Natsukoi

奥澤緩菜

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菜緒の涙

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俺が、風呂から出た時には、菜緒は、部屋に居なくて、隣の部屋のベッドで、既に寝ていた。

なんとなく、その寝顔を見てた。

 「可愛い寝顔だ。」

 不意に…

「ママ?パパ?帰ってきて…」

 菜緒が言った。

 「寝言か?にしても、おかしなこと言ってるな。居ないったって、今日だけだろ?」

 「ママ?」

 菜緒の閉じた目から、涙が流れ落ちた。

 「どんな夢、見てんだよ。ったく。」

クローゼットから、毛布を引っ張り出して、ソファで寝た。


翌朝、俺が起きると、まだ菜緒は、気持ち良さそうに寝ていた。

 「寝かしとくか。その内、腹でも減って起きるだろ?」

 軽く食事を済まし、洗濯、掃除をすると、昼近い。

 「まだ、寝てんのか?」

 部屋をソッと覗くと、寝ていた。

 「寝すぎだろ?息、してるのか?」

 俺は、菜緒の顔を間近で見ていた。

パチッ…

「えっ?」
 「やっ、これは、違うっ!菜緒、なかなか起きないから、息してるか、心配になって!!」
 「びっくりした。でも、なんかスッキリしたかな。」
 「なぁ、菜緒?」
 「はい?」
 「お前、寝言でおかしなこと言ってたぞ。」
 「寝言?」
 「確か、ママ、パパ、帰ってきてだか、なんだか。」
 「寝言ね。夢だったら、どれだけいいか。ねぇ、悠翔くん。お腹すいた。」
 「パンとコーヒーしかねぇよ?」
 「それでも、いいよぉ。後で、買い物に行けばいいんだし。」
 「…。」


菜緒が?テーブルで食事をしてる間、ふと考えた。さっき、またおかしなこと言ってたなぁ。夢だったら、どれだけいいかって。なんだろう?なんか、親とあったのか?まっ、その内、自分から話してくるだろ?

 俺は、そう思ってた。

 「菜緒~。お前、今日、帰れよ?一応、ここ男しかいねぇんだから。」
 「帰らなきゃ、ダメ?」
 「当たり前だ。バァカッ。何があったかは知らんけどさ、俺で良きゃ相談にものるし。昨日、連絡先教えただろ?」
 「う…ん。」
 「あれ、学校の先生にも、教えてないのだから。全くのプライベートだから。」
 「う…ん…」
 「だから…。ん?菜緒?どした?」
 「あっ…。なんでもない。コーヒーちょっと熱くて、涙が出た。」

 嘘だな。コーヒーカップ空だし。


「なんか、あったの?ケンカした?」
 「ううん。してないよ。今日の夜、帰るから、それまでここにいてもいいかな?」
 「うん。どっか、行くか?気晴らしに。そしたら、少しは落ち着くだろうし。」
 「ん~。行かない。悠翔くんとずっといる。」

 俺は、食器を洗い桶に浸けた。

 「おかしな奴。俺なんかと居ても楽しくないだろ?」
 「そんなことないよ。悠翔くんは…」

 菜緒が、俺を抱き締めた。

 「菜緒?」
 「このままでいて…」
 「どうした?」
 「悠翔くんは、私の傍に居てくれるよね?」
 「いるさ。ずっと居てやるって。」
 「突然、居なくなったりしないよね?」
 「しないけど…。菜緒?」

 菜緒は、泣いてる…。
 何が菜緒の周りで起きてるんだろう?
 俺は、菜緒の身体を抱き締めながら、こいつを守りたいって、思った。


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