして、これを、村の全員が首から下げるように伝えて! それから、全員、今すぐ、アトリエの小川の水を煮沸し、そのお湯で、徹底的に手と顔を洗いなさい! 石鹸(ソフィアが村に提供していたハーブ石鹸)があるでしょう!」
前世の知識——マスク(簡易版)、手洗い、うがい、そしてハーブによる簡易的な殺菌(アロマテラピー)。
原始的だが、やらないよりは遥かにマシだった。
村人たちは、パニックに陥りながらも、もはや絶対的な信頼を置く「薬師様」の命令に従い、一斉に散っていった。
「……行きますわよ」
ギルバートが、「——『風よ、壁(ウォール)となれ』!」と短い詠唱を終え、家の周囲の空気が、目には見えないが、陽炎のようにわずかに淀む「風の結界」を張り終えたのを確認する。
ソフィアは、アトリエから持参した布(マスク代わり)で口と鼻を覆い、ハンスの家の、重い木の扉を押し開けた。
ムワッ、と。
馬車の中で嗅いだ、あの匂い。
高熱と、病的な汗と、腐敗しかけた果実のような、甘ったるい死の腐臭。
それが、ロイドの時よりも、遥かに、遥かに濃密になって、ソフィアとギルバートに襲いかかった。
「……これは」
ギルバートが、思わず口元を押さえる。
家の奥、薄暗い寝室のベッドの上に、エララ(ハンスの妻)が横たわっていた。
彼女は、数日前まで、ソフィアに「薬師様、いつもありがとうね」と、はにかみながら、焼きたての黒パンを差し入れてくれていた、快活な女性だった。
だが、今、そこにいるのは、見知らぬ「何か」だった。
「ゲホッ、ゴホッ……! ヒューッ……」
その体は、高熱で小刻みに痙攣し、そして、ソフィアが最も恐れていた症状が、そこにあった。
エララの口元から、枕元に置かれた桶まで、紫色の、泡立った血痰が、おびただしく飛び散っていた。
(……ロイドさん(フェーズ・ワン)とは、比べ物にならない。病状の進行が、早すぎる! まるで、体が、内側から『腐って』いくような……!)
ソフィアは、恐怖を押し殺し、エララのベッドの傍に膝まずいた。
「……ソフィア薬師。私に、できることは」
ギルバートが、青白い顔で尋ねる。
「……『分析(アナライズ)』を。この患者の体内にある『病原体』を。私がロイドさんを救った『特製回復ポーション』のデータ(サンプルはギルバートに渡してあった)と比較して。……何が、違うのか」
ソフィアは、煮沸消毒したナイフの先端で、桶の中の「紫色の痰」を少量、採取サンプル(ガラス瓶)に取りながら、冷静に、次の指示を出した。
彼女たちの、本当の「戦い」が始まった。
285
あなたにおすすめの小説
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
婚約破棄されたので森の奥でカフェを開いてスローライフ
あげは
ファンタジー
「私は、ユミエラとの婚約を破棄する!」
学院卒業記念パーティーで、婚約者である王太子アルフリードに突然婚約破棄された、ユミエラ・フォン・アマリリス公爵令嬢。
家族にも愛されていなかったユミエラは、王太子に婚約破棄されたことで利用価値がなくなったとされ家を勘当されてしまう。
しかし、ユミエラに特に気にした様子はなく、むしろ喜んでいた。
これまでの生活に嫌気が差していたユミエラは、元孤児で転生者の侍女ミシェルだけを連れ、その日のうちに家を出て人のいない森の奥に向かい、森の中でカフェを開くらしい。
「さあ、ミシェル! 念願のスローライフよ! 張り切っていきましょう!」
王都を出るとなぜか国を守護している神獣が待ち構えていた。
どうやら国を捨てユミエラについてくるらしい。
こうしてユミエラは、転生者と神獣という何とも不思議なお供を連れ、優雅なスローライフを楽しむのであった。
一方、ユミエラを追放し、神獣にも見捨てられた王国は、愚かな王太子のせいで混乱に陥るのだった――。
なろう・カクヨムにも投稿
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる