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Win-Winな関係ってやつですね
しおりを挟む「スキヤキさん、鉄製品は武器と防具しか作らないんですか?」
「ん?武器と防具の他に何が有るって言うんだ?」
首を傾げる美少年。
「俺の居た世界では、鉄製品は色んな物が有りますよ。
例えば調理器具とか農具とか、階段とか…えっと今思い出せないけど他にも色々作って貰えると助かるなあ、と」
「ちょうりきぐ?とのうぐ?
どう言った物で何に使うのか、詳しく聞かせてくれる?」
スキヤキさんも興味持ってくれたみたい。
自分のわかる範囲で説明した。
鍋とかオタマとか、鍬とか、鎌とか。
「それ以外でも、魔族の町をつくったら、人族と交易もするつもりだから、人族からの依頼で今まで、使った事の無いものとかも作れるかと」
「それは惹かれるね」
「金物は多種多様だし、魔族の町に住むのを考えてもらえないかな」
鉄製品は色々必要になるよね。
「魔族の町が出来たら、皆んなの住処を造らないといけなくなるから、家もドンドン造ってもらう事になるから、オニギリさん達も一緒にどう?」
「そりゃいいな!」
よしよし、三人共乗り気だね。
「魔族の町を造るのに手を貸していただけますか?」
乗り気そうに見えるから、ここは言葉で確約をもらうべきだよね。
「良いだろう」
「面白そうだから手伝うよ」
「思う存分家を造れるってワケだな」
よっしゃーーー!
三人ゲット!
「ありがとうございます!
それじゃあまだ他に回って、町を造る場所とかの目処が付いたらお知らせしますので、その時はよろしくお願いします」
スキヤキさんにペコリと頭を下げる。
「オニギリさん達は出来れば同行していただきたいんですけど…。
出会った純血種さんが家を欲しがる事もあるでしょうし、野宿の時囲い?を造ってもらえると安心して眠れるし、建築ではないけど、土木作業などをお願いする事も有ると思うので」
「土木作業とは?」
オニギリさんに聞かれたけど、この世界では無いのかな?
「例えば川を渡る為に橋を作ったりとか?
今すぐは橋しか思い浮かばないけど、一緒に来てもらえると助かります」
「まあ、俺達は頼りになるだろうな」
「純血種は伊達じゃ無いワケよ」
でも、ちょっと引っかかる事が……。
「あー…でも何だか、俺が利用しているような感じ?
二人とも嫌なら同行は断っても構いませんよ。
出来れば魔族の町が出来たら手助けして欲しいけど、旅にまで付いてきてってのは、勝手な話ですよね」
正直な心のうちを告げると、二人は最初キョトンとして、笑い出した。
「こまけー事気にする奴だなぁ。
利用もなんも、物作りをしたい俺たち、作って欲しいあんた、関係は五分五分だろ?
それに今まで作った事無いものも作れそうだし」
「そうそう、俺たちが知らないようなものも作れるかもしれないんだろ?
なら町ができるまで待つより、一緒に行く方が作るものが増えて楽しいってやつだよな」
違いねー、と頷きあう二人。
体も大きいけど、心も大きい二人なんだな。
ありがたいことだ。
これで旅の間も夜安眠できるだろうし、川とか渡るのも楽勝。
凄く助かるなぁ、など考えていたら、脛をツンツンされた。
『えー、アルジ、アンズが居れば問題無いだろ?』
「アンズは俺の護衛をお願いします」
『あはは、任せて!』
ぴょんぴょん跳ねるアンズは可愛い。
本音は護衛より癒しとして居て欲しいんだけどね。
そうして話がまとまった。
「何だか私達要らない様ですね」
あ、三人との話に集中してて、少し離れた場所で待機して居たシルジット達を忘れてた。
本人達には言わないけどね。
応援ありがとうございます!
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