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二章
14.閑話 ある皇太子妃護衛の恋
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私の名前はジャック。ローゼンダール帝国皇太子、ギルフォード殿下の『影』である。ある日、私は数名の仲間と共に殿下から招集を受けた。
四番目の側妃、アナベル様が賊に襲われたため、私は「護衛」として着任する事になったのだ。
そのような対策は普通、ご実家がされるのだが、アナベル様のご実家、モール辺境伯家からの動きはなかった。それは、アナベル様本人をみて納得した。きっとこの子供にしてこの親あり、ちょっとどこか抜けている方達なのであろう。
でもね、お父さんお母さん、息子さんをもうちょっと教育出来ませんでしたか?!毒を盛られても黙って耐えて、林の木の実を食べていたんですよ!?
持ち物も荒らされ、服もビリビリにされたらしいのに、「自分で繕えますから」と言って新しく服を買う事もなかった。他の側妃様なんて、殿下名義でばんっばん買い物してるのにだよ!?買わないどころか、私の服のほつれに気付いて、「ついでですから」と縫ってくれたりして…。
アナベル様はぽやんとした性格と美しい容姿をしておられ、私がアナベル様を好きになるのに、そう時間はかからなかった。
しかし、アナベル様は明らかに殿下を好きだった。その様子は「見てるの辛すぎ」。この一言に尽きる。
ヤボシユ領から殿下が戻る旨の先触れが来た時は、特に見ていられなかった。アナベル様は殿下の訪いのために、ディボル様のところに向かわれ、閨の準備をされた。しかもディボル様はアナベル様に「柔らかくしておかないとあなたに傷ができてしまいますよ」といって"閨の手ほどき"をされたようだった。
私は耳に全神経を集中させた!隣室に連れて行かれたアナベル様の動向を伺い…あくまで護衛任務のためだ!観察、いや鑑賞、いや、監視していた!
耳をそば立てていると、アナベル様のくぐもった声が聞こえてきた。その後部屋から出てきたアナベル様はうっすら頬に赤みが差しており、私はその後、アナベル様を部屋に送り届けるまで内股で歩くことを余儀なくされた。
しかし、ギルフォード殿下はそんなアナベル様を抱かなかった。アナベル様の部屋付きの召使も同僚であったが、私たちは顔を見合わせた。
この鈍感野郎!明らかに据え膳だろうが!殿下は後宮は解散ないし縮小して襟を正そうと本気で考えている堅物であるが、あれはひどい…。
だってもうアナベル様の蕾はやや綻んでいて、その先は蜜壺になってる。髪も肌も食べ頃に熟して、多分齧ったら「甘い…」ってなっちゃってアナベル様も赤い顔で「あん」って喘いじゃうはずだよ?
そこで私の大砲が火を吹いた。もう限界だった。私はその夜、二度目の大砲…を娼館で打ち上げた。
その後殿下とアナベル様は二人で王都の街に出かけた。二人とも、初っ端から手を繋いでイチャつきだした。そんないちゃつきを影から見てなきゃいけないってどんな拷問!?
殿下があげたペンダントをアナベル様は嬉しそうに着けていた。小さな石に無邪気に喜ぶアナベル様は可愛らしい。殿下も流石に絆されたのか何度も口付けておられた。別れ際も…。
しかし、あの堅物はまた、アナベル様を抱かなかったのだ。
ねえ、どんな忍耐力してんの?!私はある意味、殿下を尊敬した。私はまたしても、、その夜の娼館で担当した娼婦に「ああん激しいっ!」と言われてしまったというのに。
そんな焦ったい二人はついに結ばれた。よりにもよって、後宮の解散が決まったタイミングで。私は殿下に失望した。あの野郎、最後の最後でアナベル様の純潔を散らしてしまいやがった!
