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2章
23話 学院
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図書館に隣接する学院に向かう。
学院も図書館と同じように石造りだ。アーチ状の門をくぐると、広いグラウンドが見える。どうやらこのグラウンドを囲うように学院が建設されているらしい。
「こ、ここが『カグマ』……」
ノノが感嘆の声を上げる。
「折角だし学院の中、そうだな、僕の研究室でよければすぐに案内できると思うけど」
「ほ、本当ですか!」
「そんなに喜んでくれるとこっちも嬉しくなるね。じゃあ早速……」
体をくるりと回したスカルドが言葉を止める。
「どうしたの?」
「いや、あそこにいるのは……僕の生徒だね」
そう言うとスカルドはグラウンドで何かいている数人の集団に手を振りながら近づく。集団からの反応を見る限り、スカルドの知り合いに違いないのだろう。案内人がいなくなり少し困っていると、スカルドが俺たちに手を振る。
「こっちに来いって事なのかしら」
「多分そうじゃないか?」
「じゃあ行きましょうか」
スカルド達の許へ行く。
「いやいや、何でも彼女たちが少し面白そうなことをしていたからどうかな、と」
「面白そうなこと?」
「そんな露骨に面倒くさそうな顔をしないでくれよ、リザ君」
「別にそういうわけではないのけど……。で、何をしてたの?」
「これだよ、これ」
スカルドはそう言って一枚の紙をリザに渡す。そこには5行ほどの数式のようなものが書かれていた。おそらく術式か何かだろう。
「……空魔法?」
「おお、流石リザ君だね、その通りだよ」
「この程度のことでそんな褒めないで欲しいわ……」
「からまほう?」
「魔力操作の際に使用する魔法のことです。術式の抵抗と同じだけの魔力を込め、魔法がギリギリ発動しないよう調整するんです」
「完璧な説明ね、ノノ。ようは魔力を無駄なく使うため、暴走させないための特訓みたいなものよ」
「なるほど」
「私も師匠に散々やらされたわ。流石にこんな長い術式でしたことはないけど。さすが三大学院の一つに通ってるだけはあるはねぇ」
「せっかくだしやってみたらどうだい?」
「私が? まぁ久しぶりにやってみようかしら」
リザが紙を地面に置く。
「こっちはいつでも準備できてるよ」
そう言ったスカルドの手にはなにやらキッチンタイマーのようなものが握られていた。説明を聞くに、どうやらこれでどの程度魔力が漏れているかをチェックできるらしい。
「じゃあ行くわよ」
リザの足元に魔法陣が浮かぶ。が、何も起こらない。そのままリザの足元にあった魔法陣が静かに消える。
「どうだったかしら? 結構自信があるのだけど」
リザがスカルドに尋ねる。しかし、一番最初に声を出したのは、スカルドの近くにいる学生の一人だった。
「ぜ……ぜろ……?」
「0? よかった、腕はなまってないみたいね」
リザが軽く肩を回す。
「0ってすごいのか? いやまぁ、ぴったりの時点で凄いのは凄いんだろうけど」
「この長さの術式で0を叩き出せたら、たとえ三大学院であったとしてもかなり上位層の魔法使いには違いないよ。特待生に選ばれてもおかしくはないよ」
「す、すげえじゃねえか、お前……」
「ふふん、そうでしょ。ノノもやってみたら?」
「私もですか。や、やってみます」
ノノの足元に魔法陣が浮かび、周りにいくつかの炎が浮かび上がる。
「7.84だね。この学院の平均が大体5.25で魔法使い全体の平均が15.24って言われているからかなり良い数値だと思うよ。リザ君に教えてもらえればもっと低い数値を目指すことができると思うから、弟子の立場を利用して色々教わるといいよ
「は、はい」
なんだかんだノノも優秀な方なのだ。
魔法が使えないことに若干の劣等感を抱いてしまう。リザ曰く、体内に魔力が無いとのことなので仕方がないことなのだが。
リザの方を見ると学生たちに囲まれていた。
四方八方からくる質問にわちゃわちゃとなりながらも答えるリザの姿がどこか新鮮だった。
「さて、そろそろ僕の研究室に……?」
スカルドの言葉が途切れる。そしてその直後に地面が揺れる。
「な、なんだ。……地震?」
「結構揺れが激しいわね……ここの建物は大丈夫なの?」
「一応魔法でコーティングしてるからね。ちょっとやそっとの地震で崩れたりは……」
スカルドの声を遮る大きな音。
音のした方向を見ると、学院の一部が崩れていた。
巻き上がる砂煙、その中に巨大な影が見える。
