軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸

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第一章

第12話:だいふくのひとりごと その1

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 ◆◇◆◇ Side:だいふく ◆◇◆◇

 吾輩は犬である。
 名前は『霧島だいふく』。
 主人が言うにはパグって犬種らしい。

 ちなみに主人は蒼司っていう、可もなく不可もなくな感じの男だ。
 まぁ蒼司は吾輩によく尽くしてくれるので嫌いではない。

 蒼司のチョイスするおやつは絶品だし。

 吾輩がこのように色々と考え事をするようになったのは最近のことだ。
 それまでは日々のんびりと、深く考えずに暮らしていた気がする。
 まぁのんびりと暮らしているのは今も変わらないが。

 しかし、あれは何だったのだろうか。
 蒼司と一緒に草原でまったり過ごしていて、おやつのためにお手・・をしたその時だった。
 急に全身が暖かい光に包みこまれて本当にびっくりした。

 それからだ。
 徐々に意識が鮮明になっていったのは。

 今までも蒼司の話す言葉はなんとな~く理解はしていた。
 吾輩の名前に、あとはお座りとかお手とかおいでとか。

 他にもいろいろな言葉をわかっていたぞ。
 おやつとかご飯とか、お菓子とか、ご褒美とか、りんご、ボーロ、ちゅるびびーにちゅる丸に……いかん、よだれが……。

 だけど、最近ははっきりとその言葉の意味がわかるようになってきた。
 今吾輩がいるこの場所がダンジョンと言われる場所だってこととか、吾輩がここのフィールドボス支配者だってこともな。

 ふふふふ。吾輩、偉くて強いのである。

 そう。強くなった。
 あれからすごい身体の変化を感じるのだ。
 今までの重い体が嘘のように軽く。素早く、力強くなった。

 だけど……本気を出すとお腹が空く。
 だから吾輩は今日ものそのそとゆっくり歩くし、無駄な運動などはしない。

「ばぅ?」

 お。これはスライムとかいう魔物だったか?
 たしか蒼司はよくこいつをペチペチ叩いて倒しているな。

 叩くとなにか面白いのだろうか?

 吾輩はスライムを閉じ込めている柵をひょいと飛び越えた。

 む? なんか近寄ってきた……。

 ぺしっ!

 あれ? 前足で軽く叩いただけで弾け飛んだ。

 む? また近寄ってきた……。

 ぺしっ!

 あれ? ちょっと面白いかも……。

 ぺしっ!

「ばふん♪」

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ぺしっ!

「…………………………………………」

 むむむ。一〇匹倒したらいなくなってしまった……。
 でも、これは面白い遊びを見つけたぞ♪
 ボール遊びやロープのひっぱりっこよりも断然いい。

 まぁ蒼司が可哀想だから、これからもボールやロープで遊んであげるのもやぶさかではない。むしろもっと遊べ。

「ばう?」

 お。ぼーっとしていたら、またスライムがわいてきたぞ。

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ……………………。

 ………………。

 …………。

 またいなくなってしまった……。

 じーーーーーーーーーーーーーーー。

「ばう♪」

 わいた♪

 ぺしっ!

 ぺしっ!

 ……………………。

 ………………。

 …………。

 またいなくなってしまった……。
 これは……癖になるかもしれない。



 気付けば、何度も何度も繰り返してしまっていた。

「ばぅ?」

 あれ? なんか今、ちょっと身体の内から力が湧き上がるような感じがした。
 もしかして吾輩……また強くなってしまったかもしれない。

 さっきから何度か感じていたが、それに加えて今回のこれはまたちょっと違う感覚がする。なんだろう?

 吾輩に新たな力が目覚めたような……そんな感じがする。たぶん。知らんけど。
 そう言えば……蒼司が前に自分の能力を調べるのには、心の内に向けて集中するとかなんとか呟いてた気がする。一人でぶつぶつ話す癖は直したほうがいいと思うぞ?

 まぁよくわからないけど、ちょっとやってみようか。

 ん~………………………………集中ってなんだ?

 あ、吾輩がご飯食べてる時とかに蒼司が「すごい集中力だな」ってよく呟いてるな。

 そうか。わかった!
 集中とは……ご飯のこと!

 ということは心の中にご飯があると思えば……。

 むむむむ……なるほど!!
 さっきのはスキルが使えるようになったんだ!
 あっ、よだれが。


 スキルの使い方も自然とわかってきた。
 うずうず……ちょっとだけ試してみようか……。

眷属召喚ばぅぅ!」

 吾輩が集中してスキルを発動すると、眼の前の地面に光る魔法陣変な模様が現れた。
 一瞬強く輝き、すぐに光が収まると、そこには……二足歩行する犬が佇んでいた。

「わふっ!」

 吾輩への忠誠を示すような感覚が伝わってくる。
 ふふふ。よくわかっているのである。吾輩は偉いのである。

 たしか蒼司がコボルトとか言っていた魔物だな。
 最初、蒼司がボコボコにされて焦った。

 しかし、これはすごい!!
 このスキルを使えば……いつでも遊び相手を呼び出せるということではないか!!

「ばぅ!」

 この後いっぱい遊んだのは言うまでもない。
 でも、しばらくしたら消えてしまった……。

 もう一度呼び出してみようかな。
 そんなことを考えていると、誰かがダンジョン内に入ってきたみたいだ。

「だいふく~! お~い!」

 あ、蒼司がダンジョンに戻ってきた!
 ここだよ~!!

「ばっふぅぉ~ぉん!」

 仕方ない。ボール遊びの相手でもしてやるか。
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