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クェーサーΩ編
61 修行の成果〜後編〜
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「い、意地でも僕と戦う気なんだな? こ、後悔するなよ……。逃げるんだったら、その、えっと……今のうちだぞ!」
「案ずるな。すぐに戦おうではないか」
「はぁ、そうですか……」
僕たちはそれぞれ馬首を巡らせて目抜き通りの端へ移動した。
僕が馬首を返すと、黒い騎士は馬体を横へ向けて、長大なバスタードソードを鞘から抜き去るところだった。
「……い、行くぞぉ~!」
僕は叫んで馬腹を蹴った。
僕たちは目抜き通りの、ちょうど村長の家の前で激しく交錯した。
すれ違いざま、僕は黒い騎士に向けてランスを突き出した。正確に心臓を狙った穂先を、黒い騎士は左手の楯で軽く払いのけつつ、即座に右手のバスタードソードを振るってくる。
僕は鞍の上につっ伏して黒い騎士の一撃をかわした。
そのまま勢いに乗って走り、目抜き通りの端でようやくとまった。僕たちは再び馬首を返した。
僕は再び黒い騎士へ突っ走っていった。今度は黒い騎士は、馬を大きく迂回させて、ランスの穂先を受け流す戦法に出た。
ヒビキから教わった正統的騎士戦法に出た僕だったが、敵には効果がなさそうだ。ランスによる突進は騎兵戦術の花形だが、その戦法は騎兵と馬体に体重があってこそ威力を発揮するもので、僕程度の体重の騎士の穂先ならばそれほど威力などないのだ。
一合二合、僕と黒い騎士は目抜き通りですれ違い、ランスと楯が火花を散らせ合った。しかし、そのたびに僕の助走距離は短くなっていった。
どうやら黒い騎士の乗馬は戦慣れした悍馬であった。僕が騎士とすれ違うたびに黒駒がつけいってくるので、僕は馬首を早めに返さざるを得ないのだ。
助走スピードが得られないのでは、ランスによる威力はさらに少なくなる。僕は諦めたようにランスを投げ捨てると、細身の剣を腰から引き抜いた。
素早く馬を寄せると、いきなり黒い騎士に切りかかった。
今度は僕が戦いの主導権を握った。黒い騎士の得物は重いバスタードソードである。一方、僕の方は軽いレイピアであるうえに、その太刀筋はまあまあ速いと自負している。
だが、やはり黒い騎士の軍馬と僕の乗馬では格がちがい過ぎた。黒駒は馬体を生かして僕のスカーレットにジワジワと圧力をかける。スカーレットはあっけなく逃げ腰になってしまった。
こうなっては、もはや何をしようがどうしようもない。人馬一体となった黒い騎士の太刀筋の前に僕は防戦一方になった。
バスタードソードはレイピアで受けるには重すぎる。受け身にまわると、まったくなす術もない。今にも手から剣が弾かれそうになっていた。
「ふぇ~、しょんなぁッ!!!」
いつしか、我ながら情けない悲鳴さえもれていた。
黒い騎士の最後の一撃で、僕の剣は手から離れ、しなりながら飛び去っていった。
得物を失った僕は、鞍の上で身動きできなくなった。目の前に黒い騎士のバスタードソードの剣先を突きつけられているのだ。
「……ご、ごめんなちゃいッ! 調子こいてましたぁ~! 何でもするから許して~ッ!」
思わず震える声で泣き叫んでしまう。
黒い騎士は剣を引くと、鞘に戻した。
「ヒビキと修行をしたと聞いていたが、可愛いらしいほどに弱いなぁwww まあ、だからこそ守ってやりたくなるんだけどな♡」
僕はハッとして、兜のバイザーをはねあげた。
「あんた、もしかしてッ⁉︎」
黒い騎士は兜を脱いだ。
「やっと分かったか、ミライ♡」
そう言うと、ゼノンはニヤリと白い歯を見せて笑った。
僕は慌てて兜を脱ぐと脇に抱え、スカーレットから降りた。
「も~う、ゼノンのバカッ! 何でこんな意地悪するの⁉︎ 僕、すっごく怖かったんだからね!」
僕は泣きそうな顔を真っ赤にして怒った。
「わりい、ヒビキに言われてな。ミライの成長ぶりを見てほしいって頼まれたんだ。結構強くなったじゃないかぁ~♡」
「そ、そうかな~♡ あんまり褒められるほどの実力じゃないと思うけど」
「まあ、普通だったら褒められるレベルじゃないが、ミライにしては上達したんじゃないかwww」
「何それ~、全然褒められた気がしないんだけど……」
僕はうろたえながらも、自分の剣の腕前を、ゼノンが本音ではどれくらい評価したのか知りたくなった。
「実際のところ、僕の腕前って上中下で言ったら、どのレベルかな?」
「……う~ん、それはだなぁ」
ゼノンは顔をしかめながら言った。
「清々しいほどに下の下だ。はっきり言って、戦力外だなぁ」
「あぁ……やっぱり」
スパルタ特訓を受けていた僕は太刀筋が悪いと、強制的にその場でヒビキに犯される毎日を送っていた。
「どうやらヒビキの指導じゃ、ミライはダメなようだなぁ。ゆとり教育よりスパルタ教育こそが最もミライには相応しいと思うんだ。だから今日からミライはオレの弟子になってもらう! 異論は認めないwww」
「えぇ~ッ! ヒビキでも十分すぎるほどにスパルタだったのに、もっとハードな特訓するの⁉︎」
