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動き出した物語
幼馴染
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神父が生きているのではないかと確かめる度に神父の死を思い知らされ、地獄に落ちたような気になるというのを3度も繰り返した後、生きているかもしれないなんて愚かな希望をいい加減諦め今度こそ騎士団に行こうと立ち上がった時だった。
「セ、セルボ?」
突然名前を呼ばれ、セルボは飛び上がりそうな程驚いて慌てて振り返った。
この倒れている神父がこの教会に来てからは教会に人が寄り付かなくなった為、まさかここに人が来るとは想像もしていなかったのだ。
振り返るとそこには、コラドが驚きのあまり瞬きを忘れた目でこちらを見ていた。
「コラド!なんでここに⁈」
「何でってお前が中々店に来なかったから探してて…」
コラドは騎士団の歓迎会の支度をあらかた終わらせたので、魚を持ってこないセルボを心配して探していた。川に探しに行ったがセルボの姿はどこにも見当たらなかった為、あの神父に何かさせられているのかと心配になり教会に様子を見に来たのだった。
教会の扉が少し開いていたのでコラドは中の様子を窺うためそっと覗くと、目の前に全身が赤く汚れたセルボと赤い液体の中に倒れている神父がいた。神父の横には女神の像が普段掲げていた断罪の剣が赤く汚れ落ちていたのだ。
「そ、それより…何をしてるんだ?そこに倒れてるのは…あのクソ神父なのか?」
「これはその…確かに神父だけど…たっ、ただ寝てるだけ…そう寝てるんだ!」
「寝てるだけって…どう見たってそんな風には…じゃ、じゃあ、その床の赤い液体は何なんだ?」
「床の赤いのは…その…その…そう…ワイン!ワインでも倒したんだ!」
「ワイン?そんなはずないだろ?…それにこの匂いは…」
「じゃ、じゃあ!突撃豚の血だ!」
「…セルボ…落ち着けよ。自分が言ってる事に無理があるってわかるか?」
「どこが無理があるんだよ!全然無理なんてない!!神父は寝てるんだ!死んでなんかない!!」
扉を開けこの光景を目にした時は気が動転して、目の前の光景を受け入れる事が出来なかったが、目の前に自分より気が動転している者がいるとどんな状況でも案外落ち着けるみたいだ。
しかし本当にお人好しのセルボが神父を殺したというのか?目の前の光景はそれが事実だと物語っているし、目の前の彼は俺が見て来た幼馴染とは別人ではないかと思うぐらい怖い目で…まるで俺まで殺そうとしているかの様な目で睨みつけていた。
「なんで黙ってるんだよ!!これはっ違うって言ってんだろ!違うって…俺は悪くなんか…くっ!」
そう叫びながらセルボは床に崩れ落ちた。そんな彼を見て、目の前の状況を作り出したのはやっぱりセルボなんだと分かったが、コラドは幼馴染が人を殺したという衝撃的な事実に困惑し、どうしていいか分からなくなった。
「…コラド、俺…自首する。自首しに騎士団に行ってくる。
本当はお前が来る前に何度も自首しに行こうと思っていたんだ…こんな姿お前に見られる前にさっさと自首しに行けばよかったな…。
…なぁコラド…前から言ってた町長の役をお前に任せていいか?こんな事になっちゃって大変な仕事を任せる事になるけど、やっぱりお前に向いてると思うんだ。だから…頼む。」
セルボが自首?自首したら…セルボは死刑じゃないか?それとも情状酌量の余地が…いや、死んだのは領主の義弟だ、死刑は免れないんじゃ…
「待てよ!お前みたいなお人好しが自分から殺したりしない筈だ!事故か何かでこうなったんだろ?な?そうなんだろ??自首したらお前はきっと死刑だ、だから…」
「…事故?…いや、事故じゃない。俺には…確かに殺意があったんだ。」
「殺意って…お前の勘違いだって!お前が殺意なんて抱くはずない!!」
「俺を聖人か何かだと思ってるのか?お前はいつも俺の事お人好しだ、良い人だって言うけど俺の事ちゃんと見てないだけだ!
