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第4章:氷の辺境伯、倒れる
4-2:氷の男
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嵐の音だけが、世界を支配していた。
ルシルは、ベッドの下の暗闇で、呼吸さえも止めていた。
(扉のすぐ外にいる)
『忌避の香草』の匂いは、もはや嵐の匂いと、扉の向こうから漏れ聞こえる異様な「魔力の匂い」によって、完全に掻き消されている。
心臓の鼓動だけが、やけに大きく耳に響く。
ナイフを握る手が、汗で滑る。
(魔獣か、それとも、あの制御されていない魔力の持ち主か)
どちらにせよ、絶望的だった。
この粗末な扉は、彼女が粘土とツタで補強したとはいえ、本気で体当たりされれば数秒と持たないだろう。
(死ぬの?せっかく自由になれたのに、こんな形で)
王宮で処刑されるのとは違う。だが、この森で、未知の何かに殺される。
その結末は、あまりにも理不尽で、受け入れがたいものだった。
その時だった。
「う、ぐ」
扉の向こうから聞こえたのは、魔獣の咆哮ではなかった。
それは、間違いなく、人間の――それも、男性の、苦痛に満ちた呻き声だった。
(え?)
ルシルは、自分の耳を疑った。
人間? この、嘆きの森の、それも魔獣の頂点に立つような魔力の嵐の中心で?
あり得ない。
この森は、王国から追放された重罪人か、Sランク薬草を求める命知らずの採集者しか足を踏み入れない場所だ。
そして、こんな嵐の夜に、魔力の波動を撒き散らしながら歩いている人間など、いるはずがない。
(聞き間違いか。人を惑わす魔獣の罠か)
薬草学の知識の中には、人の声を真似て獲物をおびき寄せる魔獣の記録もあった。
ルシルは、身を固くしたまま、動かなかった。恐怖と理性、そして、助けを求める呻き声を聞き逃せないという薬草師の本能が、彼女の内で激しく綱引きをしていた。
ドサリ、と。
扉に、何かがもたれかかるような、重い音がした。
そして、先ほどの呻き声が、今度はもっとはっきりと、扉のすぐ向こうから聞こえた。
「はぁ、っく」
短い、断続的な呼吸。高熱に浮かされたかのような、荒い息遣い。
それは、どんなに精巧な罠だとしても、あまりにも真に迫った「苦痛」の音だった。
ルシルは、その一音一音から、彼の肉体が内側から焼かれているような、凄まじい熱を感じ取った。
(人間だわ。間違いなく、人が倒れかかっている)
ルシルの心の中で、恐怖と、薬草師としての本能が激しく葛藤した。
扉を開ければ、それが何であれ、自分は死ぬかもしれない。
だが、扉の向こうで、誰かが死にかけている。
(もし、本当に助けを必要としている人だったら。わたくしにしかできない治療があるかもしれない)
王宮での彼女の仕事は、国の都合が優先だった。だが、彼女の根底にあるのは、薬草の力で苦しむ人を救いたいという、純粋な探究心と医の心だ。
ルシルは、意を決した。
(どうせ、このまま隠れていても、この扉が破られたら終わりだ。それなら、状況を確認する)
彼女はベッドの下から這い出し、ナイフを構えたまま、震える手で、扉を塞いでいた重い閂(かんぬき)代わりの丸太を、ゆっくりと、音を立てないようにずらした。
ギ、と。
湿気を含んだ木が、小さく軋む。
ルシルは、ナイフを前に突き出し、扉をほんの数センチだけ開けた。
隙間から、凄まじい暴風雨と、濃密な魔力の圧力が、小屋の中になだれ込んできた。
そして、その隙間から見えた光景に、ルシルは言葉を失った。
扉に、寄りかかるようにして、一人の男が倒れていた。
(大きい)
それが、第一印象だった。
ルシルがこれまで王宮で見てきた、どの騎士よりも大柄で、屈強な体躯。
嵐に打たれ、びしょ濡れになった黒い外套は、およそ森を探索するような服装ではなく、明らかに高価な、貴族か軍人である風格が分かる。
だが、その男の様子は尋常ではなかった。
月明かりは嵐に遮られている。だが、男の周囲だけが、不可解な光景となっていた。
男の体からは、湯気が立つほどの高熱が発せられている。
それなのに、彼に降り注ぐ雨粒は、彼の肌や外套に触れた瞬間、パチパチと音を立てて凍りつき、細かい氷の結晶となって砕け散っていた。
高熱と、絶対零度。
相反する現象が、一人の人間の体で同時に起こっている。
その異常な現象は、ルシルの恐怖心をも凌駕し、純粋な科学的興味、研究者としての探究心を呼び起こした。
(何なの、これ。こんな症例、見たこともない。魔力が体温と、自身の魔術の属性を同時に暴走させている)
「っ」
男が顔を上げた。
雨に濡れた銀色の髪が、彼の額に張り付いている。その顔立ちは、苦痛に歪んでいなければ、氷の彫刻のように冷たく、そして美しかっただろう。
だが、その閉じられた瞳は固く苦悶に満ち、唇からは、熱い呼気と共に、白い霜が漏れ出している。
彼が漏らす魔力の波動は、ルシルが小屋の中で感じた、あの苦痛に満ちた魔力の奔流そのものだった。
(なんてこと。この人、自分の魔力に殺されかけている)
ルシルは、薬草師として、その異常事態を即座に理解した。
これは、呪いでも病気でもない。
体内で生成される魔力が、その人間の許容量を遥かに超え、制御を失い、内側から肉体を破壊しているのだ。
男は、ルシルの気配を察知したのか、うっすらと、その蒼い瞳を開いた。
その瞳には、焦点が合っていない。ただ、本能的な警戒心と、耐え難い苦痛だけが宿っていた。
ルシルは、ベッドの下の暗闇で、呼吸さえも止めていた。
(扉のすぐ外にいる)
『忌避の香草』の匂いは、もはや嵐の匂いと、扉の向こうから漏れ聞こえる異様な「魔力の匂い」によって、完全に掻き消されている。
心臓の鼓動だけが、やけに大きく耳に響く。
ナイフを握る手が、汗で滑る。
(魔獣か、それとも、あの制御されていない魔力の持ち主か)
どちらにせよ、絶望的だった。
この粗末な扉は、彼女が粘土とツタで補強したとはいえ、本気で体当たりされれば数秒と持たないだろう。
(死ぬの?せっかく自由になれたのに、こんな形で)
王宮で処刑されるのとは違う。だが、この森で、未知の何かに殺される。
その結末は、あまりにも理不尽で、受け入れがたいものだった。
その時だった。
「う、ぐ」
扉の向こうから聞こえたのは、魔獣の咆哮ではなかった。
それは、間違いなく、人間の――それも、男性の、苦痛に満ちた呻き声だった。
(え?)
