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Kちゃんの異変

Kちゃんの適度な距離は週3回

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短大を卒業する頃、Kちゃんのマンションの期限が近づいていた。この調子だと実家に戻るのだろうと思っていた所に、そのマンションの近くに新築の高級1LDKの賃貸のチラシが入ってきた。
場所も近いし、なにより間取りがかっこよくてここに住んでみたいね!めっちゃおしゃれじゃん!と褒め称えた所、
その言葉に押されたのかそこに引っ越すことに決めたのだった。

こんなにケンカをしているのに不思議で仕方なかったが、それはKちゃんなりの愛だったようだ。

私も社会人になるので結婚を意識するようになった。

しかし、その希望は打ち砕かれる。

新築1LDKに引っ越したKちゃんに、この家には週3日しか来てはいけないと約束させられたのだ。

これにはかなりショックを受けた。一緒にいる時間が長いほど仲良くなれるのではと思っていたからだ。
しかし、これはKちゃんの最後の優しさだったのだろう。
週3回といえば、付き合いたての頃の会う頻度だ。Kちゃんはあの頃を思い出したかったのだ。そして、また良好な関係に戻れれば結婚もしても良いと思ってくれたのかもしれない。

しかし、その頃の私は長く一緒に居すぎて、ある意味、家族以上のなにか、所有物のような感覚に陥ってしまっていた。

その頃は、私達は6年以上も付き合っていたのだ。

そして、私は約束を破ってしまった。

彼は怒った。しかし、私もその約束を了解した訳ではないと反論した。
じゃ、週4からとKちゃんが折れてくれた。別れないでくれたのは愛だった。

その後の何かのケンカでブチギレたKちゃんに殴られた。右目の骨の部分にペアリングがクリーンヒットして青く腫れた。

もう私達は限界に近づいていた。

Kちゃんのお風呂の時にKちゃんのケータイがピロンと鳴る。
画面が見える状態だったためチラッと目に入って驚いた。

この間隣で飲んでいたものです
今度2人で飲みませんか?

と言った内容だった。
思わずメールの履歴を見返してしまった。変なメールはこれと、連絡先を交換した時のメールのみだった。
彼は浮気する位なら別れるような性格のため、あまり疑った事は無かったが、
浮気はしていなかったがかなりのショックだった。
お風呂上がりに聞いた。

ごめん。連絡先交換しちゃったんだ。

と言った。
私は捨てられたような気持ちになった。
Kちゃんを責めた。
Kちゃんはごめんと言った。
私は泣きながらKちゃんの太ももをあざになるまで叩いて怒った。

私達は壊れた。

翌々日、Kちゃんに別れを告げられた。

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