いや、分かります、分かりますよ?!他の男にやる前に初めてを食べちゃいたいよね!確かにあの日もアナベル様は抱かれる準備万端でしたから、口付けだけでトロトロだったでしょうね。はあ~、羨まし、いや妬ましい、いや…。
降嫁が決まったと思われたアナベル様は突然、王宮騎士団を受験すると言い出した。殿下のお側にいたいと決断されたようだった。
アナベル様は第一側妃のタメラベルム様に推薦人になってもらうべく、リミントン公爵家に向かわれた。
現れたのは公爵家の次男であり第二騎士団の部隊長を務めるオーディスだ。オーディスは恵まれた体格をしており、なかなかの美男である。アナベル様のことを「子ができないから重宝されただけの男が!」と悪く言っていたが、それはどうやら「好きな子にちょっと意地悪しちゃう」男子的なやつだった。試合で怪我をしたアナベル様に甲斐甲斐しく世話を焼いていた。
アナベル様は怪我をしたことと、戦い明けで熱を出された。それは、それは、大変扇情的なお姿であった。
私はその後、アナベル様の依頼で後宮に帰ることになった。オーディスは私に「殿下に渡してくれ」と何やら書状を渡してきた。オーディスのやつ私が殿下の影って気づいてやがる!
私は、嫌な予感がしていた。
後宮に戻ってギルフォード殿下にアナベル様が試合で怪我を負い、リミントン公爵家に泊まることを報告し、オーディスからの書状を手渡した。
殿下は書状を読むと、それをびりっびりに破き更に魔法で燃やして消し炭にしてしまった!
なんとその書状、オーディスの身上書で、アナベル様への求婚であったらしい。
ちょ…殿下!いくらなんでも怖すぎるんだけど?!でも、もう別れること決定な夫である殿下に、怒る権利なくない?!
殿下は「連れ戻せ」とだけ仰って部屋を出て行った。つ、連れ戻す権利もなくない?!後宮の解散宣言したのあんただよ?!
しかし、殿下にそう言われた以上、やるしかない!私は再びリミントン公爵家、オーディスの所へ向かった!
オーディスはどこ吹く風で「後宮は解散しているのだから問題ないでしょう?怪我をされているし動かせません」と応じない。
オーディスの野郎!俺の立場も考えろ!お前にそう言われて殿下の所におめおめ帰れると思うな!私はその夜、リミントン公爵家のそばで寝ずの番をすることになってしまった!
寝ずの番、つまり野宿を決めた、私の所に同僚がやってきたのは既にリミントン公爵家の明かりが全て消えた、深夜であった。
同僚は痺れを切らした殿下が寄越した大家の刺客だった。殿下!ちょ、無理だよ…!私は悲鳴を飲み込んだ。
再び公爵家へ向かうとオーディスに「では、扉の前で番をしてはいかがでしょう?」と提案されたので私は野宿から公爵家の廊下に宿を変更した。
しかし私はその事を後悔する事になる。私のいた扉の中にアナベル様はおらず、翌朝完全に巻かれてしまったのである!
オーディス!貴様ぁ!ま、まさかアナベル様と同衾なんかしてないよね?!そんな事になったら殿下に殺される!同僚と共に必死で探したがアナベル様が見つかったのは、日もだいぶ落ちて、後宮の手前でオーディスに抱きしめられている所だった。オーディスは私たちを見つけて、ニヤリと笑った。
完全にしてやられた!しかも、後宮の近くでそんなことしたら殿下の耳に入らない訳もなく……。
私は覚悟を決めた。それは予想通りだった。次の任務はダルムアイン領で蜂起した市民グループの監視である。まだスタンピードの爪痕が残る死地へ向かわねばならなくなった。
でもさあ、やっぱ殿下、ひどくない?!悪いのはオーディスだよね!?あっちは公爵家の息子だからってさあ!
