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三章 ソロ活動編
39.セーブポイント
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答えの出ないことを考えるのは一旦やめて、締め切りの迫っている、新曲の制作に取り掛かることにした。
しかし台本をいくら眺めても何も思いつかない。
「あーっ?!」
思いつかないから『悪役令息、皇帝になる』を一巻から読み始めてしまった……。これってあれだ。夏休みの宿題やろうとしたんだけど、つい漫画読み始めちゃって、八月三十一日の夜十時ごろ『はっ?!』ってなるやつ…!
慌ててカレンダーを確認すると、なんと締切まであと二日……!
パソコンの前に座っても、ベースを弾いても、何も浮かばない。最後の手段で、インターネットの知恵袋に聞いてみたが、余計混乱した。
改めて俺は、作曲の事をよく知らないなと思った。俺の曲作りは、"作曲"と言っても本当にただの鼻歌で、体系的に分かっていない。蓮はきちんと音楽を大学で勉強しているから、もうそこから基礎力が違う…。
改めて落ち込んだ俺は、気晴らしにREPLAYの動画ページを見た。あれからも順調に登録者数が伸びているようだ。しかも…。
「うわ、『歌ってみた』やってくれてる…!う、嬉し…!」
おすすめ動画に、タイムリープの『歌ってみた』動画が複数アップされているのを発見した。嬉しくて夢中でその動画をみながら、みんなREPLAYが映画主題歌を歌うと、期待してくれていると分かった。
期待してくれているから、動画を作ってくれた。もし俺が、何も作れなくて外されたら…。そう思うと一気に落ちてしまった。
蓮も、マネージャーもレコード会社の人も原作のえむ先生もREPLAYの登録者の人達も期待してくれている。それは嬉しくもあるけど今はその期待が重くのしかかって、息苦しい。
一言で言うと、つらい…。
だから俺は、蓮に甘えたくなってしまったのだ。
現実逃避して、蓮とのダイレクトメッセージのやり取りを読み返した。そして昨日怒られたことも忘れて我慢できずに、REPLAYのSNSから蓮にメッセージを送った。
「今泉さんは、曲ができない時どうしてますか?」
夕方の忙しい時間帯のはずなのに、意外にもすぐに既読になって、蓮から返信が来た。
『気分転換するかな』
「どんなふうに?」
『外に出て、外の空気を吸う』
「あとなにかある?」
『思い出の場所に行ってみたり』
「思い出の場所?」
『駅前のコンビニ。よく行ったんだ、高校生の頃』
コンビニに…?蓮も、つらくなった時に、思い出してくれてた?俺たちの思い出…。
『それでもどうしてもダメな時は、好きな人に会う』
「好きな人…?」
『うん。小さい頃、怖い時とか泣きそうな時に、つい、お母さん!って、言っちゃう、みたいなことあったろ?』
「小さい頃かぁ…」
子供はお母さん大好きだもんな…。俺は『お母さん』、って泣きそうになってる小さい蓮を想像してほっこりした。小さい蓮、かわいかったろうな。
小さい頃の蓮はつらい時、お母さんに会いたかった。じゃあ、今の、大人の蓮は…?