ルシルは、自分の耳を疑った。
人間? この、嘆きの森の、それも魔獣の頂点に立つような魔力の嵐の中心で?
あり得ない。
この森は、王国から追放された重罪人か、Sランク薬草を求める命知らずの採集者しか足を踏み入れない場所だ。
そして、こんな嵐の夜に、魔力の波動を撒き散らしながら歩いている人間など、いるはずがない。
(聞き間違いか。人を惑わす魔獣の罠か)
薬草学の知識の中には、人の声を真似て獲物をおびき寄せる魔獣の記録もあった。
ルシルは、身を固くしたまま、動かなかった。恐怖と理性、そして、助けを求める呻き声を聞き逃せないという薬草師の本能が、彼女の内で激しく綱引きをしていた。
ドサリ、と。
扉に、何かがもたれかかるような、重い音がした。
そして、先ほどの呻き声が、今度はもっとはっきりと、扉のすぐ向こうから聞こえた。
「はぁ、っく」
短い、断続的な呼吸。高熱に浮かされたかのような、荒い息遣い。
それは、どんなに精巧な罠だとしても、あまりにも真に迫った「苦痛」の音だった。
ルシルは、その一音一音から、彼の肉体が内側から焼かれているような、凄まじい熱を感じ取った。
(人間だわ。間違いなく、人が倒れかかっている)
ルシルの心の中で、恐怖と、薬草師としての本能が激しく葛藤した。
扉を開ければ、それが何であれ、自分は死ぬかもしれない。
だが、扉の向こうで、誰かが死にかけている。
(もし、本当に助けを必要としている人だったら。わたくしにしかできない治療があるかもしれない)
王宮での彼女の仕事は、国の都合が優先だった。だが、彼女の根底にあるのは、薬草の力で苦しむ人を救いたいという、純粋な探究心と医の心だ。
ルシルは、意を決した。
(どうせ、このまま隠れていても、この扉が破られたら終わりだ。それなら、状況を確認する)
彼女はベッドの下から這い出し、ナイフを構えたまま、震える手で、扉を塞いでいた重い閂(かんぬき)代わりの丸太を、ゆっくりと、音を立てないようにずらした。
ギ、と。
湿気を含んだ木が、小さく軋む。
ルシルは、ナイフを前に突き出し、扉をほんの数センチだけ開けた。
隙間から、凄まじい暴風雨と、濃密な魔力の圧力が、小屋の中になだれ込んできた。
そして、その隙間から見えた光景に、ルシルは言葉を失った。
扉に、寄りかかるようにして、一人の男が倒れていた。
(大きい)
それが、第一印象だった。
ルシルがこれまで王宮で見てきた、どの騎士よりも大柄で、屈強な体躯。
嵐に打たれ、びしょ濡れになった黒い外套は、およそ森を探索するような服装ではなく、明らかに高価な、貴族か軍人である風格が分かる。
だが、その男の様子は尋常ではなかった。
月明かりは嵐に遮られている。だが、男の周囲だけが、不可解な光景となっていた。
男の体からは、湯気が立つほどの高熱が発せられている。
それなのに、彼に降り注ぐ雨粒は、彼の肌や外套に触れた瞬間、パチパチと音を立てて凍りつき、細かい氷の結晶となって砕け散っていた。
高熱と、絶対零度。
相反する現象が、一人の人間の体で同時に起こっている。
その異常な現象は、ルシルの恐怖心をも凌駕し、純粋な科学的興味、研究者としての探究心を呼び起こした。
(何なの、これ。こんな症例、見たこともない。魔力が体温と、自身の魔術の属性を同時に暴走させている)
「っ」
男が顔を上げた。
雨に濡れた銀色の髪が、彼の額に張り付いている。その顔立ちは、苦痛に歪んでいなければ、氷の彫刻のように冷たく、そして美しかっただろう。
だが、その閉じられた瞳は固く苦悶に満ち、唇からは、熱い呼気と共に、白い霜が漏れ出している。
彼が漏らす魔力の波動は、ルシルが小屋の中で感じた、あの苦痛に満ちた魔力の奔流そのものだった。
(なんてこと。この人、自分の魔力に殺されかけている)
ルシルは、薬草師として、その異常事態を即座に理解した。
これは、呪いでも病気でもない。
体内で生成される魔力が、その人間の許容量を遥かに超え、制御を失い、内側から肉体を破壊しているのだ。
男は、ルシルの気配を察知したのか、うっすらと、その蒼い瞳を開いた。
その瞳には、焦点が合っていない。ただ、本能的な警戒心と、耐え難い苦痛だけが宿っていた。
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