私はアナベル様の王宮騎士団の試験前日に旅立つ事になった。アナベル様は私のためにお守りを作って下さり、手を握りながら「今まで安心して過ごせたのはジャックのお陰です。」と潤んだ瞳で礼を言われた。
私はアナベル様の温もりを胸に…今後のおかずに、いやずりネタに、いや……、死地へ旅立った。
さよなら愛しいアナベル様!貴方様の息災をお祈りしています。
四番目の側妃、アナベル様が賊に襲われたため、私は「護衛」として着任する事になったのだ。
そのような対策は普通、ご実家がされるのだが、アナベル様のご実家、モール辺境伯家からの動きはなかった。それは、アナベル様本人をみて納得した。きっとこの子供にしてこの親あり、ちょっとどこか抜けている方達なのであろう。
でもね、お父さんお母さん、息子さんをもうちょっと教育出来ませんでしたか?!毒を盛られても黙って耐えて、林の木の実を食べていたんですよ!?
持ち物も荒らされ、服もビリビリにされたらしいのに、「自分で繕えますから」と言って新しく服を買う事もなかった。他の側妃様なんて、殿下名義でばんっばん買い物してるのにだよ!?買わないどころか、私の服のほつれに気付いて、「ついでですから」と縫ってくれたりして…。
アナベル様はぽやんとした性格と美しい容姿をしておられ、私がアナベル様を好きになるのに、そう時間はかからなかった。
しかし、アナベル様は明らかに殿下を好きだった。その様子は「見てるの辛すぎ」。この一言に尽きる。
ヤボシユ領から殿下が戻る旨の先触れが来た時は、特に見ていられなかった。アナベル様は殿下の訪いのために、ディボル様のところに向かわれ、閨の準備をされた。しかもディボル様はアナベル様に「柔らかくしておかないとあなたに傷ができてしまいますよ」といって"閨の手ほどき"をされたようだった。
私は耳に全神経を集中させた!隣室に連れて行かれたアナベル様の動向を伺い…あくまで護衛任務のためだ!観察、いや鑑賞、いや、監視していた!
耳をそば立てていると、アナベル様のくぐもった声が聞こえてきた。その後部屋から出てきたアナベル様はうっすら頬に赤みが差しており、私はその後、アナベル様を部屋に送り届けるまで内股で歩くことを余儀なくされた。
しかし、ギルフォード殿下はそんなアナベル様を抱かなかった。アナベル様の部屋付きの召使も同僚であったが、私たちは顔を見合わせた。
この鈍感野郎!明らかに据え膳だろうが!殿下は後宮は解散ないし縮小して襟を正そうと本気で考えている堅物であるが、あれはひどい…。
だってもうアナベル様の蕾はやや綻んでいて、その先は蜜壺になってる。髪も肌も食べ頃に熟して、多分齧ったら「甘い…」ってなっちゃってアナベル様も赤い顔で「あん」って喘いじゃうはずだよ?
そこで私の大砲が火を吹いた。もう限界だった。私はその夜、二度目の大砲…を娼館で打ち上げた。
その後殿下とアナベル様は二人で王都の街に出かけた。二人とも、初っ端から手を繋いでイチャつきだした。そんないちゃつきを影から見てなきゃいけないってどんな拷問!?
殿下があげたペンダントをアナベル様は嬉しそうに着けていた。小さな石に無邪気に喜ぶアナベル様は可愛らしい。殿下も流石に絆されたのか何度も口付けておられた。別れ際も…。
しかし、あの堅物はまた、アナベル様を抱かなかったのだ。
ねえ、どんな忍耐力してんの?!私はある意味、殿下を尊敬した。私はまたしても、、その夜の娼館で担当した娼婦に「ああん激しいっ!」と言われてしまったというのに。
そんな焦ったい二人はついに結ばれた。よりにもよって、後宮の解散が決まったタイミングで。私は殿下に失望した。あの野郎、最後の最後でアナベル様の純潔を散らしてしまいやがった!