『つらい時は好きな人に会いたい』
俺…、俺は蓮に会いたい…。
蓮のアドバイス通り、外に出て、冬の冷たい空気を吸い込んだ。もう夕暮れで、かなり寒くなったからコーヒーでも買おうと、コンビニに向かって歩く。駅前のコンビニはまだ建設中だから、少し遠いけど高速の入り口近くのコンビニまで行くことにした。
以前誰かに聞いたことがある、コンビニは薄暗い中で光っていて、ダンジョンの中のセーブポイントみたいだ。俺は光に吸い寄せられる虫みたいに、フラフラと中へ入っていった。
今日は朝も昼も水しか口に入れていない。空腹にコーヒーを飲んだりしたら不味いと思い、何か食べようとお弁当コーナーに向かった。お弁当コーナーには蓮の好きな、変わり種のおにぎりが色々と並んでいる。
「あっ…!これ…」
特に蓮が好きだった、半熟煮卵が丸ごと一個入っているおにぎりが復刻していた。俺は嬉しくなって手に取ると、コーヒーと水と一緒に籠に入れる。
商品を買って、外に出ると、完全に日は落ちていた。おにぎりを食べながらゆっくり帰ろうと思って、包装のテープを剥くところで手が止まる。
連日連夜、新曲について頭を悩ませる日々で、自分の想像以上に、胃が弱っているのかもしれない。食べられる気がしなくて、おにぎりを買い物袋の中に戻した。
そういえば俺が蓮を怒らせたあの日も、俺はコンビニで蓮の好きなものを買っていった。けど、作詞が何度もやり直しになり悩んでいた蓮は何か口にするような気分では無かったのだろう。
あの日、歌詞のやり直し作業に悩む蓮に必要なものはそんなことじゃなかったと、今なら理解できる。俺がしたことなんて、うっとおしいだけ。蓮に必要だったのは気分転換とか、的確なアドバイスやアイディアだったに違いない。それなのによりによって、寝るなんて…。
あの時、蓮と一緒に、考えて、なんで一緒に悩まなかったんだ。馬鹿だ、俺は。もっと一緒に悩んで、一緒に音楽を作りたかった。そうすれば恋人じゃなくてもずっと一緒にいられたのに…。少なくとも嫌われはしなかったはずだ。
俺は今出たコンビニを振り返った。
確かに、営業中のコンビニは暗闇で光るセーブポイントみたいだ。色んなものを売っていて、水を飲んで食事ができて、命をつなげる。
でも俺は全然回復していない。蓮がいないセーブポイントでは回復できないんだ。
つらい時は、好きな人に会いたい……!
自然に足は、駅前のコンビニに向かっていた。
高速の入り口から駅前まではやはり人の流れが変わったようで、通りの店も様変わりしている。高校の時に目印にしていた店はもうない。でも俺は迷わずに辿り着いた。
駅のホームの少し先に俺たちが通ったコンビニはあった。今は建設中のフェンスだけで、そこはまだ暗い。
俺はどのくらい、コンビニができたのかと思って、中を覗き込んでみた。ひょっとしてちょっと不審な人に見えるかもしれない。そう思って、反対側の道に移動して、建物を眺めた。
夜風がいよいよ冷たくて、帰ろうと踵を返すと、後ろから呼び止められた。
……ああ、これって、夢じゃないよな?
「蓮!」
「圭吾!」
蓮は俺のところに走ってきた。
「どうして…?なんで、こんなところで…?」
どうして蓮がいるんだろう。本当に現実?俺は信じられなくて、どうしてここにいるのか蓮に尋ねた。
「気分転換...。でも、もうなくなってたんだな。ここ」
蓮は建設中のコンビニを見つめた。
違うよ、それは無くなってから一周回ってまた、壊してるんじゃなくて立て直してるとこなんだよ。
言いたいことが多過ぎて、俺の声は口の中で溢れて消えた。
「圭吾お前、顔真っ白!」
蓮は俺に手を伸ばした。そのまま頬を撫でて、キスして欲しい。でも、蓮の手は頬までいかずに、俺の手を握る。
「冷たい。いつからいた?あんな事があったのに、出歩くなよ…もう暗いし、送るから」
蓮は俺を引っ張って、近くのコインパーキングに行った。そこにはかっこいい黒のSUV車が置いてある。
車内はまだ暖かかった。手渡された缶コーヒーも、まだ少し熱い。蓮はいつ、ここに来たんだろう?
