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1章
04話 試験
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受付の人に案内された先は、ギルドのすぐ近くにあったグラウンドだった。どうやらここで、魔法の実力を測るらしい。
「では早速試験を始めさせていただきます」
受付の人が手を叩くと地面がせりあがり、巨大な人型の影が現れる。
「な、何なんだあれは……」
「ゴーレムよ。あれだけの大きさの物を作り出せるのは凄いわね」
「お前……人褒めれるだな」
「最近あんたが私をどんな目で見てたか分かった気がするわ」
リザがジト目をする。
「第一印象って大事だよな」
「最高の出会いだったような気がするけど?」
「都合のいい記憶だなおい」
「あ、あの……準備の方はよろしいでしょうか?」
受付の人が申し訳なさそうにこちらの会話に入る。
すっかり試験のことを忘れていた。
「で、では説明を続けさせてもらいます。今回の試験はこのゴーレムの討伐になります。特に制限時間は設けておりませんが、こちらの判断で不合格と判断させてもらった時点で試験は終了とさせてもらいます」
「つまり、不合格の判断が下る前に、これを破壊すればいいわけね」
「そういうことです」
その説明を聞き終わったリザは口角を上げる。よほど自分の実力が試せる場というものが欲しかったのだろう。
自信の表れが見て取れる。
しかし、対峙しているのは3メートルはありそうな巨大なゴーレム。これを破壊するのは一筋縄ではいかないだろう。
「……では、始めさせてもらいます」
受付の人の言葉が終わると同時にゴーレムの巨躯が身体を揺らし、リザのもとへ向かってくる。しかし、リザはそこから一歩も動こうとしない。
まさかと思うが、びびって動けないのだろうか。そんな考えが頭をよぎる。
でもそれは杞憂だった。
「こんなもんかしら」
リザの小さな独り言。
それと同時にゴーレムが爆発する。
「えっ……」
絶句。
あれほどの巨躯が一瞬で姿かたちを消した。
何かのイリュージョンを見ているようで、頭が真っ白になる。
それは、隣に立っていた受付の人も同じだったらしい。この世界の住人が驚いている、しかも今までたくさんの試練の様子を見てきた人ですらこのような表情になってしまう。
もしかすると、あいつやばい奴なのでは?
出会って一週間、ようやく彼女の一端を目の当たりにしたのかもしれない。
「ね、どうだった?」
ニタニタとした笑みを浮かべ、こちらにそんな質問を投げかけるリザ。
「ど、どうだったって……あぁ……すげえよって思ったよ」
「いやぁ、こんなに上手くいくなんてね」
決して謙遜の言葉でないのだろう。その言葉の節々に喜びのようなものを感じる。
「お、お疲れさまでした。で、では受付の方で許可証の方を発行させていただきます」
受付の人もようやく現実に戻って来たらしい。
その様子を見て、リザが小さくガッツポーズをする。
受付で許可証を受け取り、ギルドを出る。
「じゃあ早速依頼主のところへ行きましょうか」
「……金ねえもんな」
「そうなのよねぇ。さっさと解決して今日はいい所泊まりましょう」
いつになく上機嫌な口調。
どんどんと進んでいく嬉しそうな背中を眺めながら、新たな目的地へと向かった。
「では早速試験を始めさせていただきます」
受付の人が手を叩くと地面がせりあがり、巨大な人型の影が現れる。
「な、何なんだあれは……」
「ゴーレムよ。あれだけの大きさの物を作り出せるのは凄いわね」
「お前……人褒めれるだな」
「最近あんたが私をどんな目で見てたか分かった気がするわ」
リザがジト目をする。
「第一印象って大事だよな」
「最高の出会いだったような気がするけど?」
「都合のいい記憶だなおい」
「あ、あの……準備の方はよろしいでしょうか?」
受付の人が申し訳なさそうにこちらの会話に入る。
すっかり試験のことを忘れていた。
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「つまり、不合格の判断が下る前に、これを破壊すればいいわけね」
「そういうことです」
その説明を聞き終わったリザは口角を上げる。よほど自分の実力が試せる場というものが欲しかったのだろう。
自信の表れが見て取れる。
しかし、対峙しているのは3メートルはありそうな巨大なゴーレム。これを破壊するのは一筋縄ではいかないだろう。
「……では、始めさせてもらいます」
受付の人の言葉が終わると同時にゴーレムの巨躯が身体を揺らし、リザのもとへ向かってくる。しかし、リザはそこから一歩も動こうとしない。
まさかと思うが、びびって動けないのだろうか。そんな考えが頭をよぎる。
でもそれは杞憂だった。
「こんなもんかしら」
リザの小さな独り言。
それと同時にゴーレムが爆発する。
「えっ……」
絶句。
あれほどの巨躯が一瞬で姿かたちを消した。
何かのイリュージョンを見ているようで、頭が真っ白になる。
それは、隣に立っていた受付の人も同じだったらしい。この世界の住人が驚いている、しかも今までたくさんの試練の様子を見てきた人ですらこのような表情になってしまう。
もしかすると、あいつやばい奴なのでは?
出会って一週間、ようやく彼女の一端を目の当たりにしたのかもしれない。
「ね、どうだった?」
ニタニタとした笑みを浮かべ、こちらにそんな質問を投げかけるリザ。
「ど、どうだったって……あぁ……すげえよって思ったよ」
「いやぁ、こんなに上手くいくなんてね」
決して謙遜の言葉でないのだろう。その言葉の節々に喜びのようなものを感じる。
「お、お疲れさまでした。で、では受付の方で許可証の方を発行させていただきます」
受付の人もようやく現実に戻って来たらしい。
その様子を見て、リザが小さくガッツポーズをする。
受付で許可証を受け取り、ギルドを出る。
「じゃあ早速依頼主のところへ行きましょうか」
「……金ねえもんな」
「そうなのよねぇ。さっさと解決して今日はいい所泊まりましょう」
いつになく上機嫌な口調。
どんどんと進んでいく嬉しそうな背中を眺めながら、新たな目的地へと向かった。
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