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第一章 異世界だねぇ

妖精の祝福…………祝福?

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「王、私から説明致しましょう」

白髪混じりの黒髪の男が進み出ると、王様がうむと頷く。

「簡単に説明をさせて頂きます。
この国は中央大陸一の妖精が生息する国です。
妖精は多数種類が居ますが、人と縁を結ぶ事により、人からエネルギーを受け取り、代わりに妖精の祝福を人にもたらします。

この国でも多数の者が祝福を受けておりますが、何故だかわかりませんが、異世界からいらした方には必ず祝福が有ります。
その全ての方に二、三種の妖精が、一番多い方で五種類の妖精から祝福を受けられました。

祝福は妖精の術が使える事、妖精と意思の疎通が出来る事、また祝福の数だけ寿命が延びる事です。
寿命が延びる事により、身体の成長速度も緩やかになります。

異世界の方に関しては、この世界の言語が解る事も祝福の一つです。
なので、言葉の通じている貴方はすでに、祝福を受けていると言うことになります」

説明してくれて居るけど、正直何を言っているのか分からない…。

「貴方にお尋ね致します。
貴方は祝福をいくつ受けられましたか?」

そんなこと聞かれても…。

「言葉が通じているのですから、祝福を受けているのでしょうけど、いくつとは、どうやればわかるのですか?」
その説明が無いと、よその人間には分からんよ。

「祝福とは妖精との同一化とでも言いましょうか、身体に入り込みリンクする事ですね」

身体に入り込み?ってもしかして…

「その妖精とは、見た目はどんな感なんですか?」

「見た目は属性により様々ですが、祝福を受けて居ない者には、小さな光として見えます。

光の色は属性を表している事が多く、水の妖精は青い光、氷の妖精は薄い青、火の妖精は赤等ですね」

やはり気を失う前に見た光か。
でもあれって…。

「その祝福とやらは他の世界から来た人間には二、三種類とか言ってましたね。
と言う事は二、三色の光と言う事で、多くても五色?」

「五色…五種類の妖精の祝福は今まででたった一人しか確認されて居ませんが、確かに五つの祝福と言う事例は、過去に有りますね」

「それ以上は無いんですか?」
「今までの歴史上、そう言った事実は確認されて居ません」

「………………」

何だかマズイ事になっているのでは無いのか?

「………あのー、気を失う前に確かに私の身体に光が入り込みました。
……………………百以上?」

小さくなる語尾を聞き取られ、部屋の中が騒つく。

「あり得ない……せいぜい一種につき二、三の妖精がリンクすると聞いた事は有るけれど……
種類、光の種類は幾つほどでした?」

「幾つと言われても……有りとあらゆる色が入り混じって居たからわからないですね。
濃淡も有りましたし、第一その時頭痛や目眩もしていたので、把握が出来ませんでした」

ザワつきが大きくなり「バカな」とか「有りえない」との声があちらこちらで上がっている。

あり得ないと言われても、今の状況全てが、僕にとってはあり得ないんだけどね。

説明をしていた男も「信じられない」と言う表情を浮かべていたけど、一つ咳払いをして気を取り直した様に話を続ける。

「詳しくはまた後ほど伺わせて頂きます。
続けますが、祝福で貴方の寿命はかなり伸びます。
二種の祝福なら二倍、五種の祝福なら五倍、ですから貴方の場合限りなく不死に近くなったと思われます」

え?何じゃそれ。

「寿命に合わせて成長も遅くなりますので、貴方の実際の年齢は分かりませんが、暫く……かなり長い間その姿のままだと思われます」

その姿って……もういい加減認めなきゃ駄目か?
鏡は無いからじっと自分の手を見る……どう見たってこれ子供の…しかも幼児の手だよなぁ…………り


妖精の祝福って、祝福じゃなくて呪いなんじゃ無いの?




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