「この辺、すっかり変わっちゃったな。目印が変わってて、迷いそうだった」
そう、ずいぶん変わったんだ。蓮がこのまま迷って目的地に着かなくても、いいんだけど、俺は。
「歩いてる時ってあんまり標識見ないよな。慣れてる道でも、一方通行の道で、進めなかったり」
一方通行のまま、家に辿り着けなくなれば、蓮と一緒にいられる。
「それにさ、歩いてると結構距離あるなって思っても、車だとほんのちょっとの時間だったりするよな」
蓮が言う通りほんの少しの時間で、俺の実家のマンションまで到着してしまった。
「着いたよ」
蓮はマンションの前で車を止め、ハザードを点けた。俺はすぐに反応できなかった。だって、帰りたくない。
「大丈夫?まさか、酔ってはないよな?」
蓮が心配そうな顔で、俺の顔を覗き込む。蓮と目が合ったら、触れたくて堪らなくなった。
「蓮、キスしてよ」
数秒待って無視されたらそのまま車を降りるつもりで、言うだけ言って、目を閉じた。
同情でも何でもいい。触れて欲しい。
蓮は俺に噛み付くみたいにキスをした。唇を噛まれて全身が痺れる。俺は蓮の背中に手を回して、蓮にぎゅっと抱きついた。
好きなんだ、蓮が。会いたかった…!好きな人に、会いたかった……!
俺が目を開けると、蓮は唇を離して俺を見つめる。こうやって見つめ合うの、いったいいつぶりだろうか?
……蓮、蓮もあの日…作詞を何回もやり直したあの日はつらくて、好きな人に会いたかった…?ひょっとして、その蓮の会いたかった、好きな人って……。
それなら俺はあの日、帰るべきじゃ無かったんじゃないか?
蓮は俺の頬を撫でて「おやすみ」と別れの挨拶をする。また明日、みたいな気安さで、帰って行ってしまった。
やっぱり、蓮がいるセーブポイントなら俺は回復する。身体の中の、枯れていた泉に水が湧き上がるみたいに、音楽があふれ出てきた。
あれだけ何も思い浮かばなかったのに、不思議だ。俺は一晩で、一曲仕上げてしまった。
『♪セーブポイント
暗闇の中で光るセーブポイント
辿り着いた時 涙が出てしまったのは
眩しいからじゃなく
君に会えなかったから
君がいないセーブポイント
回復どころか 削られる でも
いつかまたここに巻き戻って
会える奇跡を信じてる
でもたまに信じきれなくなって
そんな時は歌をうたうよ
また会える奇跡を願って』
しかし台本をいくら眺めても何も思いつかない。
「あーっ?!」
思いつかないから『悪役令息、皇帝になる』を一巻から読み始めてしまった……。これってあれだ。夏休みの宿題やろうとしたんだけど、つい漫画読み始めちゃって、八月三十一日の夜十時ごろ『はっ?!』ってなるやつ…!
慌ててカレンダーを確認すると、なんと締切まであと二日……!
パソコンの前に座っても、ベースを弾いても、何も浮かばない。最後の手段で、インターネットの知恵袋に聞いてみたが、余計混乱した。
改めて俺は、作曲の事をよく知らないなと思った。俺の曲作りは、"作曲"と言っても本当にただの鼻歌で、体系的に分かっていない。蓮はきちんと音楽を大学で勉強しているから、もうそこから基礎力が違う…。
改めて落ち込んだ俺は、気晴らしにREPLAYの動画ページを見た。あれからも順調に登録者数が伸びているようだ。しかも…。
「うわ、『歌ってみた』やってくれてる…!う、嬉し…!」
おすすめ動画に、タイムリープの『歌ってみた』動画が複数アップされているのを発見した。嬉しくて夢中でその動画をみながら、みんなREPLAYが映画主題歌を歌うと、期待してくれていると分かった。
期待してくれているから、動画を作ってくれた。もし俺が、何も作れなくて外されたら…。そう思うと一気に落ちてしまった。
蓮も、マネージャーもレコード会社の人も原作のえむ先生もREPLAYの登録者の人達も期待してくれている。それは嬉しくもあるけど今はその期待が重くのしかかって、息苦しい。
一言で言うと、つらい…。
だから俺は、蓮に甘えたくなってしまったのだ。
現実逃避して、蓮とのダイレクトメッセージのやり取りを読み返した。そして昨日怒られたことも忘れて我慢できずに、REPLAYのSNSから蓮にメッセージを送った。
「今泉さんは、曲ができない時どうしてますか?」
夕方の忙しい時間帯のはずなのに、意外にもすぐに既読になって、蓮から返信が来た。
『気分転換するかな』
「どんなふうに?」
『外に出て、外の空気を吸う』
「あとなにかある?」
『思い出の場所に行ってみたり』
「思い出の場所?」
『駅前のコンビニ。よく行ったんだ、高校生の頃』
コンビニに…?蓮も、つらくなった時に、思い出してくれてた?俺たちの思い出…。
『それでもどうしてもダメな時は、好きな人に会う』
「好きな人…?」
『うん。小さい頃、怖い時とか泣きそうな時に、つい、お母さん!って、言っちゃう、みたいなことあったろ?』
「小さい頃かぁ…」
子供はお母さん大好きだもんな…。俺は『お母さん』、って泣きそうになってる小さい蓮を想像してほっこりした。小さい蓮、かわいかったろうな。
小さい頃の蓮はつらい時、お母さんに会いたかった。じゃあ、今の、大人の蓮は…?
