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プロジェクトBNN
しおりを挟む「あーら、この子がさっき言ってた別の世界から来た子?
いやだぁ~可愛いじゃない」
「でしょでしょ?アタシの言う通りでしょ?」
「いやだ、ホント言う通りね」
「主様にでさえ付けてもらえなかった名前まで付けてくれたのよ!」
「え~、いやだ、羨ましい」
「あなたも仲間になって名前付けてもらったら」
「いやだ~、そうしようかしら。
因みに何で付けてもらったの?」
「ふふふん、カマメシよ」
「いやだぁ~か~わ~い~い!
あたしも、あたしも~」
…はい、一同総勢唖然としている中、オネエに連れて来られたオネエが、オネエとマシンガントークで盛り上がっています……。
この世界の標準装備のイケてるフェイスの無駄遣い、クネクネしながらいやだいやだ言ってます。
嫌なら帰れ。
……あ、いかんいかんです。
一瞬荒んでしまいました。
「ホラ、ダーリン、ご要望の火魔法が使える天狗の純血種よ」
「や~だ~、初めまして。
去年生まれたばかりのピチピチ天狗ちゃんよ、よろしく~」
……いや、宜しくしたくありません。
でもとっとと話進めないと俺の計画が……。
「初めまして、コウイチ・ササキノです。
コーと呼んでください。
火魔法が使えるとの事なので、お願いが有りまして来ていただきました」
「やだぁ~、あたし火魔法だけじゃなくて空も飛べる飛行魔法も使えるのよ~」
空飛ぶくらい私にも出来ますが、とガーリックが小声で突っ込んでいる。
「それでですね、こちらに来ていただけますか?」
目的地の湖のほとりに向かおうとしたら、襟首掴まれた……
「火魔法何に使うか知らないけど、先ずは名前を付けてくれなきゃいや~ん」
……名前?天狗だろ?天カスで良くね?
…………荒んじゃダメだ…荒んじゃダメだ…荒んじゃダメだ………………
「まぁアタシ程可愛い名前なんてそうそう無いでしょうけど」
「え~、やだぁ~、あたしも可愛い名前がい~い」
「…………………………」
『アルジ、相手にしない方が良いんじゃない?』
そうしたいけど、ここまで来たらBNNを……
「ね~、まだかしらん」
「……ぴ……ぴー……いや、ズバリはダメだって………………ピータンで勘弁して下さい」
二人まとめてあの名前にしてしまいたいけど、グッと堪えるよ。
「いやぁだぁ~、ピータンですって!
か~わ~い~い!やだぁ~~!」
「可愛いじゃないの。
まぁアタシのカマメシには負けるけどね」
「ちょっとやだ、何言ってんの?」
「あら何か文句が」
「それでですね!!!」
話をぶった切って強引に割り込む。
簡単な説明をして、湖のほとりへ移動し、そこに置いてある数個の石に火魔法をかけアッツアツにしてもらう。
そして1メートル四方程の穴の中に溜めている水の中に加熱した石をドボン。
目論見通り水は湯気を上げて温まる。
そう、俺の計画【ビバノンノ(BNN)良い湯だななお風呂計画】
ガーリックとオニギリに頼んで、賑やかなお二人さんは隔離してもらい、服を脱いで…でも一応下着は着用のままいざお風呂へ!
……あー、この世界に来て初お風呂。
身体の芯から温まって癒される……。
身体の疲れより、先程の精神ダメージの方が大きいけど、お湯に流してしまおう。
アンズと二人で満点の星空の下心身共にリラックスさせていただきました。
よし、明日からも頑張るぞと思えた。
風呂から上がり、簡易小屋に戻るとほんの小一時間で様変わりするほどやつれたオニギリとガーリックが、倒れる様に横になっていた。
……怖いからあの二人がどうしたのかは聞かないでおこう…………。
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