いや、分かります、分かりますよ?!他の男にやる前に初めてを食べちゃいたいよね!確かにあの日もアナベル様は抱かれる準備万端でしたから、口付けだけでトロトロだったでしょうね。はあ~、羨まし、いや妬ましい、いや…。
降嫁が決まったと思われたアナベル様は突然、王宮騎士団を受験すると言い出した。殿下のお側にいたいと決断されたようだった。
アナベル様は第一側妃のタメラベルム様に推薦人になってもらうべく、リミントン公爵家に向かわれた。
現れたのは公爵家の次男であり第二騎士団の部隊長を務めるオーディスだ。オーディスは恵まれた体格をしており、なかなかの美男である。アナベル様のことを「子ができないから重宝されただけの男が!」と悪く言っていたが、それはどうやら「好きな子にちょっと意地悪しちゃう」男子的なやつだった。試合で怪我をしたアナベル様に甲斐甲斐しく世話を焼いていた。
アナベル様は怪我をしたことと、戦い明けで熱を出された。それは、それは、大変扇情的なお姿であった。
私はその後、アナベル様の依頼で後宮に帰ることになった。オーディスは私に「殿下に渡してくれ」と何やら書状を渡してきた。オーディスのやつ私が殿下の影って気づいてやがる!
私は、嫌な予感がしていた。
後宮に戻ってギルフォード殿下にアナベル様が試合で怪我を負い、リミントン公爵家に泊まることを報告し、オーディスからの書状を手渡した。
殿下は書状を読むと、それをびりっびりに破き更に魔法で燃やして消し炭にしてしまった!
なんとその書状、オーディスの身上書で、アナベル様への求婚であったらしい。
ちょ…殿下!いくらなんでも怖すぎるんだけど?!でも、もう別れること決定な夫である殿下に、怒る権利なくない?!
殿下は「連れ戻せ」とだけ仰って部屋を出て行った。つ、連れ戻す権利もなくない?!後宮の解散宣言したのあんただよ?!
しかし、殿下にそう言われた以上、やるしかない!私は再びリミントン公爵家、オーディスの所へ向かった!
オーディスはどこ吹く風で「後宮は解散しているのだから問題ないでしょう?怪我をされているし動かせません」と応じない。
オーディスの野郎!俺の立場も考えろ!お前にそう言われて殿下の所におめおめ帰れると思うな!私はその夜、リミントン公爵家のそばで寝ずの番をすることになってしまった!
寝ずの番、つまり野宿を決めた、私の所に同僚がやってきたのは既にリミントン公爵家の明かりが全て消えた、深夜であった。
同僚は痺れを切らした殿下が寄越した大家の刺客だった。殿下!ちょ、無理だよ…!私は悲鳴を飲み込んだ。
再び公爵家へ向かうとオーディスに「では、扉の前で番をしてはいかがでしょう?」と提案されたので私は野宿から公爵家の廊下に宿を変更した。
しかし私はその事を後悔する事になる。私のいた扉の中にアナベル様はおらず、翌朝完全に巻かれてしまったのである!
オーディス!貴様ぁ!ま、まさかアナベル様と同衾なんかしてないよね?!そんな事になったら殿下に殺される!同僚と共に必死で探したがアナベル様が見つかったのは、日もだいぶ落ちて、後宮の手前でオーディスに抱きしめられている所だった。オーディスは私たちを見つけて、ニヤリと笑った。
完全にしてやられた!しかも、後宮の近くでそんなことしたら殿下の耳に入らない訳もなく……。
私は覚悟を決めた。それは予想通りだった。次の任務はダルムアイン領で蜂起した市民グループの監視である。まだスタンピードの爪痕が残る死地へ向かわねばならなくなった。
でもさあ、やっぱ殿下、ひどくない?!悪いのはオーディスだよね!?あっちは公爵家の息子だからってさあ!
私はアナベル様の王宮騎士団の試験前日に旅立つ事になった。アナベル様は私のためにお守りを作って下さり、手を握りながら「今まで安心して過ごせたのはジャックのお陰です。」と潤んだ瞳で礼を言われた。
私はアナベル様の温もりを胸に…今後のおかずに、いやずりネタに、いや……、死地へ旅立った。
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