【完結】異世界に召喚されて勇者だと思ったのに【改訂版】

七地潮

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「一緒に行きましょう!
魔法は使わなくて良いです!
手伝いなんてしなくて良いです!」

食堂に駆け込み、そこに居たエルフの五人に訴える。

「私達はこのまま滅び行くだけの種族なんだから、これからの未来を生きるあんた達と一緒にいない方がいいんだよ」

いつか見たばあちゃんと同じ笑顔で答える。

「みんないつかは死ぬんです!
生きて居たらいずれ皆死んじゃうんです……
でもまだ生きてます、生きてる間は先を見ても、楽しく過ごしても良いでしょ?
引きこもって待つだけなんて、俺は嫌だ!俺は納得できない!」

「………………」

「俺はまだ子供です、考えが甘いかも知れません。
最後まで楽しく……その先も笑ってられるように一緒に居ましょう。
森の中でひっそりと滅んでいくなんて寂しい事言わないでください!」

「………………………………」

「町ができたら迎えに来ます。
俺のわがままでも良いです、強引にでも連れて行きます!」

「……はは…何を言ってんだろうねえ、この子は」
さっきと違う笑顔で笑った?

「すみません、言ってる事メチャクチャかも知れません。
上手い言葉が出て来ません」

エルフの女性四人と残っていた男性が顔を見合わせる。

「どうするね、こんな事言ってるけど」
「そうだね、皆最後は死ぬんだからね、楽しいままとか楽しいだろうね」
「死んだ後も笑ってられるのか知りたいね」
「いいんじゃないかい、迷惑かける分手伝えば」
「いや、魔法は使わなくて良いです。
一緒に居てくれるだけで…知恵を借りる事は有るかも知れませんが、魔法は使わないでください」

寿命が短くなるってわかってて魔法使わせるわけないでしょ。

「そんな大した魔法は使わないよ。
作物促す位なら殆ど影響無いんだし」
「そうさね、寿命の残りは二百年くらいだし、一月二月(ひとつきふたつき)短くなるくらい問題ないだろ」

…………は?

「二百……って長!!
俺の方が先に死んじゃいますよ!」

素で突っ込んじゃうよ。
今にも死にそうな雰囲気漂わせてたのに二百年って…。

「この世界の人族の寿命ってどれくらいなんですか?」
追いかけて来たシルジットに聞いてみる。
「そうですね…平均で六、七十ですかね。
長生きしても百歳迄生きたと言う話は聞いた事無いですね」
地球より少し短いくらい?

それを聞いたエルフが逆に驚いてる。
「短……人族はそんなに短命なのかい?
そんな短いと何も成せないじゃ無いかい」
「そんなに生き急いでどうするんだい」
どうすると言われても…だよね。

昔の日本人なんで人生五十年とかだったんだし、そんなに短くても大きな事成し遂げた人は沢山居るんだし。

「そうかい、そんな短い生で何かを成し遂げようとしているのかい……。
なら余生だけでもこの子らの何倍も有る私達が力を貸してやんないと、他の種族に笑われるね」
「そうさね、こんなとっとと死んじゃうような子達が頑張るって言うんだから、私達も出来ることは手伝ってやろうよ」

そうだそうだ、と頷きあうエルフの女性達。
その顔は先程までの諦めに満ちた顔でなく、まだこれから沢山の事に挑戦していこうと、まだまだ自分達にもやれる事は有るんだと、希望に満ちた笑顔だ。

そんな女性達を静かに見守る男性エルフも安堵の表情を浮かべている。

この先の生にも夢を持ってくれて本当に良かった。

……良かったんだけど、そんなに早く死ぬ死ぬ言わないで欲しいな…………


*****


「それじゃあ町ができたら迎えに来ますから、待ってて下さいね」

エルフの七人から諦めの表情は消えた。
お付き?召使い?なコボルト達もニコニコだ。
犬顔なのに、表情がよくわかる。

「ああ、待ってるから無理はするんじゃ無いよ」
「あっと言う間に死んじまうんだから、無茶はせず程々に頑張りな」
「生きてまた会おうね」
「死ぬんじゃ無いよ」

………なんだろう、この遣る瀬無さ……。

まあ元気になったんだから良いか、と思うしか無いよね。

「じゃあ行ってきます!」

今日会ったばかりだし、俺の家でも無いんだけど、何となくこの言葉が口から出た。

「「「行ってらっしゃい」」」





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