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第13章 枯れゆく森と、元聖女の来訪
13-5:邂逅
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アトリエの中は、ここ数日、墓場のような重い沈黙に支配されていた。
暖炉の火は燃えている。だが、それは部屋を暖めるためというよりは、この空間に満ちた「冷気」に、かろうじて抵抗するための、孤独な生命活動のように見えた。炎の揺らめきだけが、この部屋で唯一、動いているものだった。
私とギルバートは、打つ手のないまま、ただ、窓の外で静かに進行していく「死」を、なすすべもなく見守ることしかできなかった。
ハーブ園の枯死は、日に日に、その範囲を広げている。
私が王都から持ち帰り、このランクSの黒土で大切に育てていた薬草の苗も、ついに半分以上がダメになった。葉は、もはや黄色ですらない。まるで、生命力の色素そのものを抜き取られたかのように、灰白色(かいはくしょく)に変色し、指で触れると、カサリ、と音を立てて崩れ落ちていく。それは、水分が失われた「枯死」ではなく、存在そのものが「風化」していくような、おぞましい光景だった。
それは、私の努力と知識が、根源的な「世界の理(ブライト)」によって否定されていく様を見せつけられているようであり、自分の子供を失うかのような、鋭い痛みを伴った。
「……ダメだ」
ギルバートは、アトリエの隅で、王宮から持ち帰った古代文献の束を、それこそ穴が開くほど読み返していた。だが、何度同じページをめくっても、答えは見つからなかった。
「どの文献にも、『大厄災にて、すべてを無に帰した』としか記されていない。対処法など、どこにも……。まるで、この呪いについて書き残すこと自体が、禁忌(タブー)であったかのようだ」
彼の声には、いつもの知的な探求心はなく、ただ、深い無力感が滲んでいた。その青い瞳は、寝不足と焦燥で、赤く充血している。
私も、同じだった。
実験台の中央には、あの日からずっと、中和結界の中で鎮座する『ブライト』のサンプル。そして、ハンスさんの家から採取した、汚染された『井戸水』。
私は、このアトリエにある全ての試薬を試し尽くした。
酸にも、アルカリにも、反応しない。
高温で熱しても、低温で凍らせても、その物性(ぶっせい)に一切の変化はない。
ロイドさんに頼んだ『遠心分離機』の設計図は、あまりの事態に、王都へ発つことすらできなくなったロイドさんの手元で、今はただの紙切れと化しているだろう。
それは、まるで、私たちの「知識」そのものを、嘲笑っているかのようだった。
科学も、魔法も、この絶対的な「無」の前には、無力だった。
(……詰んでいる)
私が、その絶望的な結論を、受け入れようとした、まさにその時だった。
コン、と。
静寂を破り、アトリエの、あの重いオーク材の扉が、か細い音を立てた。
あまりにも、か細い音だった。
私とギルバートは、同時に、ハッと顔を上げた。
(今の音は……?)
マルクやハンスさんであれば、村の存亡をかけている今、遠慮なく扉を叩き壊す勢いで、援助を求めに来るはずだ。
ヴォルフラムのような、帝国の軍靴の音(地響き)でもない。
風で、枯れ枝でも当たったのか?
だが、このアトリエの周辺は、もはや、風に揺れる葉すら、残ってはいない。
「……誰か、いるのか」
ギルバートが、杖を構え、警戒しながら扉に近づいた。
私も、腰のナイフに手をかける。だが、彼の表情は、敵意を捉えたものではなかった。
「……ソフィア薬師。……気配が、する。だが……」
彼の魔術師としての鋭敏な感覚が、扉の向こうの「何か」に戸惑っていた。
「……極めて、微弱だ。敵意などとは程遠い。まるで、消えかけの、蝋燭(ろうそく)の炎のような……生命の気配だ」
ギルバートが、重いオーク材の扉に、そっと手をかける。
私も、固唾を飲んで、その隙間を見つめた。
ギギィ……。
湿った空気と、森の、あの独特の「死」の匂いが、アトリエの中に流れ込んでくる。
そして、その流れ込んできた空気と共に、何かが、音もなく、室内へと、倒れ込んできた。
「……!」
私とギルバートは、息を飲んだ。
そこに、一人の少女が、倒れていた。
いや、それは、もはや「少女」と呼ぶのもはばかられるほど、無残な「何か」だった。
泥と、埃と、そして、乾いた血の匂い。
粗末な、引き裂かれた灰色のワンピースは、もはや体を覆う布としての機能すら果たしておらず、旅の過酷さを物語っていた。
もはや、その原型を留めていないほどに傷ついた、裸足に近い足。足の裏は、石や茨で裂け、血と泥がこびりつき、凍傷を起こしかけているのか、紫色に変色していた。
そして、乱れた髪の間から覗く、あの、見覚えのある、亜麻色の髪。
それは、かつて、王都の光の中で、聖女として輝いていた、リリアその人だった。
「……リリア、様……?」
ギルバートが、信じられないものを見る目で、呟いた。
王都の、あの純白の「祈りの間」にいるはずの「元・聖女」。
彼女がなぜ、こんな、満身創痍の、物乞いよりもみすぼらしい姿で、このアトリエの前に。
(……逃げてきた? 王都から? 一人で?)
