【完結】英雄召喚されたのに色々問題発生です【改訂版】

七地潮

文字の大きさ
21 / 161
第二章 色々やってみよう

騎士団を訪ねてみた

しおりを挟む

騎士団の宿舎に併設された鍛錬場には数人の騎士が鍛錬中だ。
かなり広いスペースだ。

しかしこうして見てみると、城に厩舎、放牧場、騎士団宿舎、鍛錬場と城のスペースはかなり広い。
城壁で囲まれている範囲だけでどれくらいあるんだろう。

この広大な場所を守ってるのが騎士団か。
端から端まで、歩くだけでも大変そう。

そしてその外は、更に広い重臣達の居住区と城下町。

戦争が無いとは言え、治安の為に見回ったりする軍人さんも大変だ。
元の世界では治安とか意識した事無いけど、見知らぬ世界だと考えちゃうよな。

だってここって、魔獣とか言う物騒な生き物や、猛獣や野生動物とか居るんだろ?
本来の姿でも争い事は苦手なのに、こんな幼児体形だと、100%守ってもらわないといけないんだよな。

……今からでも自己防衛に、最低限の護身術くらい身につけた方が良いかなぁ。

などなど鍛錬している騎士を見ながら考えていると、こちらに気づいた一人が寄って来た。
あの黒髪は確か、騎士団長だったっけ。

「こんにちは、召喚された方。
騎士団の見学ですか?」
膝をつき目線を合わせてくれた。

「こんにちは。
僕の事はウチと呼んでください。
本名は東堂内柊一郎ですけど、こちらでは長い名前はおかしいそうなので」
「ウチ様ですか。
私はオダ・ラト・ネイです。
父のオダ・モト・ラトが軍務大臣をさせて頂いている関係で、若輩の身ながら騎士団長をさせて頂いております」

優雅に頭を下げる団長さん。
小田かな?尾田かな?それとも……。

「ご謙遜を、コネなどで騎士団の団長になれるはずないでしょう。
血筋も有るでしょうけど、実力ですからね」
前半は団長に向けて、後半は僕に向かってスイが言う。

「実力で言うならドラゴンハーフの貴方こそ、何故騎士団に入らないのか。
団員は皆不思議がっていますよ」
「私は祖父の跡継ぎですからね、何せ父が……」

スイの言葉に、「ああ」と苦笑する団長。

今サラッとドラゴンハーフとか言わなかったか?
何それ、カッコよくないか?
それと、父親に何か問題も有るのか?

聞きたいけど失礼だよなぁ。

「フフフ、知りたそうな顔をされてますね。
別に隠している事では無いのですよ。
私の父は祖父の跡を継ぐのを嫌い、旅人になりました。
その旅の途中で出会ったドラゴンとの間に出来たのが私です」

角を見れば分かるでしょう?と言われたけど、ドラゴンの角なんて知らないし、ドラゴンってデカイだろうに、人とドラゴンってサイズ的にどうよ?とか旅人って何?とかとかとか……
突っ込みたい事が増える一方だよ。

「ドラゴンの血統は強いのに、執事など宝の持ち腐れですよね?」
団長が言うけど、知らないし。
でもイメージ的にはドラゴンの血が流れてるって聞くと強いんだろうな、とは思う。

「私など、折角の母親の血は薄くて人を操る力も弱いですし、リイは逆に母親の血が強すぎて落ち着きが無いですからね」
「母親の血ですか?」
「ええ、私の母親は吸血鬼です。
リイ…ウチ様のご案内をした金髪のエル・スウ・リイは狼男と狗神のハーフでして、犬の血が強く落ち着きが無いのですよ」

えー?落ち着きがないなんて、そんな風に見えなかったけどなぁ。
それに騎士団長は鳥の魔物って聞いてたのに、吸血鬼って……コウモリって言いたかったのか?
吸血鬼とコウモリって、一緒にして良いのか?

などと頭の中で考えながら話を聞く。

「そうですね。特に夜になると…」
スイも大きく頷いている。
それは是非夜に会ってみたいな。

あ、そうだ、さっき思いついた事尋ねてみよう。

「あの、多少の護身術を身に付けたいと思うのですが、お願いできますか?
それとも、そう言う事は軍の方の方に頼むのが良いですか?」
僕の言葉に二人の視線が集まる。

「護身術ですか?そんなにお小さいのに?」

スイは言うけど、とにかく多少なりとも力をつけて、この状態を打破したい……この抱っこ状態を…。
そう、まだ抱っこされたままなんだよねぇ…。

視線を合わせて会話が出来るのは良いけど、このまま抱っこがデフォになるのは避けたい。
なので全然一人で大丈夫だと周りに分かってもらうためにも体力付けたいのだ。

「それは軍より騎士団の方が良いと思いますよ。
軍は大所帯ですし、一応身元は確認していますけど、どういった経歴の持ち主かはっきりしない方も多々居ますから」

具体的にどんなのだろう……機会があれば聞いても良いかな。

「でもまだ身体が出来ていないので、身を守るのなら、まずは妖術から覚えられるのはいかがですか?」

団長が提案してきたけど、妖術って魔法みたいなもんなんだよな。

【魔法】って聞くと【ファンタジー】って感じだけど、【妖術】って言われるとなんとなく怪しく感じてくる。
こう……蝦蟇の上で巻物咥えてるとか、水の上を走るとか……そんなイメージが…………。

「それって誰でも使えるもんなんですか?」
胡散臭げだなぁ、と言うのが滲み出てたのか、スイが
「一度説明したと思いますが、妖精の祝福を受ける事で妖精の力が使えますから、ウチ様だとほぼ全ての妖術が使えますよ」
聞いてがなかったのか、という空気が滲み出てるよ、スイさん。

なるほど、【妖しい術】ではなくて、妖精の力を借りる【妖精の術】だから、略して【妖術】なのか。

略することによって、ファンタジー感が怪しく感じる不思議さよ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。 本編完結済み。 続きのお話を、掲載中です。 続きのお話も、完結しました。

処理中です...