突如、全身がひりつく程の慟哭が学院中に響き渡る。
「な、なんだよあれ……」
砂煙の中から現れたそれは、千切れた鎖を体に纏った一匹の龍だった。
学院も図書館と同じように石造りだ。アーチ状の門をくぐると、広いグラウンドが見える。どうやらこのグラウンドを囲うように学院が建設されているらしい。
「こ、ここが『カグマ』……」
ノノが感嘆の声を上げる。
「折角だし学院の中、そうだな、僕の研究室でよければすぐに案内できると思うけど」
「ほ、本当ですか!」
「そんなに喜んでくれるとこっちも嬉しくなるね。じゃあ早速……」
体をくるりと回したスカルドが言葉を止める。
「どうしたの?」
「いや、あそこにいるのは……僕の生徒だね」
そう言うとスカルドはグラウンドで何かいている数人の集団に手を振りながら近づく。集団からの反応を見る限り、スカルドの知り合いに違いないのだろう。案内人がいなくなり少し困っていると、スカルドが俺たちに手を振る。
「こっちに来いって事なのかしら」
「多分そうじゃないか?」
「じゃあ行きましょうか」
スカルド達の許へ行く。
「いやいや、何でも彼女たちが少し面白そうなことをしていたからどうかな、と」
「面白そうなこと?」
「そんな露骨に面倒くさそうな顔をしないでくれよ、リザ君」
「別にそういうわけではないのけど……。で、何をしてたの?」
「これだよ、これ」
スカルドはそう言って一枚の紙をリザに渡す。そこには5行ほどの数式のようなものが書かれていた。おそらく術式か何かだろう。
「……空魔法?」
「おお、流石リザ君だね、その通りだよ」
「この程度のことでそんな褒めないで欲しいわ……」
「からまほう?」
「魔力操作の際に使用する魔法のことです。術式の抵抗と同じだけの魔力を込め、魔法がギリギリ発動しないよう調整するんです」
「完璧な説明ね、ノノ。ようは魔力を無駄なく使うため、暴走させないための特訓みたいなものよ」
「なるほど」
「私も師匠に散々やらされたわ。流石にこんな長い術式でしたことはないけど。さすが三大学院の一つに通ってるだけはあるはねぇ」
「せっかくだしやってみたらどうだい?」
「私が? まぁ久しぶりにやってみようかしら」
リザが紙を地面に置く。
「こっちはいつでも準備できてるよ」
そう言ったスカルドの手にはなにやらキッチンタイマーのようなものが握られていた。説明を聞くに、どうやらこれでどの程度魔力が漏れているかをチェックできるらしい。
「じゃあ行くわよ」
リザの足元に魔法陣が浮かぶ。が、何も起こらない。そのままリザの足元にあった魔法陣が静かに消える。
「どうだったかしら? 結構自信があるのだけど」
リザがスカルドに尋ねる。しかし、一番最初に声を出したのは、スカルドの近くにいる学生の一人だった。
「ぜ……ぜろ……?」
「0? よかった、腕はなまってないみたいね」
リザが軽く肩を回す。
「0ってすごいのか? いやまぁ、ぴったりの時点で凄いのは凄いんだろうけど」
「この長さの術式で0を叩き出せたら、たとえ三大学院であったとしてもかなり上位層の魔法使いには違いないよ。特待生に選ばれてもおかしくはないよ」
「す、すげえじゃねえか、お前……」
「ふふん、そうでしょ。ノノもやってみたら?」
「私もですか。や、やってみます」
ノノの足元に魔法陣が浮かび、周りにいくつかの炎が浮かび上がる。
「7.84だね。この学院の平均が大体5.25で魔法使い全体の平均が15.24って言われているからかなり良い数値だと思うよ。リザ君に教えてもらえればもっと低い数値を目指すことができると思うから、弟子の立場を利用して色々教わるといいよ
「は、はい」
なんだかんだノノも優秀な方なのだ。
魔法が使えないことに若干の劣等感を抱いてしまう。リザ曰く、体内に魔力が無いとのことなので仕方がないことなのだが。
リザの方を見ると学生たちに囲まれていた。
四方八方からくる質問にわちゃわちゃとなりながらも答えるリザの姿がどこか新鮮だった。
「さて、そろそろ僕の研究室に……?」
スカルドの言葉が途切れる。そしてその直後に地面が揺れる。
「な、なんだ。……地震?」
「結構揺れが激しいわね……ここの建物は大丈夫なの?」
「一応魔法でコーティングしてるからね。ちょっとやそっとの地震で崩れたりは……」
スカルドの声を遮る大きな音。
音のした方向を見ると、学院の一部が崩れていた。
巻き上がる砂煙、その中に巨大な影が見える。
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