私の脳裏に、彼女が王宮(あの『祈りの間』)を抜け出し、王都の民には冷たくあしらわれ、野盗に追われ、雨に打たれながら、ただ、この森を目指して歩き続ける姿が、フラッシュバックした。
私を断罪した「ヒロイン」の、あまりにも、惨めな末路。
同情は、なかった。
だが、その行動力――あれほど他者に依存し、アルベルトの庇護がなければ何もできなかった少女が、一人でここまで来たという、その「事実」だけは、私の計算を、わずかに狂わせた。
「……助けて……ください……」
リリアの唇が、か細く動いた。
その目は、虚ろに宙を彷徨い、もはや、私たちの姿すら、まともに捉えられていない。
高熱で、意識が朦朧としているのだ。旅の無理がたたり、重い肺炎か、あるいは、足の傷からの敗血症を起こしているのかもしれない。
彼女は、最後の、最後の力を振り絞り、うわ言のように、繰り返した。
「樹が……」
その言葉に、私とギルバートの背筋が、凍りついた。
「樹が、泣いています……」
その言葉を最後に、リリアは、完全に意識を失った。
私とギルバートは、ただ、呆然と、その場に立ち尽くしていた。
枯れゆく森。
手の施しようのない、古代の呪い。
そして、その呪いと、誰よりも深く「同調」していたはずの、元・聖女の、予期せぬ来訪。
(……樹が、泣いている?)
(彼女にも、聞こえている。あの、聖樹の『悲鳴』が)
(だから、来たというの? この、私がいる、このアトリエに? 助けを、求めて?)
それは、絶望的な状況の中で、神が、あるいは、この世界そのものが、私たちに与えた、あまりにも皮肉で、そして、あまりにもか細い、「最後の希望」の糸なのかもしれない。
私は、研究者としての冷静さを取り戻した。
(……感傷は、後よ)
私は、リリアの傍らに膝まずくと、彼女の、泥に汚れた首筋に、そっと指を当て、脈を測った。
(……脈拍、微弱。高熱、脱水症状。危険な状態だわ)
私にとって、彼女は、もはや「聖女」でも「ライバル」でもない。
ただ、目の前にいる、瀕死の「患者」であり、そして、何よりも。
(……聖樹の『ブライト』の情報を、その身に宿した、極めて希少な『サンプル』よ)
私の赤い瞳が、冷たい分析の光を宿して、静かに、細められた。
暖炉の火は燃えている。だが、それは部屋を暖めるためというよりは、この空間に満ちた「冷気」に、かろうじて抵抗するための、孤独な生命活動のように見えた。炎の揺らめきだけが、この部屋で唯一、動いているものだった。
私とギルバートは、打つ手のないまま、ただ、窓の外で静かに進行していく「死」を、なすすべもなく見守ることしかできなかった。
ハーブ園の枯死は、日に日に、その範囲を広げている。
私が王都から持ち帰り、このランクSの黒土で大切に育てていた薬草の苗も、ついに半分以上がダメになった。葉は、もはや黄色ですらない。まるで、生命力の色素そのものを抜き取られたかのように、灰白色(かいはくしょく)に変色し、指で触れると、カサリ、と音を立てて崩れ落ちていく。それは、水分が失われた「枯死」ではなく、存在そのものが「風化」していくような、おぞましい光景だった。
それは、私の努力と知識が、根源的な「世界の理(ブライト)」によって否定されていく様を見せつけられているようであり、自分の子供を失うかのような、鋭い痛みを伴った。
「……ダメだ」
ギルバートは、アトリエの隅で、王宮から持ち帰った古代文献の束を、それこそ穴が開くほど読み返していた。だが、何度同じページをめくっても、答えは見つからなかった。
「どの文献にも、『大厄災にて、すべてを無に帰した』としか記されていない。対処法など、どこにも……。まるで、この呪いについて書き残すこと自体が、禁忌(タブー)であったかのようだ」
彼の声には、いつもの知的な探求心はなく、ただ、深い無力感が滲んでいた。その青い瞳は、寝不足と焦燥で、赤く充血している。
私も、同じだった。
実験台の中央には、あの日からずっと、中和結界の中で鎮座する『ブライト』のサンプル。そして、ハンスさんの家から採取した、汚染された『井戸水』。
私は、このアトリエにある全ての試薬を試し尽くした。
酸にも、アルカリにも、反応しない。
高温で熱しても、低温で凍らせても、その物性(ぶっせい)に一切の変化はない。
ロイドさんに頼んだ『遠心分離機』の設計図は、あまりの事態に、王都へ発つことすらできなくなったロイドさんの手元で、今はただの紙切れと化しているだろう。
それは、まるで、私たちの「知識」そのものを、嘲笑っているかのようだった。
科学も、魔法も、この絶対的な「無」の前には、無力だった。
(……詰んでいる)
私が、その絶望的な結論を、受け入れようとした、まさにその時だった。
コン、と。
静寂を破り、アトリエの、あの重いオーク材の扉が、か細い音を立てた。
あまりにも、か細い音だった。
私とギルバートは、同時に、ハッと顔を上げた。
(今の音は……?)
