【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います

七地潮

文字の大きさ
33 / 206
第二章 旅は道連れ

33 『後でスタッフが美味しくいただきました』と言うやつですかねぇ

しおりを挟む
そういえばと思い浮かんだ事を、誰とはなく尋ねてみました。

「昨日まで魔物など見かける事は無かったのに、なぜ沢山遭遇するのですか?」
聞いてみると、ブルースとアインが答えてくれました。

「魔物というやつは魔素の取り込みすぎで暴走した奴らだからな。
人族や亜人の多い地に行くと増えるぞ」
「人は生活するのに色んな魔法を使いますからね。
魔法を使えば魔素が発生します。
しかしそれは微々たる物ですから、人には影響を及ぼしませんが、魔法を使わない動物などには、元々自身の中で作られている魔力に、生きていく上で自然に取り込まれる星の魔素、それに加えて、人から発生した魔素まで取り入れてしまう事で魔化してしまうのです」

そう言われれば、人からも魔素が出ているとか何とか、タブレットで見たような。

「人の多く住む場所の近くには、稀に【魔素溜まり】ができる事がある故、冒険者が対処しておる」
「対処をしないと魔物が大量発生しますからね」
「スタンピートだな。
我には旨い食糧が増えて嬉しいが、他の種族にとっては些か厄介かも知れぬ」
「少数なら対応できても、大量発生されると危ないでしょう」

【魔素溜まり】……イメージ的に、ゴミが風で袋小路に運ばれて、それが溜まった状態みたいな物ですかねえ。
それを綺麗にするのが冒険者と呼ばれる職業の方ですか。

「人によっては、わざと魔化させる奴らも居るがな」
ブルースの言葉に、
「わざと…ですか?
凶暴化させて生物兵器として使う、とかですか?」
私が尋ねると、会話をしていなかったチャック達まで、私を凝視します……何故?

「お前怖いこと考えるな」
「そうですか?
以前の世界で、生き物を使って相手を責めたり、毒ガスを研究したり、細菌兵器とかも聞いたことありますねえ。
噂では自然災害まで発生させたりとかも有りましたし、ミサイルや核兵器など、人類を殲滅させる兵器など、複数の国が所持していましたし」

私の言葉に四人が距離を取りましたよ。
その表情は正に『ドン引き』ですね。

「お前はどんな殺伐とした世界から来たのだ」
「平和な国でしたよ?(表面上かもしれませんが)
戦争をしている国は有りましたけど、私の暮らす日本は数十年戦争とは無縁な国でした」
平和な国だから幸せな生活が送れるとは限らないんですけど、銃弾に怯える事もなく、日々を過ごせるのは平和なのでしょうね。

「どういう国か想像できん」
「難しそうな世界だった様ですね」
「そうですね……」
昭和に青春を過ごした私には、目まぐるしく変わる周囲に、生きにくさを感じる事も多々有りましたね…。
まだこの世界に来て数日ですが、この世界で妻と第二の人生を送れると言うのは、以前より生き易い気がします。
沢山の場所を回って、家族で幸せに暮らせる場所を探しましょう。
旅の目的が一つ増えましたね。

コホンとわざとらしい咳払いをしたアインが話を戻します。
「魔化させると、肉が美味しくなるそうですし、それ迄無かった角が生えたり、牙や爪が素材になるほど頑丈になったりしますので、わざと魔化させるのです」
成る程、品質向上ですね。

ブルースも立ち直った様で話しかけて来ます。
「金の無い奴らは普通の動物、金持ちは魔物の肉を食うから、冒険者はどちらも狩るぞ」
成る程、冒険者は狩人でもあるのですね。

「じいちゃんに名前をくれた無性人の人は、魔物の牧場をしてたって聞いた」
それまで無言だったチャックも会話に加わって来ました。

「ほう、其方の祖父も亜人なのか」
「ううん、じいちゃんは群れを守る知恵を付けるために名前を貰ったんだって。
群れに帰る時に名前を返したから、マネ鳥だったよ」
ほう、そうだったのですね。
詳しい事は聞いて良いのか分からず、祖父の方が亜人だと思っていました。

「随分と優秀な方なのですね。
喧嘩して名前を返して飛び出したどこかの誰かさんとは大違い」
「なっ!!貴様!人にバラすなと言っておったろ!」

アインの言葉に慌てふためいたブルースがその口を塞ぎましたけど、もう聞こえてしまいましたよ。
そうですか、ブルースは以前の家族と喧嘩して飛び出したのですか。
家族といえども譲れない事は有りますからね。
結婚を認められず、駆け落ちした私達と同じ様な人生?を送って来たのですね。
親近感が湧きます。

あ、そうですか、喧嘩別れをしたから、最初に行くのを渋っていたのですね。
今回再開したら、仲直りができれば良いですねぇ。


そこからはチャックもたまに会話に参加しつつ、先を進みました。
シナトラは、会話に参加する事なく、魔物を探すことに集中している様です。
森オオネコと生まれてまだ一年、獲物以外の他の動物とも、ましてや亜人と接する事の無かった彼には、興味のない話だったのでしょう。
決して難しくてついて来れない、なんて事は無いと思いますよ。

狩をしながらの道行でしたので、町に到着した時には日が暮れていました。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

処理中です...