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2章
19話 スタドロン
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「こ、ここがスタドロン……」
ノノは感極まった声を上げる。キラキラとした目で辺りを見回す姿は、玩具屋で誕生日プレゼントを選んでいる子どもを想起させる。
「すげえ喜びようだな……」
「あっ、すみません。ただ、ほんとにここに来たんだなと思うとつい」
スタドロン。
昔から港町として栄えており、様々な種族の文化が融合している街らしい。それを顕著に表してるのが、カラフルな街並み、そして、様々な建築技法で建てられている建造物群だろう。
最も、それはあくまでこの街の外堀的な説明であって、ノノが喜ぶ理由はまた違う点らしい。
「はしゃいでるところ申し訳ないのだけど、目的地に向かうわよ」
「あ、はい。す、すみません」
「別に謝る必要は無いわ。さっさと用事を済ませて、観光でもしましょう」
「は、はい」
ノノが尊敬の眼差しをリザに向ける。
リザがノノに対して甘いと感じるのは気のせいだろうか?
「で、どこに向かうんだ?」
「知り合いの家よ。と言っても行った事ないから何処にあるのか分からないのだけど」
「そ、それは大丈夫なのか?」
「一応この街では有名人らしいから、大丈夫だとは思うわ」
「有名人?」
「えぇ。一応この街にある学院で教授をしてるらしいから。いざとなれば学院に行けば所在は教えてくれると思うわ」
「てかそれなら学院探した方が早いな」
「そうね。じゃあ早速……」
「その必要は無いよ」
リザの言葉を切ったのは、柔和な男性の声。
声のした方を振り返ると、そこには長身で端正な顔立ちをした青年が立っていた。肩にかかるほどの金髪と特徴的な長い耳、エルフだろうか。
「いるんだったらさっさと声をかけて欲しかったのだけど? というかどうして私たちの居場所が分かったの?」
「そ、そんな睨みつけなくてもいいだろ? 久しぶりの再会だと言うのに……。君の魔力は覚えているからね、それを辿っただけさ」
「あまり説明になってないのだけど……、まぁいいわ」
リザが珍しく弱気だ。
やはり、苦手な相手らしい。
「そんなことはどうだっていいだろ。いやぁ、それにしても本当に久しぶりだね、リザ君。随分と立派に成長して」
「あんたは全く姿かたちが変わってないわね、スカルド」
「若々しいだろ?」
「人間にとっては不気味の領域よ」
「そんなひどいことは言わないでくれよ。まぁこんな場所で立ち話をするのもあれだし、場所を変えようか」
スカルドが指を鳴らすと、俺たちの足元に魔法陣が浮かぶ。
そして、気づくと建物の中にいた。
しかもデルイの屋敷と比べても劣らないほどの豪邸。
「こ、ここは……」
「僕の家だよ」
「彼、この街では有名な貴族なのよ」
「面目上だけだよ。こんな立派な建物だけど、お手伝いさんなんて誰一人雇えないしね」
スカルドが自虐的に笑う。
「学院教授ともなると給料面はだいぶいいんじゃないの?」
「そ、そうですよ。しかもスタドロンの学院って……あの三大学院の一つ、『カグマ』ですよね!」
ノノが興奮した口ぶりで話す。
「そりゃ、並以上はあるけど、出費の方がねぇ」
スカルドがとある方向を見つめる。そこには大量の本が山積みにされていた。
「相変らず本の虫ね」
「教授が学生に知識で劣るわけにはいかないだろ? 日々勉強だよ。おっと、君たちの為にお菓子を取り寄せていたことを忘れていたよ。長旅で疲れただろうし、ほら、ゆっくりしながら話に花を咲かせようじゃないか」
「別に私は……」
「何だい、久しぶりの再会だと言うのにノリが悪いなぁ。昔はもっと……」
「わーわーわー」
リザが大声でスカルドの言葉を遮る。
どんだけ昔のことに触れられるのが嫌なんだ、あいつ。
「ともかくお菓子を腐らせるわけにはいかないしとりあえず食べるだけ食べてくれたらいいさ。それよりあれは持ってきてくれたのかい?」
「ちゃんと持ってきてるわよ」
リザは荷物から一冊のを取り出す。確か、リザが師匠が書いた魔導書と言っていたものだ。
「いやぁ、彼は本当に書いてしまったんだねぇ。手紙で知った時はまだ現実感が無かったけど……おっと、湿っぽくなってしまったね。とりあえず、食堂に向かおう」
ノノは感極まった声を上げる。キラキラとした目で辺りを見回す姿は、玩具屋で誕生日プレゼントを選んでいる子どもを想起させる。
「すげえ喜びようだな……」
「あっ、すみません。ただ、ほんとにここに来たんだなと思うとつい」
スタドロン。
昔から港町として栄えており、様々な種族の文化が融合している街らしい。それを顕著に表してるのが、カラフルな街並み、そして、様々な建築技法で建てられている建造物群だろう。
最も、それはあくまでこの街の外堀的な説明であって、ノノが喜ぶ理由はまた違う点らしい。
「はしゃいでるところ申し訳ないのだけど、目的地に向かうわよ」
「あ、はい。す、すみません」
「別に謝る必要は無いわ。さっさと用事を済ませて、観光でもしましょう」
「は、はい」
ノノが尊敬の眼差しをリザに向ける。
リザがノノに対して甘いと感じるのは気のせいだろうか?