マルクやハンスさんであれば、村の存亡をかけている今、遠慮なく扉を叩き壊す勢いで、援助を求めに来るはずだ。
ヴォルフラムのような、帝国の軍靴の音(地響き)でもない。
風で、枯れ枝でも当たったのか?
だが、このアトリエの周辺は、もはや、風に揺れる葉すら、残ってはいない。
「……誰か、いるのか」
ギルバートが、杖を構え、警戒しながら扉に近づいた。
私も、腰のナイフに手をかける。だが、彼の表情は、敵意を捉えたものではなかった。
「……ソフィア薬師。……気配が、する。だが……」
彼の魔術師としての鋭敏な感覚が、扉の向こうの「何か」に戸惑っていた。
「……極めて、微弱だ。敵意などとは程遠い。まるで、消えかけの、蝋燭(ろうそく)の炎のような……生命の気配だ」
ギルバートが、重いオーク材の扉に、そっと手をかける。
私も、固唾を飲んで、その隙間を見つめた。
ギギィ……。
湿った空気と、森の、あの独特の「死」の匂いが、アトリエの中に流れ込んでくる。
そして、その流れ込んできた空気と共に、何かが、音もなく、室内へと、倒れ込んできた。
「……!」
私とギルバートは、息を飲んだ。
そこに、一人の少女が、倒れていた。
いや、それは、もはや「少女」と呼ぶのもはばかられるほど、無残な「何か」だった。
泥と、埃と、そして、乾いた血の匂い。
粗末な、引き裂かれた灰色のワンピースは、もはや体を覆う布としての機能すら果たしておらず、旅の過酷さを物語っていた。
もはや、その原型を留めていないほどに傷ついた、裸足に近い足。足の裏は、石や茨で裂け、血と泥がこびりつき、凍傷を起こしかけているのか、紫色に変色していた。
そして、乱れた髪の間から覗く、あの、見覚えのある、亜麻色の髪。
それは、かつて、王都の光の中で、聖女として輝いていた、リリアその人だった。
「……リリア、様……?」
ギルバートが、信じられないものを見る目で、呟いた。
王都の、あの純白の「祈りの間」にいるはずの「元・聖女」。
彼女がなぜ、こんな、満身創痍の、物乞いよりもみすぼらしい姿で、このアトリエの前に。
(……逃げてきた? 王都から? 一人で?)
私の脳裏に、彼女が王宮(あの『祈りの間』)を抜け出し、王都の民には冷たくあしらわれ、野盗に追われ、雨に打たれながら、ただ、この森を目指して歩き続ける姿が、フラッシュバックした。
私を断罪した「ヒロイン」の、あまりにも、惨めな末路。
同情は、なかった。
だが、その行動力――あれほど他者に依存し、アルベルトの庇護がなければ何もできなかった少女が、一人でここまで来たという、その「事実」だけは、私の計算を、わずかに狂わせた。
「……助けて……ください……」
リリアの唇が、か細く動いた。
その目は、虚ろに宙を彷徨い、もはや、私たちの姿すら、まともに捉えられていない。
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「樹が……」
その言葉に、私とギルバートの背筋が、凍りついた。
「樹が、泣いています……」
その言葉を最後に、リリアは、完全に意識を失った。
私とギルバートは、ただ、呆然と、その場に立ち尽くしていた。
枯れゆく森。
手の施しようのない、古代の呪い。
そして、その呪いと、誰よりも深く「同調」していたはずの、元・聖女の、予期せぬ来訪。
(……樹が、泣いている?)
(彼女にも、聞こえている。あの、聖樹の『悲鳴』が)
(だから、来たというの? この、私がいる、このアトリエに? 助けを、求めて?)
それは、絶望的な状況の中で、神が、あるいは、この世界そのものが、私たちに与えた、あまりにも皮肉で、そして、あまりにもか細い、「最後の希望」の糸なのかもしれない。
私は、研究者としての冷静さを取り戻した。
(……感傷は、後よ)
私は、リリアの傍らに膝まずくと、彼女の、泥に汚れた首筋に、そっと指を当て、脈を測った。
(……脈拍、微弱。高熱、脱水症状。危険な状態だわ)
私にとって、彼女は、もはや「聖女」でも「ライバル」でもない。
ただ、目の前にいる、瀕死の「患者」であり、そして、何よりも。
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