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凹んだ鎧、俺も凹んだ
しおりを挟むなぜか四人の視線が痛い?
疑問に思いながら近づいてみる。
「…もしかして、今スライムと会話してました?」
「え?今の会話聞こえてませんでした?
瓶の中だから声が小さかったのかな?」
四人は顔を突き合わせてボソボソ言い合ってる。
え?なんか空気が変?
「…魔族と言葉は通じないのが普通なんですけど」
「え?
でもシルジットさん、魔族の事純血種の人に聞いたんですよね?」
シルジットさんによれば、純血種は知能が高く、人の言葉も魔族の言葉も理解出来るけど、一般の魔族との言葉での会話は出来ないらしい。
『んー、やっぱ人族は言葉通じないか。
でもコイツだけ分かるって事はコイツ人族に見えるけど純血種?』
あ、なんか瓶の中からも失礼な事言われてる。
そう言えばあの駄女神が、言語理解するとか言ってた様な?
まあ、普通は会話が出来なくても問題ないけど、魔王になろうとしてる奴が、会話による意思の疎通が出来なかったら困るもんね。
よし、あまり気にしないでおこう。
四人にもどうにかこうにか納得してもらう。
旅立数時間で精神的ダメージ凄いんですが…
*****
気を取り直してカクムンドさんに視線を向ける。
……鎧のお腹の部分、スライムアタックされた所がかなり変形してるんだけど…。
「鉄の鎧がこんなに変形するって、どんだけ強いの。
スライムでこれなら、この先出会う奴に勝てる気しないんだけど」
四人はキョトンと首を傾げる。
「この鎧は鉄製ではなくアルミニウム製なんですけど」
「はー?!」
いやいや、アルミで鎧なんて意味無いじゃん!
しかも触ってみたら凄く薄くて、人差し指でぎゅっと押したら凹んだよ。
「え?
何これ?
着る意味有るの?
何でこんなの着てるの?
僕のは普通の鉄製だよね?」
俺が着てるのは鉄製の鎧だ。
身体に合った防具作る暇無かったので、ちょっとブカブカなんだけど。
カクムンドさんのは、見た目は如何にも騎士が着るフルアーマー。
なのにアルミ製って、身体守る気あるの?
「鉄製ですと、重くて身動きが取れなくらるので、皆アルミ製の武器と防具です」
「え?武器も?」
「この世界では鉄製品は、ほんの一部の特殊な物にしか使われていません。
重くて使えませんからね。
鉄製の武器や防具は宝物庫に有った物だけですね」
え?あそこって武器庫じゃなくて、宝物庫なの?
いやいやいやいや、それより重くてとか何言ってんの?
鍛えようよ、鎧くらい着れるようになろうよ。
騎士なんでしょ?
重いなんて言ってるんじゃないよ。
あ、人族は鍛えても強くならないのか?
ああああ……アレもコレも全てあの……
もう考えるのも嫌になってくる。
よし、切り替えよう。
「いやー、しかしスライム如きでこれなら、これから先勝ち続けるの難しい気がしてきますよ」
話を逸らしてみる。
いや、そっちも気になるからね。
「スライムは純血種に次ぐ最強種族ですから」
『おい、兄ちゃん、スライム如きとは聞き捨てならないな』
シルジットさんとスライムの声がダブる。
「スライムは素早いですし、核を確実に粉砕しないと消滅しないと言われています」
『兄ちゃんみたいにこの身体を削る武器持ってるならいざ知らず、そこいらの奴にや負けないぜ』
「アルミの剣では切れないですし、多少の攻撃では核まで届きません。
純血種を除いて一番強いと言われています」
『純血種とやらに進化しないと強くなれないようなザコ供と一緒にしてもらっては困るぜ』
左右からシルジットさんとスライムに説明?された。
そうか、スライム強いのか。
どこからとなく
《だってスライムってプニプニしてて可愛いじゃあないですか。それで最強って良くないですか?》
と聞こえてくるような気がする。
何だろ、本当に脱力だよ。
本当に本当に帰りたい…
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