Natsukoi

奥澤緩菜

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眠り姫

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結局、その日は、夜まで待ってもパパもママも帰ってこなかったし、パパの番号見つけて、掛けてもママと同じアナウンスが流れてた。

 学校から、真っ直ぐ帰り、電話のリスト、年賀状片っ端から探して、聞いて、疲れ捲った1週間。

 私は、かなりの寝不足だった。


 授業を聞いてても、先生の声が子守唄に聞こえてくる。

 「菜緒?ねぇ、菜緒ってば。」
 「ん~、もぉちょっと寝かせて~。ママ。」

ゴチンッ…

「ったぁ!!」
 「なにが、もぉちょっと寝かせて~だ!ここで、質問!」
 「…。」
 「菜緒がいるところは?」
 「教室。」
 「じゃ、今は、何の授業だ?」
 「えっと、数学?」
 「誰が、担当だ?」
 「悠翔くん」

バチッ…

「な~にが、悠翔くん、だ。しっかり、目を覚ませ!!ったく。」
 「はぁ~…」

ピタッ…

先生の動きが止まった。

 「青木?」
 「はい?」
 「菜緒と席、変われ。」
 「は、はいっ!!」

 青木くんが、道具を持ってきた。

 「え~っ!やだぁ!」
 「でも、逆らえないから」

 私の席、教卓の真っ正面になった。

「なんでぇ~っ!」

コツンッ…

「菜緒が、寝るから悪い!仏の顔も三度までだ!」

こっちは、それ所じゃないんだって!

そういや、学校。このまま行けるのかな?幾ら、公立でも…


「じゃ、今から帰りの会、始めっぞ!全員、姿勢!!」
 「はいっ!!」

ここは、軍隊かって。

 俺は、菜緒の顎を出席表でクイッと持ち上げた。

 「菜緒?し・せ・い!」
 「はいっ!!」

 「~ているので、くれぐれも寄り道すんなよぉ?!もし、見つかったら、最悪…廊下で授業受けてもらおっかな…。そんなの嫌だろ?」
 「はいっ!!」

ん?何が?聞いてなかった…

「じゃ、菜緒以外、全員帰ってよ~し!」

ガタガタガタッ…

私も帰るか。親戚の人に電話しないと。

 立ち上がって、帰ろうとすると…

ガシッ…

「菜緒は、居残り。」
 「え~っ!なんでぇ?」
 「お前、自分が何をしたのか、覚えてないのか?」
 「授業中に、寝てました。」
 「だよな?俺の授業だよな?」
 「はい。」

めっちゃ、怒ってる~

ガタッ…

椅子に座った。

 「菜緒、ちゃんと寝てるのか?」
 「…。」
 「なんか、悩みでも…」

って、また寝てるし…

「面白いから、寝かしとこ…」

 俺が、テストの採点をしていると…

ゴチンッ…

「ったぁ!!」
 「やっと、目が覚めたか?菜緒。」 
 「悠翔くん?何でいるの?ここ、学校だよ?」
 「はぁっ…。俺は、ここの教師で、菜緒の担任だ!!ったく。」
 「ごめんなさい。」
 「なんか、悩みでもあんのか?ここ最近、ずっと寝てばっかだし。」

い、言えない。両親揃って家出したなんて、恥ずかしくて言えない!!

 「いえ、遅くまで、本読んでただけです。」
 「ふぅん。これ、俺の個人アドレスと番号。ありがたいと思え。お前だけだ。」
 「悠翔くん?」
 「なに?」
 「いつも、話の最後に、ゴニョゴニョ言ってるけど、なに?」
 「なんでもねぇよ。まぁ、暇な時に、メールとかしてこい。相手してやっから。」
 「はい。じゃ、さようなら。」
 「気を付けて帰れよ?不審者が出てるらしいから。」

ピタッ…

菜緒は、教室を出ていった。
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