男だらけの変態異世界冒険譚

M

文字の大きさ
6 / 87
日常編

6 変態ダンジョン〜後編〜

しおりを挟む
 立ち入る者全てを拒んできた巨扉も、ヒビキにかかってはなす術もなかった。
 わずかに軋む鈍い音を立てながら、少しずつ開いていく。
 いよいよ、歴史に埋もれた地下神殿の全貌が明らかになる時がきた。

「おお~……」

 扉の奥にひろがった神殿の内部に入った僕たちは、その壮麗さに言葉を失った。
 そこは直径80メートルはあろうかと思われる円形の大ホールだった。
 まばゆい光に満ちあふれた神殿内の、白い壁全てが光り輝いていた。天井までおよそ30メートルはある壁や、柱の装飾も、古代美術様式の集大成といった趣がある。
 神殿の空気は、ひんやりと澄んでいた。とても地の底に造られ、何千年も閉ざされていた遺跡の中とは思えない。
 ホールの中央には一糸纏わぬ美しい肢体をさらけ出した慈悲深い優美な笑みを浮かべた美少年の像が清らかな光に照らされていた。
 僕たちは、はるかな時を超えた神々しいまでに荘厳な雰囲気に、しばし浸っていた。
 当時最高の技術で造られたとはいえ、ここは構造、材料、建築様式など、すべてが上のダンジョンとは段違いだ。第一、これだけの規模施設を地下深くに造るだけでも、想像を絶するほどの時間と人員が必要とされたに違いない。

「――いよいよ、お宝とのご対面だぜ」

 お宝が眠る場所を目前にして、ヒビキは胸が高鳴るのを感じた。

「ぎゃあああッ!」

 表皮のとろけた不定型で骨も外骨格もないゆるゆるとしたモンスターが流れるようにこちらに移動してきた。
 ゲル状の肉体からは、いくつもの触手が絡み合いながらのびている。折れ曲がる手脚が床に粘液を残しながら這いずり、粘つく音をたてて近づいてくる。

「コイツは『淫獣いんじゅう』だ! 人間を襲い、犯してから殺す恐ろしいモンスターなんだッ!」

 触手がのたうちながらも素早く宙を飛んできて、僕の脚を絡め取った。
 力ずくで引き寄せられ、粘液のへばりついた僕の肌がひりひりと痛む。
 触手が巻きつくと服が溶けていき、いくつもの節のある淫獣の手が僕の脚を捉えて開かせる。
 怪物から、ぬらぬらといやらしく黒光りのする太い棒がせりだしている。所々に奇妙なコブが突き出た、異形のペニスだった。
 無理やり大きく開かされた両脚の向こう側から、巨大なペニスがじわじわと近づいてくる。
 先端から溶けたゼリーのような透明な粘液がにじみ出て、全体をぬめらせていた。
 お尻に押しつけられた熱い怪物の凶器が僕のアナルをこじ開けようとする。

「ひッ、いやッ!」

 アナルを引き裂かれるような痛みに僕は身体を硬直させた。魔性の生き物の巨大な影がのしかかってくる。
 もうだめ……と僕が覚悟した時、一陣の紅蓮の突風が地下神殿を吹き抜けた。
 目にもとまらぬ速さで火炎の風の刃が淫獣の体を腹部から真っ二つに切り裂いた。
 ぽろっと崩れ落ち、溶けて泡立つゼリー状の塊になった体は、しゅうしゅう音をたてて蒸発していく。

「ミライ、大丈夫か⁉︎ もう平気だぞ、俺が一撃で倒したからな♡」
「ああ、ヒビキ!……」

 僕の身体から力が抜けていった。

「おや、すごい格好だな♡」
「え? あ!……うああーッ!」

 着ているものは淫獣の体液で溶かされ、裸同然になっていた。
 身体中に粘液が絡みつき、軽い火傷をしたように肌が赤く染まっている。
 両脚を大きく開いたままだったのに気づき、慌てて脚を閉じたが、ヒビキはその足首をつかんで、力まかせにひろげさせた。

「ミライ、ヤツに突っこまれたりしなかったか?」
「えっと、それは……」
「答えるんだ! ここに入れられたのか?」

 遠慮のないヒビキの指がお尻に触れ、アナルを押しひろげて上下に肛門の中を軽くこする。
 淫らな指の感触に、ビクンと、僕の腰が震えた。

「うわあッ! やめて……い、入れられてなんかいないよ」
「本当だな? 突っこまれてなきゃなんとかなるが、あれの体液は男を狂わす毒だ!」
「え⁉︎ 嘘、ホントに?」
「この俺がミライに嘘をつくと思うか? ミライの身体に毒を中和するための精を注いでやるから安心して俺に身を任せろ!」
「はぅぅ‼︎」

 戸惑う僕の目の前にヒビキはいきなりペニスを突きだした。

「さあ、言うとおりにするんだ。こいつを握ってみろ……」
「……こう?……ああッ!」

 僕は驚いて手を離す。手の中で、ペニスがふいにビンッと脈打ったのだ。

「うわッ、すごく動いた! 生きてるみたい」
「生きてるに決まってるだろ」
「だって、急に大きくなったんだもん。もうこんなに熱く硬くなってる♡」
「ミライのためさ♡ いいか、そうっと……そうそう、こすって」

 言われたとおり、僕はおずおずと勃起し始めたペニスをこすりあげた。

「おおッ……ん、いいぞ、ミライ♡」

 無器用だけど、丹念な僕の奉仕によってヒビキは思わずうめき声をもらしてしまう。
 さらに快感が高まるにつれ、腰を激しく揺すりたてる。

「ミライ、もう出るぞッ!」

 めくるめく快感に翻弄されたヒビキの剛直から、勢いよく大量の精液がほとばしり、その飛沫は容赦なく僕の身体に浴びせられた。

「はぅ……」

 僕は身体についた精液を指先でぬぐってみる。
 ヒビキは少し赤くなって、僕の髪をつかみ、顔を下腹部に引き寄せる。

「え? な、何……待って……う! んんッ、く!」

 僕の言葉をさえぎるように無理やり可愛らしい唇にペニスを押しこむ。
 苦しがって逃れようとするのもかまわず、頭を押さえつけて、また喉まで突き入れた。
 顔を振って僕がもがくことが、また快感を呼び起こす。
 再び射精しそうになったヒビキは、すかさずペニスを口から引き抜き、困惑する僕の顔に白い樹液をぶちまける。
 それを何度か繰り返されると、僕の身体は汗と精液で洗われたようになり、ぐっしょりと濡れそぼった。
 ぼうっとした状態の僕は切なげに大きく吐息をつく。

「なんだか、ちょっぴり不思議な感じ♡」

 ヒビキは僕を抱き締めた。何度も射精したのにペニスは再び硬く勃起していた。
 クエストそっちのけで僕はヒビキの胸にぐったりともたれこんだまま、次の日の朝まで地下神殿の中で抱かれ続けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

処理中です...