無表情美形が好きだと言ってきたけど、毒で死にかけてます! ~謎に溺愛してくる美形と死にかけの王子、命懸けの逃避行~

あさ田ぱん

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四章

34.二回目の初めて※

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 ジークは俺を、竜の巣の小屋へ連れていった。寝台の前で俺を熱っぽく見つめると、頬に手を添える。

「エリオと一つになりたい。いい…?」
「うん…」

 俺が返事をするとジークは微笑んだ。頬に添えていた手が下に降りていき、ブラウスのボタンを外していく。
 俺はその間に、腹に手を当てて自分に浄化魔法をかけた。

「エリオ…。準備してくれたの?」
「うん。はやく抱いて欲しい」
「俺も、ずっと…、エリオが欲しかった」

 そう言うと、ジークは熱のこもった目で俺を見つめる。ブラウスを脱がされた後、ジークは寝台に俺を押し倒した。それと同時に、下履きを下着ごと脱がせて寝台の下に放り投げる。
 ジークも服を脱いで、俺に覆い被さって来た。

「近くにいたのに、触れられもせず…。熟れていくエリオを指を咥えて、ずっと見ていた…」
「…そうだったの?」

   全然、気が付かなかった。そう言えば子供の頃は抱っこされたりしていたが、いつの間にか触れ合いはなくなっていた気がする。

「言ってくれれば良かったのに…」
「…嫌われるのが、怖かった。エリオは竜の番になるのを嫌がっていたから」
「そ、それは…、ジークが好きだったからだよ。ジークが竜だって、その時は知らなかったから…」

 口付けをしながら、ジークは俺をうつ伏せに回転させた。腰を浮かせて、尻をジークに少し、突き出す体勢になる。

 すると、あろうことかジークは、突き出した尻の間に顔を埋めてしまった。

「ひゃ…っ、あっ、ァ…!やっ、だめ…!」
「ダメ…?」

 ジークは不満そうな声を出した。

 でも、俺の、窄まりのひだを丁寧に舐めている。

 どう言うこと…?

 唾液で湿って、そこはいやらしくぴちゃぴちゃという音をたてた。念入りに舌で解されると、窄まりはトロリと溶けて、ヒクヒクと入り口が震えている。

「も、やだ…!恥ずかしいっ!」
「やだ、なんてダメ…!俺を全部、受け入れて…?」

   舌の動きは止まっていないのに、ジークは話続けている。一体どう言うこと…?

 後ろを振り返ると、ジークとは別にもう一人、真っ黒い人型をした『怨念』が立っていた。今話していたのは、怨念の方…?さっき不満を解消して、消えたはずなのに、俺が少し抵抗したから?

「あ…、や。…だめ…、ん…っ」

  収縮した肉壁を、熱い舌でペロリとなめられ、たまらず、甘い声が漏れた。  

 うっかりまた、だめ、といってしまった…!

 多分、ジークのものであろう人型の怨念は、俺の前に来てしゃがむと、顔を持ち上げ口付けた。

「ん…、はぁ…」

  後ろには舌を入れられ、正面からは口付けされ、全身、痺れるような快感が襲う。さらに正面の怨念は、口付けしながら、乳首を指で撫でた。

 怨念の指はふわふわの毛で出来ており、乳首を撫でられるとくすぐったい…。思わず背が弓形に沿ってしまう。

「…ッ!ア、ァ、んッ…!あ…っ!」

 俺があえかな声を漏らすと、ジークは舌を抜いた。そして、自分の先走りの精液を指につけ、潤滑油代わりに窄まりの縁から丁寧に塗っていく。
 
 縁に塗り終わると、今度は中に指を入れられた。

 ジークの長い指が中の膨らみを乱暴に押したので、思わず腰が、はしたなく揺れてしまう。

 指はすぐ、二本に増やされた。指は入り口を広げるように動かされる。

「あ……、ぁん…。んん…ッ!」

 怨念のジークに口付けされていても、たまらず口の端から喘ぎ声が漏れてしまう。

「エリオ…、こっち…!」

  ジークは怨念に嫉妬したかのように俺の顎を掴むと、後ろを向かせて口付けた。

 そして一旦指を抜くと、長大な陰茎で、俺の窄まりを撫でる。陰茎は先走りでぬるぬるしているから、尻の間に擦れるとクチュクチュ、といやらしい音を立てる。
 とろとろの窄まりに硬い陰茎を擦られると、入ってしまいそう…。

「エリオ…」

  正面の怨念は、ため息をつくと、ジークと同じ大きさの陰茎を俺の中心に擦り付けた。俺の物と二つ、同時に掴んで、上下に扱く。

「ん…、あっ、あぁ…、んっ…!」

   怨念がふわふわの指と陰茎で前を刺激し、ジークが硬い陰茎で、後ろの入り口をぐちゅぐちゅと擦ってくる。

「や……、やだ…。ぁ…ぁッ、んん…!」

 前からも後ろからも刺激され、俺の中心は立ち上がり先走りの液を漏らした。このままだと、先にいってしまう…!しかし、ジークは焦らしてばかりで、中に入ってこない。もどかしくて少し尻を突き出しても入れてもらえない…。