『つらい時は好きな人に会いたい』
俺…、俺は蓮に会いたい…。
蓮のアドバイス通り、外に出て、冬の冷たい空気を吸い込んだ。もう夕暮れで、かなり寒くなったからコーヒーでも買おうと、コンビニに向かって歩く。駅前のコンビニはまだ建設中だから、少し遠いけど高速の入り口近くのコンビニまで行くことにした。
以前誰かに聞いたことがある、コンビニは薄暗い中で光っていて、ダンジョンの中のセーブポイントみたいだ。俺は光に吸い寄せられる虫みたいに、フラフラと中へ入っていった。
今日は朝も昼も水しか口に入れていない。空腹にコーヒーを飲んだりしたら不味いと思い、何か食べようとお弁当コーナーに向かった。お弁当コーナーには蓮の好きな、変わり種のおにぎりが色々と並んでいる。
「あっ…!これ…」
特に蓮が好きだった、半熟煮卵が丸ごと一個入っているおにぎりが復刻していた。俺は嬉しくなって手に取ると、コーヒーと水と一緒に籠に入れる。
商品を買って、外に出ると、完全に日は落ちていた。おにぎりを食べながらゆっくり帰ろうと思って、包装のテープを剥くところで手が止まる。
連日連夜、新曲について頭を悩ませる日々で、自分の想像以上に、胃が弱っているのかもしれない。食べられる気がしなくて、おにぎりを買い物袋の中に戻した。
そういえば俺が蓮を怒らせたあの日も、俺はコンビニで蓮の好きなものを買っていった。けど、作詞が何度もやり直しになり悩んでいた蓮は何か口にするような気分では無かったのだろう。
あの日、歌詞のやり直し作業に悩む蓮に必要なものはそんなことじゃなかったと、今なら理解できる。俺がしたことなんて、うっとおしいだけ。蓮に必要だったのは気分転換とか、的確なアドバイスやアイディアだったに違いない。それなのによりによって、寝るなんて…。
あの時、蓮と一緒に、考えて、なんで一緒に悩まなかったんだ。馬鹿だ、俺は。もっと一緒に悩んで、一緒に音楽を作りたかった。そうすれば恋人じゃなくてもずっと一緒にいられたのに…。少なくとも嫌われはしなかったはずだ。
俺は今出たコンビニを振り返った。
確かに、営業中のコンビニは暗闇で光るセーブポイントみたいだ。色んなものを売っていて、水を飲んで食事ができて、命をつなげる。
でも俺は全然回復していない。蓮がいないセーブポイントでは回復できないんだ。
つらい時は、好きな人に会いたい……!
自然に足は、駅前のコンビニに向かっていた。
高速の入り口から駅前まではやはり人の流れが変わったようで、通りの店も様変わりしている。高校の時に目印にしていた店はもうない。でも俺は迷わずに辿り着いた。
駅のホームの少し先に俺たちが通ったコンビニはあった。今は建設中のフェンスだけで、そこはまだ暗い。
俺はどのくらい、コンビニができたのかと思って、中を覗き込んでみた。ひょっとしてちょっと不審な人に見えるかもしれない。そう思って、反対側の道に移動して、建物を眺めた。
夜風がいよいよ冷たくて、帰ろうと踵を返すと、後ろから呼び止められた。
……ああ、これって、夢じゃないよな?