ゼノンは僕を見ながら好色そうな表情でニヤリと笑った。
思わず僕は顔を真っ赤にして自分の身体を両手で隠すように抱きしめるのだった。
「案ずるな。すぐに戦おうではないか」
「はぁ、そうですか……」
僕たちはそれぞれ馬首を巡らせて目抜き通りの端へ移動した。
僕が馬首を返すと、黒い騎士は馬体を横へ向けて、長大なバスタードソードを鞘から抜き去るところだった。
「……い、行くぞぉ~!」
僕は叫んで馬腹を蹴った。
僕たちは目抜き通りの、ちょうど村長の家の前で激しく交錯した。
すれ違いざま、僕は黒い騎士に向けてランスを突き出した。正確に心臓を狙った穂先を、黒い騎士は左手の楯で軽く払いのけつつ、即座に右手のバスタードソードを振るってくる。
僕は鞍の上につっ伏して黒い騎士の一撃をかわした。
そのまま勢いに乗って走り、目抜き通りの端でようやくとまった。僕たちは再び馬首を返した。
僕は再び黒い騎士へ突っ走っていった。今度は黒い騎士は、馬を大きく迂回させて、ランスの穂先を受け流す戦法に出た。
ヒビキから教わった正統的騎士戦法に出た僕だったが、敵には効果がなさそうだ。ランスによる突進は騎兵戦術の花形だが、その戦法は騎兵と馬体に体重があってこそ威力を発揮するもので、僕程度の体重の騎士の穂先ならばそれほど威力などないのだ。
一合二合、僕と黒い騎士は目抜き通りですれ違い、ランスと楯が火花を散らせ合った。しかし、そのたびに僕の助走距離は短くなっていった。
どうやら黒い騎士の乗馬は戦慣れした悍馬であった。僕が騎士とすれ違うたびに黒駒がつけいってくるので、僕は馬首を早めに返さざるを得ないのだ。
助走スピードが得られないのでは、ランスによる威力はさらに少なくなる。僕は諦めたようにランスを投げ捨てると、細身の剣を腰から引き抜いた。
素早く馬を寄せると、いきなり黒い騎士に切りかかった。
今度は僕が戦いの主導権を握った。黒い騎士の得物は重いバスタードソードである。一方、僕の方は軽いレイピアであるうえに、その太刀筋はまあまあ速いと自負している。
だが、やはり黒い騎士の軍馬と僕の乗馬では格がちがい過ぎた。黒駒は馬体を生かして僕のスカーレットにジワジワと圧力をかける。スカーレットはあっけなく逃げ腰になってしまった。
こうなっては、もはや何をしようがどうしようもない。人馬一体となった黒い騎士の太刀筋の前に僕は防戦一方になった。
バスタードソードはレイピアで受けるには重すぎる。受け身にまわると、まったくなす術もない。今にも手から剣が弾かれそうになっていた。
「ふぇ~、しょんなぁッ!!!」
いつしか、我ながら情けない悲鳴さえもれていた。
黒い騎士の最後の一撃で、僕の剣は手から離れ、しなりながら飛び去っていった。
得物を失った僕は、鞍の上で身動きできなくなった。目の前に黒い騎士のバスタードソードの剣先を突きつけられているのだ。
「……ご、ごめんなちゃいッ! 調子こいてましたぁ~! 何でもするから許して~ッ!」
思わず震える声で泣き叫んでしまう。
黒い騎士は剣を引くと、鞘に戻した。
「ヒビキと修行をしたと聞いていたが、可愛いらしいほどに弱いなぁwww まあ、だからこそ守ってやりたくなるんだけどな♡」
僕はハッとして、兜のバイザーをはねあげた。
「あんた、もしかしてッ⁉︎」
黒い騎士は兜を脱いだ。
「やっと分かったか、ミライ♡」
そう言うと、ゼノンはニヤリと白い歯を見せて笑った。
僕は慌てて兜を脱ぐと脇に抱え、スカーレットから降りた。
「も~う、ゼノンのバカッ! 何でこんな意地悪するの⁉︎ 僕、すっごく怖かったんだからね!」
僕は泣きそうな顔を真っ赤にして怒った。
「わりい、ヒビキに言われてな。ミライの成長ぶりを見てほしいって頼まれたんだ。結構強くなったじゃないかぁ~♡」
「そ、そうかな~♡ あんまり褒められるほどの実力じゃないと思うけど」
「まあ、普通だったら褒められるレベルじゃないが、ミライにしては上達したんじゃないかwww」
「何それ~、全然褒められた気がしないんだけど……」
僕はうろたえながらも、自分の剣の腕前を、ゼノンが本音ではどれくらい評価したのか知りたくなった。
「実際のところ、僕の腕前って上中下で言ったら、どのレベルかな?」
「……う~ん、それはだなぁ」
ゼノンは顔をしかめながら言った。
「清々しいほどに下の下だ。はっきり言って、戦力外だなぁ」
「あぁ……やっぱり」
スパルタ特訓を受けていた僕は太刀筋が悪いと、強制的にその場でヒビキに犯される毎日を送っていた。
「どうやらヒビキの指導じゃ、ミライはダメなようだなぁ。ゆとり教育よりスパルタ教育こそが最もミライには相応しいと思うんだ。だから今日からミライはオレの弟子になってもらう! 異論は認めないwww」
「えぇ~ッ! ヒビキでも十分すぎるほどにスパルタだったのに、もっとハードな特訓するの⁉︎」
ゼノンは僕を見ながら好色そうな表情でニヤリと笑った。
思わず僕は顔を真っ赤にして自分の身体を両手で隠すように抱きしめるのだった。
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