「ジーク…、焦らさないで、もう入れて…!先にいっちゃう…っ」
「エリオ…。意地悪くらいさせて…」

 ジークは唇を離すと、手で陰茎を掴み、俺の尻穴に当てがう。ぐい、と腰を進め、亀頭がついに窄まりに侵入してきた。先端が入ると、ぐぷ…、と、いやらしい音がする。

「ん……、ァ、あ…、…ッ」

 遂に、ジークのモノが入って来た…。固くて太いそれが入ってくると、中が歓喜で震える。

「中、狭い…。それに締めすぎだよ、エリオ…。コレじゃ手前しか擦れないよ?」

 ジークは硬い陰茎の先端で手前の膨らみを何度も擦った。敏感な所を何度も擦られて、気持ちがいい。良すぎて、中が、腹の奥が疼く。

「や…、ぁ、ァッ!あ…ん…!いっちゃう…!」

  いきそうになると、ジークの怨念が、俺の陰茎の根本を掴んで、射精を阻止した。

「や、やだ…っ!」
「エリオ…っ、ダメ…!」

 ジークの怨念は俺の頭を掴むと、自身の陰茎を咥えさせる。それは先走りの液で、ねっとりと湿っていた。
 不思議と口に含んでもむせたりはしないが、精液の匂いに、頭がクラクラする…!

「一緒にいこ、エリオ…!」

 ずっと手前を擦っていたジークが、一気に奥まで入って来た。ジークのものは大きくて、中は隙間なくいっぱいだ。

「ぁ…ぁッ!ぁ…!」
「ああ…っ、エリオ…!すごい、気持ちがいい…!」

   前の口も、後ろもジークでいっぱい。あまりにも気持ちよくて、勝手に腰が揺れてしまう。

「自分で腰を振って、はしたない。悪い子だな、エリオは…」
「や…、ぁ…ッ!んん…!」

  奥の行き止まりをぐちゅ、と突かれると、目の前に星が飛んだ。奥がビクビクと痙攣するのが分かる。

「エリオ…!」

 ジークは激しく腰を打ちつけて来た。中を硬い陰茎が手前から奥まで、何度も行き来する。
 ぱちゅん、ぱちゅんと音を立てながら激しく突かれると、俺の先走りが漏れ出て寝具に染みを作った。

「あ…ぅ、ッ、ひゃ…、、ァぁ、ッ、はぁ……ぁッ」

 ジークの動きに合わせて、前のジークも腰を動かす。喉がくるしいのに、気持ちが良くて混乱する。口の中のものも固く、大きくなって今にも爆発しそう。

「あ……。ああっ、ん…っ!」
「はぁ…、イきそうだ…っ!エリオ!」

  ジークは俺の腰を引き寄せ尻を少し持ち上げると、下から更に抉るように奥を突いた。ジークの陰茎も中で一段と硬くなっている。
 何度も硬い肉棒で奥を穿たれ、激しすぎる快感に涙が溢れた。

「ぁあ…ッ!」

 俺が達したのと同時に、前のジークも、口の中に精液のような物を大量に吐き出した。

「エリオっ!」

 そして、奥を突いていたジークの陰茎が、中でブルリと震えた。精液がどくどくと注がれるのを感じる。

 
 事後の余韻を愛しむように、後ろからジークに抱きしめられて口付けされる。


「エリオ…」
「お腹のなか、熱い…」

  俺は嬉しくていったのだが、ジークは陰茎を抜いてから、心配そうに俺の下腹部を確認した。

「……痣は出ていないけど…気分は…?」
「大丈夫…。ちょっとびっくりしたけど…」
「…?」

  ジークは「何が?」みたいな顔をした。
 怨念のジークは吐精するといつの間にか消えてしまったのだが…。確かに、そこにいた。それなのに、『何が』…って…!

「あの、ジークの怨念が…」
「うん…?ああ、あれは俺だよ」
「そ、そう…」

   ジークがだからどうした、みたいな顔なので、黙っておくことにした。俺がいない間に、ジークにも色々あったのだろう。

「エリオ、愛してる。ずっと、二百年前から…」
「俺もずっとジークが好きだった。記憶がない間もずっと。家庭教師の、ジークに恋してた…。竜の番になりたくなかったのはジークに恋してたからだよ。俺の初恋はジークなんだ…」


 ジークは顔を綻ばせて、俺を抱きしめた。
 
 俺たちは遠回りをした。本当は百七十一年だけど、ジークの中で苦しみの分、年数が上乗せされてしまったんだろうか。四捨五入すると約、二百年…間違ってはいない…。

「エリオ…。まだ全然足りないんだ。二百年分、させて?」
「え…?きょ、今日…?!二百年分は無理だよ…!」
「だめ、離さない…。今度は顔を見ながらしたい」
「さっきも見てたじゃないか。怨念になって…!」

  ジークはふと、真面目な顔をして、俺を見た。
 
「怨念は、そんなに明瞭に見えないんだ…」
「ふうん…?」

   そう言えば以前、クリスティーナ様が、番は半身だからお互いのことがわかったと言っていたが…。怨念のように、胸がモヤモヤすると相手のことがよく、分からなくなるのだろうか。

 確かに俺も今まで、ジークの事がよく、分からなかった。

「でも、そろそろ帰らないと。港から突然消えて、みんな心配していると思う…。あ…っ!」

 ジークは仰向けに俺をひっくり返した。上にのしかかって、俺の足を左右に開く。

「……ぁ。ん…っ!」

  抵抗、できない……。俺は約二百年分、抱かれることになってしまった。



 でも抱き合うと、お互いの存在が、明確に感じられるようになった。

 本当に、本物の、番に、なれたんだ…!
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