「で、どこに向かうんだ?」
「知り合いの家よ。と言っても行った事ないから何処にあるのか分からないのだけど」
「そ、それは大丈夫なのか?」
「一応この街では有名人らしいから、大丈夫だとは思うわ」
「有名人?」
「えぇ。一応この街にある学院で教授をしてるらしいから。いざとなれば学院に行けば所在は教えてくれると思うわ」
「てかそれなら学院探した方が早いな」
「そうね。じゃあ早速……」
「その必要は無いよ」
リザの言葉を切ったのは、柔和な男性の声。
声のした方を振り返ると、そこには長身で端正な顔立ちをした青年が立っていた。肩にかかるほどの金髪と特徴的な長い耳、エルフだろうか。
「いるんだったらさっさと声をかけて欲しかったのだけど? というかどうして私たちの居場所が分かったの?」
「そ、そんな睨みつけなくてもいいだろ? 久しぶりの再会だと言うのに……。君の魔力は覚えているからね、それを辿っただけさ」
「あまり説明になってないのだけど……、まぁいいわ」
リザが珍しく弱気だ。
やはり、苦手な相手らしい。
「そんなことはどうだっていいだろ。いやぁ、それにしても本当に久しぶりだね、リザ君。随分と立派に成長して」
「あんたは全く姿かたちが変わってないわね、スカルド」
「若々しいだろ?」
「人間にとっては不気味の領域よ」
「そんなひどいことは言わないでくれよ。まぁこんな場所で立ち話をするのもあれだし、場所を変えようか」
スカルドが指を鳴らすと、俺たちの足元に魔法陣が浮かぶ。
そして、気づくと建物の中にいた。
しかもデルイの屋敷と比べても劣らないほどの豪邸。
「こ、ここは……」
「僕の家だよ」
「彼、この街では有名な貴族なのよ」
「面目上だけだよ。こんな立派な建物だけど、お手伝いさんなんて誰一人雇えないしね」
スカルドが自虐的に笑う。
「学院教授ともなると給料面はだいぶいいんじゃないの?」
「そ、そうですよ。しかもスタドロンの学院って……あの三大学院の一つ、『カグマ』ですよね!」
ノノが興奮した口ぶりで話す。
「そりゃ、並以上はあるけど、出費の方がねぇ」
スカルドがとある方向を見つめる。そこには大量の本が山積みにされていた。
「相変らず本の虫ね」
「教授が学生に知識で劣るわけにはいかないだろ? 日々勉強だよ。おっと、君たちの為にお菓子を取り寄せていたことを忘れていたよ。長旅で疲れただろうし、ほら、ゆっくりしながら話に花を咲かせようじゃないか」
「別に私は……」
「何だい、久しぶりの再会だと言うのにノリが悪いなぁ。昔はもっと……」
「わーわーわー」
リザが大声でスカルドの言葉を遮る。
どんだけ昔のことに触れられるのが嫌なんだ、あいつ。
「ともかくお菓子を腐らせるわけにはいかないしとりあえず食べるだけ食べてくれたらいいさ。それよりあれは持ってきてくれたのかい?」
「ちゃんと持ってきてるわよ」
リザは荷物から一冊のを取り出す。確か、リザが師匠が書いた魔導書と言っていたものだ。
「いやぁ、彼は本当に書いてしまったんだねぇ。手紙で知った時はまだ現実感が無かったけど……おっと、湿っぽくなってしまったね。とりあえず、食堂に向かおう」
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