俺は確かに殺意を持ってこの手でアイツを殺したんだ!」
「…そんな事、ある筈ない。」
「コラド…なぁ現実を見てくれ、どう見たって俺が殺したってわかるだろ?俺は聖人なんかじゃない。
俺は自首したらきっと…死刑になる。死んでしばらくすれば、皆俺の事なんて忘れるだろう…それはしょうがない事だけど、幼馴染のお前にだけは俺を…本当の俺を覚えていて欲しいんだ。俺の事を全て覚えていて欲しい…人を殺してしまった俺の事さえも…。
自分勝手な事を言ってるってわかってるつもりだ。でもお前が俺の事を覚えていてくれるってだけで、俺は救われる…頼む。」
「セルボ…わかった。俺がお前の全部を覚えているよ。だから自首する前に俺に話してくれないか?何でこうなったかを。」
さっきまでの俺にさえ殺意を見せた別人の顔ではなく、どこかスッキリとした様な俺の知っている顔をしたセルボが事の発端を話し始めた。
「セ、セルボ?」
突然名前を呼ばれ、セルボは飛び上がりそうな程驚いて慌てて振り返った。
この倒れている神父がこの教会に来てからは教会に人が寄り付かなくなった為、まさかここに人が来るとは想像もしていなかったのだ。
振り返るとそこには、コラドが驚きのあまり瞬きを忘れた目でこちらを見ていた。
「コラド!なんでここに⁈」
「何でってお前が中々店に来なかったから探してて…」
コラドは騎士団の歓迎会の支度をあらかた終わらせたので、魚を持ってこないセルボを心配して探していた。川に探しに行ったがセルボの姿はどこにも見当たらなかった為、あの神父に何かさせられているのかと心配になり教会に様子を見に来たのだった。
教会の扉が少し開いていたのでコラドは中の様子を窺うためそっと覗くと、目の前に全身が赤く汚れたセルボと赤い液体の中に倒れている神父がいた。神父の横には女神の像が普段掲げていた断罪の剣が赤く汚れ落ちていたのだ。
「そ、それより…何をしてるんだ?そこに倒れてるのは…あのクソ神父なのか?」
「これはその…確かに神父だけど…たっ、ただ寝てるだけ…そう寝てるんだ!」
「寝てるだけって…どう見たってそんな風には…じゃ、じゃあ、その床の赤い液体は何なんだ?」
「床の赤いのは…その…その…そう…ワイン!ワインでも倒したんだ!」
「ワイン?そんなはずないだろ?…それにこの匂いは…」
「じゃ、じゃあ!突撃豚の血だ!」
「…セルボ…落ち着けよ。自分が言ってる事に無理があるってわかるか?」
「どこが無理があるんだよ!全然無理なんてない!!神父は寝てるんだ!死んでなんかない!!」
扉を開けこの光景を目にした時は気が動転して、目の前の光景を受け入れる事が出来なかったが、目の前に自分より気が動転している者がいるとどんな状況でも案外落ち着けるみたいだ。
しかし本当にお人好しのセルボが神父を殺したというのか?目の前の光景はそれが事実だと物語っているし、目の前の彼は俺が見て来た幼馴染とは別人ではないかと思うぐらい怖い目で…まるで俺まで殺そうとしているかの様な目で睨みつけていた。
「なんで黙ってるんだよ!!これはっ違うって言ってんだろ!違うって…俺は悪くなんか…くっ!」
そう叫びながらセルボは床に崩れ落ちた。そんな彼を見て、目の前の状況を作り出したのはやっぱりセルボなんだと分かったが、コラドは幼馴染が人を殺したという衝撃的な事実に困惑し、どうしていいか分からなくなった。
「…コラド、俺…自首する。自首しに騎士団に行ってくる。
本当はお前が来る前に何度も自首しに行こうと思っていたんだ…こんな姿お前に見られる前にさっさと自首しに行けばよかったな…。
…なぁコラド…前から言ってた町長の役をお前に任せていいか?こんな事になっちゃって大変な仕事を任せる事になるけど、やっぱりお前に向いてると思うんだ。だから…頼む。」
セルボが自首?自首したら…セルボは死刑じゃないか?それとも情状酌量の余地が…いや、死んだのは領主の義弟だ、死刑は免れないんじゃ…
「待てよ!お前みたいなお人好しが自分から殺したりしない筈だ!事故か何かでこうなったんだろ?な?そうなんだろ??自首したらお前はきっと死刑だ、だから…」
「…事故?…いや、事故じゃない。俺には…確かに殺意があったんだ。」
「殺意って…お前の勘違いだって!お前が殺意なんて抱くはずない!!」
「俺を聖人か何かだと思ってるのか?お前はいつも俺の事お人好しだ、良い人だって言うけど俺の事ちゃんと見てないだけだ!
俺は確かに殺意を持ってこの手でアイツを殺したんだ!」
「…そんな事、ある筈ない。」
「コラド…なぁ現実を見てくれ、どう見たって俺が殺したってわかるだろ?俺は聖人なんかじゃない。
俺は自首したらきっと…死刑になる。死んでしばらくすれば、皆俺の事なんて忘れるだろう…それはしょうがない事だけど、幼馴染のお前にだけは俺を…本当の俺を覚えていて欲しいんだ。俺の事を全て覚えていて欲しい…人を殺してしまった俺の事さえも…。
自分勝手な事を言ってるってわかってるつもりだ。でもお前が俺の事を覚えていてくれるってだけで、俺は救われる…頼む。」
「セルボ…わかった。俺がお前の全部を覚えているよ。だから自首する前に俺に話してくれないか?何でこうなったかを。」
さっきまでの俺にさえ殺意を見せた別人の顔ではなく、どこかスッキリとした様な俺の知っている顔をしたセルボが事の発端を話し始めた。
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