「蓮!」
「圭吾!」
蓮は俺のところに走ってきた。
「どうして…?なんで、こんなところで…?」
どうして蓮がいるんだろう。本当に現実?俺は信じられなくて、どうしてここにいるのか蓮に尋ねた。
「気分転換...。でも、もうなくなってたんだな。ここ」
蓮は建設中のコンビニを見つめた。
違うよ、それは無くなってから一周回ってまた、壊してるんじゃなくて立て直してるとこなんだよ。
言いたいことが多過ぎて、俺の声は口の中で溢れて消えた。
「圭吾お前、顔真っ白!」
蓮は俺に手を伸ばした。そのまま頬を撫でて、キスして欲しい。でも、蓮の手は頬までいかずに、俺の手を握る。
「冷たい。いつからいた?あんな事があったのに、出歩くなよ…もう暗いし、送るから」
蓮は俺を引っ張って、近くのコインパーキングに行った。そこにはかっこいい黒のSUV車が置いてある。
車内はまだ暖かかった。手渡された缶コーヒーも、まだ少し熱い。蓮はいつ、ここに来たんだろう?
「この辺、すっかり変わっちゃったな。目印が変わってて、迷いそうだった」
そう、ずいぶん変わったんだ。蓮がこのまま迷って目的地に着かなくても、いいんだけど、俺は。
「歩いてる時ってあんまり標識見ないよな。慣れてる道でも、一方通行の道で、進めなかったり」
一方通行のまま、家に辿り着けなくなれば、蓮と一緒にいられる。
「それにさ、歩いてると結構距離あるなって思っても、車だとほんのちょっとの時間だったりするよな」
蓮が言う通りほんの少しの時間で、俺の実家のマンションまで到着してしまった。
「着いたよ」
蓮はマンションの前で車を止め、ハザードを点けた。俺はすぐに反応できなかった。だって、帰りたくない。
「大丈夫?まさか、酔ってはないよな?」
蓮が心配そうな顔で、俺の顔を覗き込む。蓮と目が合ったら、触れたくて堪らなくなった。
「蓮、キスしてよ」
数秒待って無視されたらそのまま車を降りるつもりで、言うだけ言って、目を閉じた。
同情でも何でもいい。触れて欲しい。
蓮は俺に噛み付くみたいにキスをした。唇を噛まれて全身が痺れる。俺は蓮の背中に手を回して、蓮にぎゅっと抱きついた。
好きなんだ、蓮が。会いたかった…!好きな人に、会いたかった……!
俺が目を開けると、蓮は唇を離して俺を見つめる。こうやって見つめ合うの、いったいいつぶりだろうか?
……蓮、蓮もあの日…作詞を何回もやり直したあの日はつらくて、好きな人に会いたかった…?ひょっとして、その蓮の会いたかった、好きな人って……。
それなら俺はあの日、帰るべきじゃ無かったんじゃないか?
蓮は俺の頬を撫でて「おやすみ」と別れの挨拶をする。また明日、みたいな気安さで、帰って行ってしまった。
やっぱり、蓮がいるセーブポイントなら俺は回復する。身体の中の、枯れていた泉に水が湧き上がるみたいに、音楽があふれ出てきた。
あれだけ何も思い浮かばなかったのに、不思議だ。俺は一晩で、一曲仕上げてしまった。
『♪セーブポイント
暗闇の中で光るセーブポイント
辿り着いた時 涙が出てしまったのは
眩しいからじゃなく
君に会えなかったから
君がいないセーブポイント
回復どころか 削られる でも
いつかまたここに巻き戻って
会える奇跡を信じてる
でもたまに信じきれなくなって
そんな時は歌をうたうよ
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